剣ヶ峰中腹より川場スキー場方面 |
2025年。今年こそは毎年達成できない目標の月1回登山を達成しよう。
と計画を練っていたところ、HT君から「氷瀑を見に行きませんか。見頃は1月末頃かと思いますが。」とお誘いがあった。氷瀑とは以前行ったことのある日光雲竜渓谷にある雲竜瀑である。
即参加表明を行う。
今回の参加者は、HT君とTM君と私である。
似非ピークハンターのSM君は不参加とのこと。
ピークのない雪中ハイキングになど興味はないのであろう。見上げたものである。
山行1週間前。氷瀑はできているものの、遡行する沢筋に雪が少なく、真冬の沢登りとなる可能性大ということで、急遽、普通の雪山登山に変更する。ピークハンターごめん。。。
天気図、積雪情報を睨み、今回は雪山デビューのメンバーもいることから、①谷川岳、②上州武尊山、③日光白根山にターゲットを絞り、天気の様子を見ながら、直前に決定することとした。
前日の25日、冬型に移行する直前に上越方面は晴れと予報が出た。
上越国境付近は若干怪しいが、上州武尊山付近は1日中晴れると予測。
上州武尊山にターゲットを絞る。
上州武尊山の雪山登山は前にも来ており、その時は快晴無風。大絶景の大展望であった。
積雪期のコースタイム4時間10分を大幅に短縮し、3時間15分ほどで踏破している。
今回も当然楽勝である。 はずだった。
(今回と比較すると同じ山とは思えないのである)
写真はすべてクリックで拡大します |
26日未明。
TM君と私を乗せたHT君の車は関越道を走り、沼田ICで降り、川場スキー場へ向かう。
スキー・ボーダー客の駐車場待ち渋滞等もあり、川場スキー場に到着したのは9時を回っていた。
天候は曇りであるが、朝のうちは仕方がない。しばらくすれば晴れてくるに違いない。
風も想定より弱く、登山には好適と思われる。
風も想定より弱く、登山には好適と思われる。
登山準備、入山届提出、リフトチケット購入とココヘリレンタル(入山にはGPSココヘリの携行が必須となっている)等を行い、リフト乗り場へ。
9時30分。ボーダーが多いが、さほどの混雑もなくリフトに乗車。
9時30分。ボーダーが多いが、さほどの混雑もなくリフトに乗車。
桜川エクスプレス乗り場に急ぐ |
曇ってて視界が悪いなあ |
桜川エクスプレス、クリスタルエクスプレスとリフトを乗り継ぎ、西岳と剣ヶ峰のコルにある頂上駅に着いたのは10時前となってしまった。
天候は依然として薄曇り。
ここで、HT隊長のアイゼンが壊れたのが、不吉の前兆か。まあ、使いすぎでしょうね。
応急処置でなんとか装着できたようだが。
初雪山のTM君も問題なく準備完了。
初雪山のTM君も問題なく準備完了。
無事アイゼンを装着し、防寒装備を整え、出発したのは10時5分。
この時はまだ、この後の悪戦苦闘を予想だにせず、元気いっぱいであった。
この時はまだ、この後の悪戦苦闘を予想だにせず、元気いっぱいであった。
頂上駅に到着 割と空いている |
本日の装備品 |
出発前は元気元気 |
剣ヶ峰への斜面に取り付く |
高度が上がるにつれ、風が強くなる。天気は薄曇りのままである。
積雪は前に来た時より多く、乾いているため登りにくい。
第一目標の剣ヶ峰にはコースタイムよりちょっと遅れて到着。
この後は稜線を辿ることになるが、風がさらに強くなり、雪を巻き上げ地吹雪状態となる。
第一目標の剣ヶ峰にはコースタイムよりちょっと遅れて到着。
この後は稜線を辿ることになるが、風がさらに強くなり、雪を巻き上げ地吹雪状態となる。
山頂標識は完全埋没 |
ホワイトアウトする登山道 |
先行者も見えにくい |
天候が悪いため、剣ヶ峰にて撤収した人も多かったようであるが、正解である。
ここから武尊山頂までは、終始、強い西風に煽られることとなる。
HT隊長も踏み跡がかき消されていて、ルートを辿るのが大変そうである。
私はメガネの左側にエビの尻尾状の氷が付着し、視界はほぼ0。舐めてゴーグル持ってこなかった。
冬山初心者のお世話などできるはずもなく、HT隊長にお任せである。
私はメガネの左側にエビの尻尾状の氷が付着し、視界はほぼ0。舐めてゴーグル持ってこなかった。
冬山初心者のお世話などできるはずもなく、HT隊長にお任せである。
TM君はことのほか元気で、この過酷な山行を楽しんでいたようだ。
私は正直、踏み跡を辿り辿り、付いていくのがやっとの状態。
ようやくの思いで武尊山頂に到着。
ことさら、風が強く、気温を測るとマイナス15度を示す。
ことさら、風が強く、気温を測るとマイナス15度を示す。
風速は体感であるが、15m前後はあるだろう。(風に向かって歩けないレベル)
時折20mを超える時もあったかも。(何かにつかまっていないと立っていられないレベル)
時折20mを超える時もあったかも。(何かにつかまっていないと立っていられないレベル)
凍結低温烈風地吹雪ホワイトアウト地獄である。
当然、景色なんて何も見えない。撮るものもないのである。
昼食なども到底無理。
寒さと疲労でザックを開ける気もせず、ボー然としていると、HT隊長がチョコパンをくれた。
そういえば、剣ヶ峰から休憩はなし、水も一滴も飲んでいないし、何も食べていない。
非常にまずいのねんのねん。団の面目丸潰れや〜
武尊山山頂に到着 |
なんとか立ってる状態 TMさんは元気 |
凍った寒暖計は−15° |
即下山開始。
この時点で、同じルートを辿ってくる人は我々の他には1人しかいない。
他の人は、みんな帰ってしまったか来なかったのであろう。
我々は同じルートを折り返す。
前回は、剣ヶ峰の手前のコルのあたりから、ちょっと危険ではあるが、トラバースルートが踏まれ、剣ヶ峰への登り返しは回避できた。
今回は、そのトラバースルートが見当たらない。
まだ、踏まれてないのか、風雪で消えてしまったのか。
我々は同じルートを折り返す。
前回は、剣ヶ峰の手前のコルのあたりから、ちょっと危険ではあるが、トラバースルートが踏まれ、剣ヶ峰への登り返しは回避できた。
今回は、そのトラバースルートが見当たらない。
まだ、踏まれてないのか、風雪で消えてしまったのか。
HT隊長が「今、何時?」と聞くので、「そうね大体1時半。え、1時は〜〜ん?」
時間かかりすぎである。
もし、最終リフトに間に合わなかった時はどうなるのか?
遭難扱いか?ココヘリか?雪洞ビバークか?徒歩下山か?
時間かかりすぎである。
もし、最終リフトに間に合わなかった時はどうなるのか?
遭難扱いか?ココヘリか?雪洞ビバークか?徒歩下山か?
まことにやばい!
この後も、踏み抜きやアイゼン引っ掛けも多発。
なんと言ってもトラバースするルートがなかった精神的ダメージは大きい。
もう、前行く二人を亡霊のように、追い続けるしかないのであった。
ホワイトアウトの稜線を行く |
剣ヶ峰への登り |
ブロッケンか〜幻覚か〜 |
誰もいない |
ほぼ終わってる |
滑落転倒。完全に終わった |
剣ヶ峰を越え、最後の下りに入ると、もう制御が効かず、ずるずると落ちていくような状態である。
滑落転倒して、涙目でスキー場方向を見やると、これがなんと晴れているんだな〜。
下界は晴れてるのだ |
15時25分。リフト最終駅に到着。
なんとかリフト最終には間に合った。
良い天気である、スノボもスキーも楽しいだろうなーー。
再び2本のリフトを乗り継ぎ、駐車場に戻ったのは16時ちょうどであった。
前回、快晴の快適な雪山稜線歩きで、3時間ほどで踏破しているルートであったが、今回はなんと5時間を要した。
連れの二人を見ると、HT隊長はともかく、TM君も元気そうだ。楽しかったとのことだ。
私の今回の敗因は、天気が予想以上に悪かったこと、前回が快適すぎたこと、トラバースができなかったこと。そして、老化による体力低下。であろう。
登山終了するとめっちゃ空腹で、天丼セットを食べられるまで回復はしたが、今後はトレーニングを怠りなく体力増強を図るか、静かに引退するかの二択を迫られているのは間違いない。
いずれにせよ、残された時間は少ない。。。。。
いずれにせよ、残された時間は少ない。。。。。
朝は満車だった駐車場もがら空き |
駐車場から見上げても綺麗な青空 |
なかなか良さげなスキー場 |
<山行記録>
日程:2025年1月26日(日) 日帰り
同行者:HTさん、TMさん
日程:2025年1月26日(日) 日帰り
同行者:HTさん、TMさん
天候:曇り時々地吹雪(烈風)
当初計画;<積雪期コースタイム>
当初計画;<積雪期コースタイム>
川場スキー場リフト山頂駅(10:05)-剣ヶ峰の肩(10:45)-剣ヶ峰(10:55)-武尊山(12:15)-(昼食)-発(12:45)-剣ヶ峰(13:55)-剣ヶ峰の肩(14:10)-リフト山頂駅(14:40)
コースレコード;リフト山頂駅(10:05)-剣ヶ峰(10:55)-発(11:00)-武尊山(12:40)-発(12:50)-剣ヶ峰(14:40)-発(14:45)-川場スキー場リフト頂上駅(15:25)
実歩行時間:5時間 (コースタイム:4時間10分)