2016.10.10 【妙義山山行 快感の岩稜歩き】 でも、アップダウンにアップアップ

妙義山は、群馬県甘楽郡に位置する日本三大奇景の一つとされる山である。
帰路、妙義山を振り返る。
妙義山という山名は総称で、白雲山・金洞山・金鶏山・相馬岳・御岳・丁須ノ頭・谷急山などを併せて妙義山と呼ぶ。
南側の「表妙義」と北側の「裏妙義」に分かれている。
最高峰は、表妙義稜線上にある相馬岳(1,104m)である。
今回は、この表妙義の半分くらいを周遊する計画である。
写真はすべてクリックで拡大します
表妙義の縦走路は、岩稜帯が連続し、多数の死亡・重傷等の遭難が繰り返し起こっており、「山と高原地図」では、難路の登山道(初級・中級・上級の分類の中で分類外の最上級に分類)に分類され、危険のマークが5個も付いているルートである。
古くは、明治45年にイギリス人登山家ウェストンが、岩山を登る技術を日本人に教えたことから、近代登山発祥の地ともされている。

さて、3連休の最終日ということで早出早帰りの計画とし、早暁に都内をH君の車で出発。
渋滞も無く、午前7時には妙義山山麓にある駐車場に到着。
天気は幸い晴れているが、期待していた紅葉にはちょっと時期が早かった。
ガラガラ関越道を行く
駐車場もガラガラ
表妙義・白雲山。真ん中の白い点が大の字
まずは妙義神社本殿を参詣し、登山道に入る。
妙義神社本殿にお参り
境内はまだ静かだ
いきなり、樹林帯の急登で登山道は始まる。
まずは「大の字」を目指す。
「大の字」は、江戸時代に妙義大権現を省略し、「大」としたもので、妙義神社にお参り出来ない村人・旅人などが中仙道から、手を合わせお参りをしたそうである。
数人の登山者が先行していたが、ここで引き返す人もいる。
「山と高原地図」にも「困難ならここで戻る」と記されている。

しばらく、樹林帯を登る。
標高が低いので、前回の大山山行並みに汗だくとなる。

奥の院に到着。
いよいよ鎖場が登場する。
「高原地図」には、「滑落死亡事故数件あり、ルンゼ内直立4連30m鎖」とある。
最初の難関である。H君ヘルメットを装着。
ここでも数人が奥の院にお参りをして引き返して行った。
ルンゼに取り付く
こんな感じで結構高いです
鎖がきっちりあるので大丈夫
このルンゼ。結構な長さではあるが、鎖がきちんと敷設され、足場もしっかりとしているので、難易度は高くない。

この後は岩稜と樹林の混合帯となり、アップダウンも多くなる。
「見晴」「ビビリ岩」「玉石」「背びれ岩」などを通過する。
7m外傾鎖、稜上のチムニー鎖直立2m、3連鎖、岩稜上鎖などと「高原地図」に記載されている難所が次々と登場。
大岩を越え、喜んでいる
結構、写真だと迫力ある。。。。
山が低いので樹木も多し
玉石のあたりですか。
見た目より難易度高くない
H君、ナイス撮影!
恐怖感は無いが、慎重に歩を進める。
岩が濡れていないので、足場がしっかりしているのが有りがたい。
裏妙義方面。雲が出てきました
上州の旗艦・赤城山
ただ、繰り返されるアップダウンと迷路のような山道に閉口する。
妙義山は今回が初登なので、幾度か道をロストする。
稜線上なのですぐに正しい道に戻ることはできるが、疲労感は高まる。
視界が悪い時には、難儀しそうである。

前半のクライマックスである「大のぞき」に着くころには、2人とも結構ヘロヘロになってしまった。
「大のぞき」を出発。
「滑り台状10m2本と30m鎖」の岩壁を下り、岩稜帯は、これで終了である。
当初、表妙義は、「穂高のジャンダルムより怖い」などと言う人もいる岩稜とのことで、かなり、緊張と覚悟を持って臨んだのだが、無事に踏破完了である。
大きなスラブを下る
下から見るとこんな感じ
天狗岩まで来た。頂上はもうすぐだ
結構、ヘロヘロ
あそこが頂上ですね~
一度、大きく下り、山頂に着く。
相馬岳山頂(1,104m)である。本日の目的地到着である。
それほど、広い頂上ではないが、展望は良い。
残念なことに結構雲が広がってきており、佐久方面の荒船山などはきれいに見えたが、浅間山や八ヶ岳は雲の中であった。

到着。汗だくで記念撮影。
例によって、山頂で1時間ほども昼食休憩である。
裏妙義と遠くに荒船山
沢を詰めて来たクライマー3人連れや、なぜか山頂でY字バランスで記念撮影をする女性、200回は登ったとか言う地元のおっちゃんなどが次々と到着。
今日のランチ
H君が「2時に帰路に着けば、関越は渋滞しない」と言い切るので、仕方なく腰を上げ、下山することにする。
下山は、沢筋のコースを選んだが、下り始めてすぐに、浮石に乗ってしまい大転倒。
その後も、幾度も転びながらの下山となってしまった。
結構、痛かったのだが、打ち身、擦り傷数箇所で済んだのは、幸いであった。

あちこちにある遭難レリーフ
この後、転倒する私
「関東ふれあいの道」にしてはシビアじゃん
最後は、妙義山本殿に「かしこみかしこみ無事下山」と報告し、駐車場に2時過ぎに到着。
温泉にも寄らず、お土産も買わず(H君は妙義山のお守りを買った。他では買わないのに謎である。)、速攻で帰路に着いたのであった。
登山口まで降りてきた
最後に妙義神社本殿にご挨拶
本日の山行を総括すると、
・低山のアプローチはやはり暑い。
・岩稜帯は、結構スリルもあり快感であるが、慎重に。
・アップダウンが多いので、疲労度は高い。
・下りは特に浮石に注意。
・難易度が高い。と言われる山ほど空いている。
・持っていったヘルメットは被ろう。

<山行記録>
日程:2016年10月10日(火) 日帰り
同行者:Hさん
天候:曇り時々晴れ

当初計画:富岡市営登山者用駐車場(7:20)-白雲山登山口(7:30)-大の字(8:05)-見晴(9:10)-大のぞき(9:50)-発(10:00)-天狗岩(10:40)-タルワキ沢のコル(11:00)-相馬岳(11:20)-(昼食)-発(12:00)-タルワキ沢のコル(12:15)-タルワキ沢出合(13:00)-第一見晴(13:30)-富岡市営登山者用駐車場(13:55)

コースレコード:富岡市営登山者用駐車場(7:18)-(妙義神社参詣)-白雲山登山口(7:35)-大の字(8:20)-発(8:36)-見晴(9:20)-発(9:30)-大のぞき(10:02)-発(10:12)-天狗岩(10:43)-タルワキ沢のコル(11:05)-相馬岳(11:24)-(昼食)-発(12:20)-タルワキ沢のコル(12:29)-タルワキ沢出合(13:12)-第一見晴(13:40)-(妙義神社参詣)-富岡市営登山者用駐車場(14:05)

実歩行時間:4時間56分
相馬岳山頂から見る裏妙義。右奥は浅間山。