2010.11.22 【屋久島 縄文杉トレッキング】 ずばり観光地認定

屋久杉自然館でシャトルバスに乗り込んだのが午前4:40。
屋久杉自然館でシャトルバスに乗る
満員のシャトルバスが荒川登山口バス停には5:10に到着。

以前は、荒川登山口まで自家用車で入れたのだが、近年の屋久島人気で道が荒れ自家用車規制が掛ってしまった。
それにしても本日の入山者(シャトルバス乗車人数)は273人とのこと。11月の末でこの数字である。トップシーズンはどんな混雑なのであろうか。

荒川登山口バス停には真新しい休憩所、トイレも完備されており、雨でも快適である。
大混雑の中で朝食を取る。
周りを見るとガイド付きの団体さんが多い。
また、揃いの雨具を着こんでいる人が多い。レンタルか??
こりゃあ、ちょっと場違い。の感じが否めない。ここって観光地って疑いが湧いてくる。

次々と出発して行く大騒ぎのおばちゃん団体をやり過ごし、Y君と私は5:30過ぎに荒川登山口を出発。
ヘッドランプを点けて出発だ

豪雨の中をヘッドランプを付けての出発である。
歩き始めから、トロッコ軌道の上を約2時間ほどひたすら歩く。
歩幅の合わない枕木を踏みながら歩くので、これは結構ストレスを感じる。
天気は快方に向かっていると思っていたが、一向に良くなる気配すらないのもストレスを倍加する。

暗闇の中をいくつか橋を渡るが、踏み外す恐れはあまりないもののかなり緊張する。

小杉谷小・中学校跡を通過。立派な門だけ残っている。小杉谷集落跡である。
その昔、林業(屋久杉切り出してたってことでしょ?)のために相当の人が住んでいたそうである。
1923年集落が誕生し、1960年には133世帯540人の大集落であったとのこと。
10年後の1970年には、林業の衰退でこの集落も放棄されたようです。
トロッコ軌道だけは今も立派に使われているってことです。山道として。

と思ったら、今でも時折トロッコが走っているようです。途中にあるトイレの屎尿回収用に利用しているとのこと。  なんたるこっちゃ。観光地の疑惑はさらに膨らむ。
楠川別れ ここで白谷雲水峡に降りちゃえば良かった
楠川分かれもスルーして歩き続ける。
ここは、もののけの観光地白谷雲水峡との分岐点。
ここから1時間ほどで太鼓岩に着きます。
そっちに転進しちゃえば良かったと後で思うもこの時は、とにかく縄文杉、目指せウィルソン株だったのであとの祭り。

ようやく大株歩道入口(標高約900m)に到着。ここまで約2時間。標高差300mを登って来たことになる。
ここまでに、三代杉とか仁王杉とかいう屋久杉スポットがあったらしいが、よく分からん。
辺りはようやく明るくなって来たが、雨は降り続いている。
これだけ降られると、さすがのストームクルーザーも内側が結露で湿って来る。
チョロコースとなめてスパッツも付けてないので、山靴の中も濡れてくる。
雨具も靴もゴアテックスでも開口部があれば、雨が入るのは当たり前かああ。
しかも、デジ一のケースに浸水。愛機が濡れてしまった。
仕方ないので、デジ一撮影は諦め、ザックにしまう。
よってこれ以降はiPhone付属カメラによる撮影となる。もちろん、ろくに撮れやしないが。

大株歩道入口にあった警告文。
1.ここを遅くとも10時までには縄文杉に向けて出発すること
2.縄文杉から遅くとも13時には戻ること
 とある。ふ~~~んって感じ。

トロッコ軌道に別れを告げ、いよいよ本格的登山道が始まる。
と思ったら、白谷雲水峡と同様、木道とハシゴでとても歩きやすい。
このあたりから、宮之浦岳を縦走して来た登山者と出合い始める。
新高塚小屋に泊っていたようだ。
昨日は1500m以上は晴れで宮之浦岳も快適であったとのこと。
飛び石連休中でもあり、30人ほどの登山者とすれ違う。この人たちは基本的にマナーは良かった。

翁杉という屋久杉スポットも、見過ごし通過。
とうとう、ウィルソン株に到着。休憩とする。
カメラがだめなので株の中には入ったがすぐに出発。
余裕があれば、帰りにハート型切り株撮影に挑戦してみよう。

大王杉とか夫婦杉とかも、スカッとやり過ごし、ついに今日の目的地・縄文杉に10時ちょうどに到着。
縄文杉に罪はない
確かに凄い。でかい。だが、だが、この階段は何?展望台は何?柵は何?
これで完全に観光地認定。
ここまで雨の中を4時間半。標高差700m。う~~~~む。
「縄文杉に行きました」とは言える。言えるが、この満足感の無さは一体何だ?

取りあえず縄文杉の解説。
標高1280mにある屋久杉の大木。樹高25.3m、周囲16.4m。推定樹齢は2,000年から7,200年。
この5,000年前の差は何なんだ?

取りあえず2、3枚、写真写してみましょうか?
立派な展望台が縄文杉を守る?
昼飯を食べようと休憩所に行くも観光客の混雑でストーブ焚けず。(エコガイド達は平気で焚いていた)
行動食を食べて、速攻で下山に移る。

雨は降りやまず、辛い下山になりそうだ。

しかも、下からどんどん観光客が上がって来る。
エコガイドに連れられ、どんどん上がって来る。どんどんどんどん。
その傍若無人な振る舞いは、もう全く観光地と同じ。
ちょうど昼時ということで自然を守るべきガイドが、登山道を外れ、屋久杉を踏み荒らしタープを張って、観光客に昼飯の場所を作ってやっている。
ガイドに案内される客も客。
山でのルールや礼儀なのでどこ吹く風。
ガイドに金払ってんだから、何してもいいんだといった風情。
縄文杉およびこの一帯を荒らしたのは、ここのドグサレエコガイドに最大の責任があると指摘しておこう。
尾瀬の自然の守り方とは、全く異なるエコガイド達よ。猛省せい!!
縄文杉を、屋久島を食い物にした、天罰はいずれ下るぞ!
帰り道も雨の中
我々は、昇り優先を守る。それが山でのルールだから。
そのため、この観光客団体とすれ違うのに、相当な時間が掛った。
待ってやっても先導するガイドはろくに挨拶もしない。当然なのだろう。我々は客ではないのだから。
ここは観光地だった。山ではなかった。
当然、観光客も挨拶すらろくにできず、挙句は自分が歩くためなら人を突き飛ばす。
エコガイドに引き連れられたオバさんとすれ違う際、私は道を譲ろうとしたが、場所が無いので木道から降りようとしたところを傍若無人なババアに突き落とされ、左膝を木道の柱にぶつけ、そのまま落下。筋を痛め、結構な打撲を負った。
ババアはこちらを睨み「ケッ!」というような顔をして、行ってしまった。エコガイドなぞは振り向きもしない。
繰り返す。ここは観光地だったのだ。

雨が降り止まない単調な道を歩く。
Y君も私も無言で歩く。
雨にぬれ、足を引きずりトボトボ歩く。

荒川登山口へは14:00に到着。
とてもむなしい思いが残った縄文杉トレッキングであった。

同行のY君も私もずぶ濡れの上、靴にも水が入り足の裏の皮がふやけ、そのため大きな豆をいくつも作るというアクシデント。さらにY君は膝を痛め、私はババアに突き落とされた怪我が痛い。

天気が良ければ、多少はましな印象も残ったんだろうが、それにしてもこのコースは、アルバイト量に対し、報いは少ない。
また、観光地化した場所には観光地に行くという心構えで臨まないと疲労困憊するということも分かった。

やはり、屋久島連山を縦走し、そのついでに立ち寄るのが正しい縄文杉への接し方であろう。
晴れてればそれなりに面白い道かも
明日の天気は晴れの予報。
いよいよ、宮之浦岳に再挑戦だ。
今日は、全く余計なことをしてしまった。この後遺症が残らなければいいのであるが。

[今日の教訓]
観光地化してしまったコースを避けよ!そこに求める物はない。
ガイドのガイドによるガイドのための縄文杉

ウィルソン株でハートの写真が撮れたのが唯一の収穫か

<山行記録>
日程:2010年11月22日(月) 日帰り

同行者:Yさん

天候:晴れ

当初計画:荒川口(5:10)-小杉谷集落跡(6:24)-楠川別れ(6:51)-新設トイレ(6:55)-大株歩道入口(7:55)-ウィルソン株(8:30)-大王杉(9:10)-縄文杉(10:00)-大王杉(11:05)-ウィルソン株(11:30)-大株歩道入口(12:00)-楠川別れ(12:50)-小杉谷集落跡(12:50)-荒川口(14:00)

コースレコード:荒川口(7:00)-小杉谷集落跡(7:55)-楠川別れ(8:40)-大株歩道入口(10:00)-ウィルソン株(10:50)-大王杉(12:10)-縄文杉(12:50)-大王杉(13:50)-ウィルソン株(14:20)-大株歩道入口(15:00)-楠川別れ(16:20)-小杉谷集落跡(17:00)-荒川口(17:45)

実歩行時間:6時間39分