蒜山高原より蒜山山塊を望む |
中国山地の山は、大山をダイセン、氷ノ山をヒョウノセンと発音する。
出雲地方の山岳地帯は聖地とみなされていたため山を仙(せん)と呼ぶ習慣があるとか、山という字は呉音では「セン」と読むとかの諸説ありますが、蒜山も同様にヒルセン、読みにくいのでヒルゼンということらしい。
野蒜が多く自生する、山蛭が多いとか、まあそんなところでしょう。
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ホテル前からの蒜山方面 |
また、このホテル、朝食の時間が8時からと遅いのである。
それまでに帰ってきてしまえば、朝食はホテルで食べられるし、温泉にも入れる。
ということで、午後8時に就寝。
9月10日午前2時半起床。3時にはホテルを出発。
塩釜キャンプ場の登山口の駐車場に車を停め、3時20分登山開始である。
気温は高く湿度も相変わらず高いが、空には星が瞬いている。
中蒜山登山口 |
駐車場には我々の車だけ |
清清しい朝の風の中で、御来光を拝むという素晴らしい計画である。
ヘッドランプを装着し、昨日の大山とは違う普通の山道を登る。
もちろん、こんな時間に登る登山者は他にはいない。
久しぶりに都会では味わえない暗闇の中を突き進む。
登山開始である |
道は合っているぞ |
が、軽量化が旨の我々はそんなもんは持ってるわけも無く、恒例となった「森の熊さん」を歌いながら登っていく。
時折、動物の気配を感じたり、ガサゴソと音がしたり、遠くに二つの光る目玉らしいものが見えたりする。
しか~~し、我々はそんなもんは平気なのである。(完全にアホである)
それより、先行するH君が時々「ひえ~~!」という悲鳴にも似た声を上げるのがうるさい。
蜘蛛の巣に引っかかっているのである。熊より蜘蛛のが嫌なのである。
後続の私は、クリアになった登山道を登るので楽ちんである。熊も蜘蛛もH君にお任せである。
H君も「蜘蛛が巣を張る日は、晴れるのだ」と喜んでいる。
五合目の日留神社で休憩したが、まだまだ暗くヤバイ雰囲気である。
ちゃんとお参りするどころか、神社の敷石にザックを置いちゃってる(地面に置くと汚れる)のも不謹慎極まりないのである。
ちゃんと手を合わせてお参りをして登山を続行する。
五合目でもまだ闇の中 |
日留神社だと思われる社 |
頂上に着くころには昨日と同じ汗みどろとなってしまった。
八合目まで来たが夜は明けず |
中蒜山頂上避難小屋 |
中蒜山山頂に到着 |
ようやく明るくなってきた |
ひたすら待つH君 |
夜明けとともに記念撮影 |
日の出は5時40分。日が出れば、雲は消えるとお互いに言い合い、待つ。
ひたすら待つ。寒くなってくるが6時半まで待つ。雲は消えない。
上空は時折、青空が覗く |
これが今日の御来光であります |
しかたなく、待つのをやめ、朝食に間に合うように下山することにする。
朝飯前の朝飯 |
下山道にはトラノオが咲いていた |
リンドウも咲いていた |
アキノキリンソウも咲いていた |
少し晴れてきた下山道 |
「上で泊まったのですか?」と聞かれる。
「こんなところで泊まるかよ、ケッ!」とは言わず、「朝早く登ったのです」とジェントルに答える。
こんなところ通ったのか? |
朝食に間に合うように先を急ぐ |
登山口はもう近い |
登山口まで辿り着く |
これが、かの有名な塩釜の冷泉だよ。 |
帰りの飛行機は、鳥取空港発18:35である。
8時間もの観光時間を得ることが出来た。
しかし、駐車場から蒜山を見上げると見事に晴れている。
蒜山は昼前に限るのである。
我々はこの時、今回のウルトラ計画変更作戦が完全な失敗に終わったことを知ったのであった。
ふてくされて見上げる蒜山は奇麗だった |
・天気はどうにもならない。
・寺社仏閣に不敬な態度を取ってはいけない。
・熊避け鈴を持つべし。
・中国山地はもう結構。
こうして、最初で最後の中国地方山行は、疲労感のみ残り、完全終了したのでした。
<山行記録>
日程:2016年9月10日(土) 日帰り
同行者:Hさん
天候:曇り
当初計画:中蒜山登山口(8:35)-五合目・日留神社(9:40)-発(9:50)-中蒜山山頂(10:40)-発(10:50)-上蒜山山頂(11:50)-(昼食)-発(11:50)-中蒜山(13:10)-五合目・日留神社(13:50)-中蒜山登山口(14:40)
コースレコード:中蒜山登山口(3:20)-五合目・日留神社(4:18)-発(4:25)-中蒜山山頂(5:21)-発(6:25)-五合目・日留神社(7:02)-三合目(7:15)-発(7:20)-中蒜山登山口(7:40)
実歩行時間:3時間4分
もう麓には秋がやってきていた |