2012.3.18 【赤城山山行】 わき見禁止。そのトレースを踏み外すな!

S隊長からメールでH君と私に届いた計画書は3通。
「谷川岳」、「白毛門」、「男体山」の山行計画である。
この週末の天気予報はかなり悪く、谷川岳天神尾根では雪崩も発生している状況。
3月17日は全国的に悪天候ということで、18日に日帰りでとりあえず東北自動車道佐野PAまで行って、天気を確認し、行き先を決めることとした。
基本的な登山スタイルは「日帰り雪山山行」である。

午前6時に佐野PAに到着。
天気予報を確認する。
上越、佐久、奥日光いずれも今日は芳しくない予想。
上州方面がこのあたりでは一番天候が保ちそうと結論する。
そこで、今日のターゲットを「赤城山」と定める。

写真は全てクリックで拡大します。
おそらくS隊長には物足りないルートではあるが、私とH君には行程が楽そうなのでうれしい選択となった。
関越自動車道から赤城山を見る
赤城山「日光男体山の北西麓の戦場ヶ原には、男体山の神と赤城山の神がそれぞれ大蛇と大ムカデになって戦い、男体山の神が勝利をおさめた、という伝説がある。赤城山の北にある老神温泉の地名は、このとき落ち延びた神が追われてやってきたことに由来するといわれ、「アカギ」という山名も神が流した血で赤く染まったことから「赤き」が転じたという説もある。 また、戦場ヶ原で負けた赤城山の神は老神温泉で傷を癒した後に男体山の神を追い返したという。」-wikipediaより-

赤城山は、以下の山々の総称である。
黒檜山(1,828m)、駒ヶ岳(1,685m) 、地蔵岳(1,674m)、長七郎山(1,579m)、小地蔵岳(1,574m) 、鍋割山(1,332m) 、荒山(1,572m)、
鈴ヶ岳(1,565m) 。
赤城神社の鳥居の神額
本日の計画はこの中で最もオーソドックスな黒檜山(1,828m)と駒ヶ岳(1,685m)の2峰を巡るミニ縦走である。

このルートは積雪は若干多めではあるが、アプローチが良いことから、人も多く入っておりトレースがはっきりしているのも利点である。
また、頂上からの展望も、浅間から上越、尾瀬、奥日光、視界が良ければ北アルプスをも望めるのも楽しみである。
8時に黒檜山登山口駐車場に到着。
大沼には意外にも多くのワカサギ釣り客が見える。
ここのワカサギは、セシウム蓄積量が基準を大幅に超えているということで持ち帰り禁止とのことではあるが・・・釣り自体は禁止されていないようです。
火口湖大沼でワカサギ釣りをする人々
駐車場は一応除雪されている
気温が高いこと、天候もなんとか保ちそうなことから、持参した雪山フル装備を見直し、かなりの装備を車内に置き、軽量化を実施。
ピッケル、インナーダウン、オーバーパンツなどは車内に残し、アイゼンとストックだけを携行することとする。
ロングスパッツと山シャツで登っちゃうことにする。
黒檜山登山口を8:20に出発。
黒檜山登山口 いきなり積雪急登だ
すぐに雪道となり、急な上り坂となる。
さすがに登山道は良く踏まれており、トレースどおりに歩くとかなり快適。
ただ、踏み跡を外すといきなり股辺りまでズボッともぐる。
積雪は、1m前後はありそうである。
途中でアイゼンを履いた人、ワカンを背負った人、スノーシューでサクサク行く人等千差万別の装備の人がいるのは面白い。
普通の靴+スパッツとストックの装備
もちろん、私たちのパーティーは、登山靴一本勝負。
踏み跡を外さない限りにおいては、我々の選択が一番快適そうである。(実際は不明)
9:50分に黒檜山頂上に到着。
雪庇に沿った登山道
雪庇の上に動物の足跡が
黒檜山 山頂に到着
天気は高曇り。視界は天気予報の割にはまずまずといったところか。
頂上北側にある天望地に移動。
しばし、山座同定、写真撮影にふける。
視界は良いもののちょうど2,000m位のところに雲が降りており、山々の山頂を覆い隠している。ちょっと残念。
草津・志賀方面を望む
上州武尊と尾瀬方面を望む
皇海山・日光白根方面を望む
谷川岳・上越国境方面を望む
 風景を堪能したところで、昼食とする。
天候が良かったこともあり、恒例の1時間休憩となる。
私の昼食はオニギリとパンにスープ、コーヒー付きのプチ豪華版。
異論のある人(S隊長など)もあるだろうが、これも私の山の楽しみの一つである。
今日の昼食はスープ・おにぎり・パン・コーヒー
気づくと次から次へと雲が山々に迫って来ている。
景色としてはなかなか乙なもんですが、雨が降ってきたらまずい。
腰を上げて、駒ケ岳への稜線へと出発。
雲が海となって押し寄せて来た
森林限界は超えていないが、稜線上を景色を楽しみながら進むが、油断をすると木の枝に顔を叩かれ、雪の中に落ち込む。

地蔵岳・大沼を望む
駒ケ岳への最後の登り
 小1時間の稜線歩きで駒ケ岳に到着。
駒ケ岳山頂 (不謹慎にも下に靴が見える)
雲が勢いを増し上って来る
このあたりで天候が悪化してくる。
雲海が稜線まで上がってきて、幻想的な景色を作る。
が、長居は無用。
すぐに雨が来る。
S君、H君、私の順で下山開始。
やはり登りより、足場は悪く滑る。
踏み跡を外すと潜る。
ずぼずぼ潜る
登りより積雪にはまった時のダメージは大きく、足を抜くのに一苦労。
あちこちにトレースを無視したショートカットのために滑った跡が残っている。
最後尾特権で私も何回か尻セードで滑ってみたが、樹木が多いのと斜面が急なので結構スリリングで面白い。注意すべきは、スピード出過ぎて木に激突することと雪の下の岩に足をぶつけることですね。
結構疲れます。
尻セードに入る態勢のH君
正直に言うと普通に歩いたほうが疲れないし、もちろん安全です。
(帰りの温泉で見ると腕と足に1箇所づつ打撲の跡あり)

30分ほどで大沼湖畔の登山口に到着。

登山口まで降りて来た
雨の車道を急ぐ
樹林帯の中にいる間はさほど気にならなかったが、すでに雨は本降りと変わっていた。
湖畔の車道を駐車場まで戻る。
午後1時半出発地点に無事帰着。

この時期でも、赤城山には良く人が入っており、雪山とは言え、トレースも明確である。
積雪初期から踏まれ続けた山道が硬くしまり、よほど大雪が降った直後でない限りラッセルを強いられることもないだろう。
しかし、この季節でも1m以上の積雪があり、悪天候時は冬山に逆戻りする。
稜線の東側が切れており雪庇の張り出しも見られる。視界不良時には十分な注意が必要であろう。
また、全山にツキノワグマが生息しているということなので、冬眠明けの春先には要注意とのことである。

最後に今回の山行の教訓を挙げておくとしよう。
1.事前計画はきちんと立てる。(今回は臨機応変柔軟に対応した。)
2.山行形式に合わせた装備で臨む。
3.尻セードは樹林帯ではやらないほうが良い。

<山行記録>
日程:2012年3月18日(日) 日帰り
同行者:Sさん、Hさん
天候:曇り後雨

当初計画:無し
コースレコード:黒檜山登山口(8:20)⇒黒檜山(9:50)⇒展望地(10:05)⇒休憩(11:05)⇒黒檜大神(11:15)⇒駒ケ岳(12:00)⇒駒ケ岳登山口(12:53)⇒駐車場(13:10)
実歩行時間:3時間40分


雲海に呑みこまれつつある山々