2012.11.4 【ケーニッヒ湖 トレッキング】 アイスチャペルはいずこに?

そろそろ紅葉も最終局面ということで、オーストリア国境にほど近いベルヒテスガーデン国立公園内にあるケーニッヒ湖 (Konigsee ケーニッヒゼー)を訪れた。

今回もUさん夫妻に同行である。
午前8時 ようやく日の出である。
アウトバーンを飛ばし、ケーニッヒ湖に着く。

船着き場から遊覧船に乗る。
セント・バルトロメ (St.Bartholoma)という教会のある港まで、絶景の遊覧がはじまる。


波止場から遊覧船に乗る



セント・バルトロメ
今日の目的地アイスチャペル (IceChapel)はここから片道1時間ほどのところにある。
パンフレットにも「足をのばせば、「氷の礼拝堂」をも訪れることが可能です。-中略- ここまでは往復約2時間です。」とある。
軽トレッキングだ。
道を見ると奇麗に整備されており、山靴を履くこともなかろうということで、スニーカーのままハイキング開始。


紅葉の山道を行く。
ほとんど人景もなく、静かな山道である。

静かな山道を行く


しかし、この奇麗に整備された道を抜けるとなんだか様相が変わって来た。
きちんと道はあるのだが、かなりの勾配と本格的な山道になって来た。
もう、少し歩けばで着くだろうと先に進む。

周囲は両側を大岩壁に挟まれた谷筋の山道と変わり、1時間以上歩いたところで完全なガレ場となる。
しかも「ここから先は危険、行くなら自己責任で」という看板が立っている。


だんだん山道になってきた

目指すアイスチャペルは、どこにあるのかさっぱり分からない。
遠くに懸垂氷河が2本見える。
私が冗談で「アイスチャペルって、あの氷河にあるんじゃないの?」と言う。
そりゃないでしょ。ってことで更に先に進む。

氷河の末端が見えるところまで到着。ここまで1時間半掛かっている。
ちょうど氷河の方から降りて来た登山者にアイスチャペルの場所を聞く。
なんと「氷河を越えたところ」との答え。(実は後によくよく考えれば、英語の聞き違いで氷河の前の丘の向こうだったような感じ)

後で調べると氷河の上の山は、ドイツ第3位の高峰ヴァッツマン山(Watzmann 2,713m)であった。
この山を登るにはクライミングで岩壁を攀じるしかなく、約100人もの犠牲者を出しているということであります。
まあ、ドイツの谷川岳ってとこでしょうか。

完全に岩の道になってきた

この氷河のどこかにIceChapelが
こりゃだめだわい。
しばらく前進するも、スニーカーじゃこれ以上は無理。
涸沢からザイデングラード (Saitengrad)へ向かう岩道みたいなところである。せめて山靴履いてればなんとかなったかも。

ここで潔く撤退を決意。
来春に捲土重来を期そう。



見事なカール地形と紅葉を楽しみながら、下山。

セント・バルトロメに戻り、レストランで遅い昼食。
帰りの湖遊覧は、往きにも増して見事な紅葉が楽しめ大満足。






今回はハイキングの心構えで本格的登山になってしまった。
もちろん、事前調査を怠ったのが敗退の原因で、大反省であります。


<山行記録>
日程:2012年11月4日(日) 日帰り
同行者:Uさん夫妻
天候:晴れ
コースレコード:Konigssee Seelande(10:35)-(遊覧船)-St.Bartholoma(11:35)-IceChapelの近くまで<撤退>(13:05)-St.Bartholoma(14:00)-(昼食)-St.Bartholoma(14:50)-(遊覧船)-Seelande(15:40)


実歩行時間:約2.5時間



2012.10.13 【ツークシュピッチェ & アイブ湖 トレッキング】お気楽ドイツ最高峰

9月29日にミュンヘンに来てから初めての山である。
それも最初からドイツ最高峰ツークシュピッツェ (Zugspitze)である。
日本ではあまり知られていないが、なんでも頂上までロープウェイで行けるとのこと。

土曜の朝早く、U夫妻と出発。一路アウトバーンを走る。
ここのところミュンヘン近郊は天気が悪かったが、この日は晴れた。
夏も冬も道が混んでいるということで早く出たのが幸いしたのか、渋滞にも出会わず、麓のロープウェイ駅アイブゼー (Eibsee アイブ湖)に1時間ほどで到着。
駐車場にもほとんど車は駐車していない。
今回地図はこれだけ
朝一番のロープウェイに乗り込む。
麓駅の標高が1,200mであるから、一気に1,700mを16分で上がってしまうのである。
頂上付近まで雲海が広がっており、雲の中をロープウェイは高度を上げる。
ガリガリと不気味な音がする。始発とのことで凍ったロープの氷が砕ける音と分かる。
そして、雲を抜けるとそこには大岩壁が広がっている。
下を見れば、見渡す限りの雲海が広がる。
雲を抜けると大岩壁
雲海が果てしなく広がる

頂上駅に着くと本当にそこは頂上であった。
しかし、このロープウェイどうやってロープを懸けたのか?
それよりもなぜここにロープウェイを作ろうと考えたのか?
ちょっとドイツ人の凄さを垣間みたような気がした。
ドイツ最高峰の頂き
ツークシュピッツェは、Wikipediaによれば、
「観光都市ガルミッシュ=パルテンキルヒェンの南西に位置し、その高さは2,960mから2,970mの範囲にあり、正確な高さは長い間論争の的になっていた。バイエルン州測量事務所が発表した2,962mが広く受け入れられている。カフェ"2962"は、この値に基づいて名付けられた。ちなみにこのカフェはチロル側にある。国境は山の上をまっすぐ通るため、山頂には国境の検問所も存在する。山頂は丁度バイエルン州とチロル州の州境にある。山頂にはバイエルン・ツークシュピッツ鉄道がガルミッシュ・パルテンキルヒェンから、ケーブルカーがドイツ側とオーストリア側からそれぞれ1ヶ所ずつ出ており、多くの登山客が訪れている。」ということである。

ロープウェイなけりゃ来られません
イタリア方面の山々 
スイス方面の山々 
ドロミテ方面の山々
山頂の気温は零下9度。既に冠雪しており、本当のピークへの道は鎖場と鉄梯子となっており、断念。「ここから先は事故責任。落ちても知らんよ」というようなことが書いてあるらしいプレートがある。アイゼンありゃあなあ。
しばし、頂上展望台で大展望を堪能。オーストリア、イタリア方面の山々まで望めるが、多すぎてどれがどれだか全く不明。

最後に頂上を仰ぎ見る
さらにロープウェイに乗り継ぎ、ツークシュピッツェプラット (Tugspitzplatt, Glacier)という山岳鉄道駅に着く。なんか「Glacier」って単語は英語の氷河っぽいのだが、調べてみるとドイツ語で氷河は「Gletscher」であった。まあいいや。いずれにしろ氷河である。そこは標高2,600mに広がる大スキー場であった。


付近を散策する。展望台や教会があり、なかなか良い雰囲気のスキー場である。

我々の他にまだ観光客はほとんどおらず。この壮大な景色を独占。
なんと贅沢な時間だろう。




電車が来るまで時間があったので、円形展望レストランでお茶とする。他に客もおらずのんびりと休め、心地よい。
円形レストランには人影なし
登山電車に乗る。全行程トンネルなので展望は全くないが、この電車(当然アプト式)の乗客も我々3人だけである。お召し列車である。
45分で麓駅アイブゼーに到着。登りに16分。下りに45分である。
電車はほとんどトンネルの中を行くため展望はないが、この雰囲気はなかなかのもの。
誰もいない御召し列車

ここからはアイブ湖湖畔のトレッキング。seeとはドイツで湖のことである。多分、海を知らないゲルマン人が間違えたんだと思われます。ということで「アイブ湖」である。
本来のコースタイム(そういうのあるのかな?)は良く分かりませんが、2時間30分掛けて湖を一周。紅葉。山々。湖を楽しんだのである。


日本の景色を思い出させる湖畔だ
天気もすっかり回復したため、かなりの人が湖畔周回を楽しんでいる。コースは良く整備されており、ベビーカーを押して散策する人も見受けられるほどである。景色、植生は日本と良く似ており、日本の山が懐かしくなるのであった。




湖畔を一周したところにあるレストランで昼食。私はシュニッツェルを食べたが、日本のトンカツによく似て美味であった。これを使って、カツ丼を作る技が駐在員の間に伝承されているという噂。


ドイツ赴任後、初めての山で救われる思いの一日でありました。連れて行ってくれたU夫妻に大感謝。


<山行記録>
日程:2012年10月13日(土) 日帰り
同行者:Uさん夫妻
天候:雲海のち晴れ

コースレコード:Eibsee(8:30)-(ロープウェイ)-Tugspitze(8:50)-(ロープウェイ)-TugspitzPlatt(9:00)-(休憩)-(10:30)-(登山電車)-Eibsee(11:15)-(湖畔1周)-Eibsee(13:45)-(昼食)

実歩行時間:約3時間

日本より緯度が高いため、感覚的にはもう11月の終わりくらいの季節感である。すでに高山は冠雪している。今年の登山シーズンは終了。そして、今年は日本の山には行けないだろうから、来春を待つのである。せっかく、良いロケーションにいるので、来年はいろんな所に行きたいものである。
この週末。日本ではS君が北アルプス縦走、H君が日光白根山ピークハントを単独でやっていたらしい。私も来春のシーズン到来に備え、トレーニングをしなくてはと思いはするのだが。