上州武尊山の稜線にて |
上州武尊山は、積雪期に川場スキー場のリフトを利用して一気に高度を稼いでしまうのが、夏に登山するより楽チンである。
夏はリフトが運行していないのである。
「武尊山は、群馬県利根郡みなかみ町、川場村、片品村の境にある標高2,158mの成層火山である。北アルプスの穂高岳と区別するため、上州武尊山とも呼ばれる。日本百名山に選定されている山である。山名の由来は、日本武尊の東征の故事によるものとされている。」
もっとも、私の仲間は、「ほたかやま」と呼ぶ人は皆無。
「じょうしゅうほだか」が、正式名だと思ってました。
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蓼科山と上州武尊で最後まで迷い、結局、家を出発する際に天気予報をチェックし、上州武尊に決定。
冬場の上越方面はあまり晴れに恵まれないので、こんな日に行かないとなかなかチャンスがないということで上州武尊に決めました。
思いもかけず、関越道は混んでいた。
渋滞も発生しており、川場スキー場の駐車場に着いたのは、9時過ぎ。
予定より1時間以上も遅くなってしまった。
久しぶりの日曜日の晴天に、上越方面にスキーヤー&ボーダーが繰り出した結果の自然渋滞である。
駐車場も大混雑(帰りに見たら、シャトルで送迎される第4駐車場まで満車でした。)、リフト券売り場も劇混み。
ここでH君が、昨年も来ている経験を生かし、すかさず入山届けを書いて、唯一すいている窓口でリフト券をゲット。
他の窓口は、「ラーメン二郎」の11時半頃の行列状態だったが、この窓口は2、3人しか並んでおらず、ざっと100人抜きの快挙達成である。
リフトで楽ちん登山開始 |
リフト(桜川エクスプレスとクリスタルエクスプレスてな豪勢な名前のリフト)を2本乗り継ぎ、1,860mのスキーゲレンデの山頂駅まで登る。
リフトの乗り継ぎ中は歩くほかない |
絶好の雪山ハイク日和である。
頂上駅前の広場でアイゼンを装着する |
団体さんが出発し、他の登山者も次々に出発行く。
私は基本的にアイゼンとかワカンはギリギリまで使用しない派なので、まずは雪面をチェック。
道具好きのH君はすぐに「アイゼン履こう、ワカン付けよう」とか言い出すのだが。と見ると、H君すでにアイゼン装着済みでした。
結局、今日は私もアイゼン履いたほうがベターと判断したのではありますが。
まず、最初に目指すのは剣ヶ峰(2,020m)である。
すでに10時を回っているが、リフトの営業時間は15時45分なので、十分時間はある。
天気も安定している。行ける。
谷川連峰を横目に登る |
剣ヶ峰への直登ルート(団体が登っているのが見えます) |
霧氷がきれいだ |
もうすっかり汗だく |
登山口から剣ヶ峰の稜線に出る道は、かなりの急登である。
ちょっと休んで、今日最初の難関の剣ヶ峰まで。
冬道はほぼ直登となっており、上方では団体さんらがスタックしている。
我々も取り付くが、すぐに汗だくになる。
剣ヶ峰はもうそこだ |
剣ヶ峰 後ろは谷川連峰 |
山頂からの景色を楽しむ。
谷川連峰が良く見える。一の倉沢の衝立岩は、さすがに冠雪しておらず黒い岩肌を見せている。
一の倉沢衝立岩に雪はつかない |
谷川連峰を背景に |
目指すは武尊山頂 |
武尊山山頂までは、アップダウンはあるものの快適な稜線トレッキングである。
雪もしっかりついており、快調に飛ばしていく。
痩せた稜線を往く |
正面が目指す上州武尊山だ |
振り返ると剣ヶ峰 |
山頂へ最後のアプローチ |
ただ、前回の入笠山と違い、ほぼ登山者の全員がピッケル&アイゼンを持参している。
途中、一人だけスノーシューを履いている女性に出会ったが、難儀そうであった。
我々もワカンは出番なし。
ピッケルは、今日も記念撮影用品となったのである。
標高2158.3m 上州武尊山山頂 |
撮影用ピッケルを手に |
尾瀬方面、谷川岳方面も絶景だが、ここまで登ってきた剣ヶ峰への稜線が美しい。
剣ヶ峰はこちらから見ると、槍ヶ岳にも似た風貌でちょっと気に入った。
剣ヶ峰への美しい稜線 |
霞んできた谷川岳方面 |
前武尊へと続く稜線も綺麗だ |
赤城山方面 |
尾瀬方面も晴れている |
肩の広場まで下る |
風もなく、快適である。H君のストーブも今日は快調だ!
今日はガソリン噴かないよ |
おにぎりカレーパンコーヒー付き |
無題 |
本日は多くの登山者が訪れている 登っていく人も見えます |
剣ヶ峰の左側に斜面をトラバースする道が見える |
すると剣ヶ峰を迂回する、トラバース道が斜面に切ってある。
我々もそれを利用することにする。
H君「気温上がってきてるし、雪崩れる危険ありそう」
私「斜面の角度から言って、剣ヶ峰の直下以外は大丈夫。直下だけ素早く通り抜ければOK!」さらに「春になると通れないけど、今なら大丈V、いこいこ!」と適当なことを言いながら、トラバース開始。
一応、最低限の対策として、2人の間隔を十分空けて突破する。(二人同時に雪崩に巻き込まれたら完全にアウト)
まずはH君を先に行かせてみる |
どうやら大丈夫そうである |
今日は何人もトラバースしてますね |
振り返るとこんな感じ |
見上げるとこんな感じ |
無事にトラバース完了 |
あとはリフト頂上駅に降りるだけなので、最後の休憩。
しばし景色を堪能し、小用を済ませる。
前方は谷川岳 |
彼女らは賢明にもトラバースルートを回避し、剣ヶ峰を越えて下山してきたのである。
そういえば、今日は女性比率がとても高い。
50人ほどの登山者にあったが、3人に1人は山ガールである。
雪山を簡単に楽しめるコースということなのであろうか?
大変、喜ばしいことであるが、たまに抜き去られる時があり、多少メゲることとなった。
山ガールパーティが多かった |
1. アイゼンの雪団子に注意
私;横着してアイゼンに雪付着防止カバーを着けるのを省いた結果、下りで立派な雪団子が出来て、2回ほど転んだ。
2. 雪山の稜線はトイレが不便
H君;雪山の稜線では遮蔽物が無いため非常に無防備。私が見張っていたのに長ションなので女子に見られた。
3. 冬でも日焼けする
私;山に入る前に日焼け止めは塗ったのだが、汗だくですぐに効果はなくなったようで、翌日、会社で「群馬のほうで、日サロに行ってきた」と言い訳するしかなかった。
往路は気づかなかった雪庇 |
リフト乗り場はもうすぐだ |
この時間でもまだどんどんリフトで上がってくるボーダー(ここは圧倒的にスキーヤーよりボーダーが多い)を横目に、我々は下りリフトの人となったのである。
リフト乗り場に無事到着 |
帰路、関越道は大渋滞発生。川場から沼田ICまでの一般道も、はや渋滞開始。
高速に乗るも、前橋付近で渋滞表示板に「練馬まで2時間以上」と表示されている。
やむなく、高崎ICまでノロノロ行くも、もはやここまで。
北関東自動車道を経て、東北道へと迂回を決行したのであった。
<山行記録>
日程:2016年2月28日(日) 日帰り
同行者:Hさん
天候:晴れ
当初計画:<積雪期コースタイム>
川場スキー場リフト山頂駅(9:00)-剣ヶ峰の肩(9:40)-剣ヶ峰(9:50)-武尊山(11:10)-(昼食)-発(12:00)-剣ヶ峰(13:10)-剣ヶ峰の肩(13:30)-リフト山頂駅(14:00)
コースレコード:川場スキー場リフト山頂駅(10:22)-剣ヶ峰の肩(10:50)-発(10:55)-剣ヶ
峰(11:35)-発(11:42)-武尊山肩(12:08)-発(12:15)-武尊山(12:30)-発(12:45)-武尊山肩
(12:57)-(昼食)-発(13:35)-剣ヶ峰・トラバース分岐(14:35)-発(14:45)-リフト山頂駅(15:00)
実歩行時間:3時間16分
写真はこちらから「20160228 上州武尊山」
上州武尊山の肩の広場にて |