夏空が戻ってきた雌阿寒岳 |
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釧路市と足寄町に跨っているだけではなく、振興局も跨いでそびえている。
国土地理院による正式名称は雌阿寒岳だが、深田久弥の百名山をはじめ一般に阿寒岳というと、この雌阿寒岳を指すことが多い。
阿寒の名を冠する山は他に二座あり、雌阿寒岳の近くに阿寒富士(1,476m)、少し離れて雄阿寒岳(1,371m)がある。何れも火山である。雄阿寒岳と阿寒富士は今のところ静かだが、雌阿寒岳は現在もさかんに活動している。
登山家の深田久弥が訪れた1959年や、最近では1998年に小規模な噴火を起こし、周辺では降灰が観測され、登山の禁止と解除が繰り返されている。2006年3月21日に小規模噴火を起こした。」Wikipediaより抜粋
今日は急ぐ。
夏休みの休前日ということもあり、雌阿寒岳の近くには宿が取れず、宿泊場所の十勝川温泉から雌阿寒岳を目指すことになっている。
途中、足寄を経由して、1時間半ほどは掛かるので、山小屋の朝食バイキングを食べてちゃ、間に合わないのである。
遅くても午後2時には下山する予定である。
雌阿寒温泉から旭川空港のレンタカー屋まで250km。
ナビ予測では4時間ほどはかかるので、余裕を見て、2時頃には雌阿寒温泉を出る必要がある。
朝6時半に十勝川温泉の山小屋を出発。
7時半には雌阿寒温泉、「野中温泉」の横の駐車場に到着した。
ようやく晴天が戻り、しかも日曜日でもあり、すでに駐車場は、ほぼ満車の状態である。
登山口はこんな感じ |
登山届けを提出。 |
樹林の中を登り始める |
8時前に登山開始。「山頂まで休憩無しでぶっ飛ばすよ~~」とH君元気である。
あちこちに火山注意報が |
クマの住んでそうな樹林帯 |
久しぶりの這松トンネル |
しかし、デカイ這松だ |
これだけ多くの人が山に入っていれば、クマさんも出てこないだろう。
しかし、チリンチリンとうるさいのである。まったく赤い霊柩車のオープニングじゃないんだから。
シラタマノキ |
イワブクロ |
ガンコウラン(実) |
オンネトーが見える。大雪方面は今日も悪天か |
道東固有種のメアカンフスマもなんとか見ることができた。
七合目に差し掛かると奇妙なものが、岩の上に置いてある。
「クマのランプ」だ。
真っ暗な夜、家へ帰るクマが目印にするために設置したランプであろう。
大岩の上にちょこんと乗っている。良い目印になる。
クマのランプが見えた! |
オンネトーからもこのランプは良く見えるだろう |
メアカンフスマだと思う |
メアカンフスマ 道東固有種 |
八合目で稜線へ出る |
寒くて動けぬコヒオドシ(高山蝶) |
噴煙の上がる新噴気口 |
でっかいチョックストーン |
頂上を目指す人々 ドラクエ化しそう |
でも、晴天で視界良好なので歩が進む!
ついに10時前に雌阿寒岳に到着。
それほど「ぶっ飛ばす」とはいかなかったが、当初の予定時間に1時間半ほど先行した。余裕のよっちゃんである。
頂上1,499mに到着 |
寒いが天気はまずまず |
後ろは阿寒湖&雄阿寒岳 |
北海道の山々はよく分からんし、今回初めて晴れたのでしばらく山頂付近をうろうろし、山座同定にいそしむ。
するとなんと、雄阿寒岳の左側奥に斜里岳が見えるではないか。
そして、右側の一番奥に見えるのは、知床連山だ!たぶん、いやゼッタイ!
阿寒湖方面を見る |
雄阿寒岳の向こうに山々が |
左が斜里岳、右が標津岳、遠くに知床連山 |
本日のランチ |
今日も風が強いので、山頂直下の岩陰でストーブを炊く。
またもや1時間頂上に滞留してしまった。
景色は見飽きないが、そろそろ降りないとやばし。
新噴気口 爆発しないのかい? |
赤沼 茶沼じゃん |
青沼 ってそのまんまじゃん |
阿寒富士 まさに小型の富士山です |
クマのランプも五合目も飛ばし、来るときに帰りはここで休もうと決めていた「千春岩(仮称)」に到着。
ここ雌阿寒岳の住所は、北海道足寄郡足寄町。オンネトーも足寄だ。
足寄といえば千春だ。
雌阿寒岳の登山者は、みんな「長い夜」か「季節の中で」を熊除け歌として合唱しながら登るのが礼儀である。
ただし、「恋」を歌うとクマさんが寄ってくるので、注意である。ホントか。ウソである。
ということで、今回合宿の最後の休憩場所にモッテコイの大岩なのである。
長い~~夜を~飛び越えてみた~~い♪ |
それでもこいは~こい~~ |
もともとのコースタイムが短いので、「オサルシ効果」はそれほど出ず、30分ほどの時間短縮にとどまった。
野中温泉 入浴料金は350円 |
温泉の看板犬 ほとんど寝てる模様 |
<夏合宿の総括>
・百名山3座を踏破。
旭岳(2,291m)、十勝岳(2,077m)、雌阿寒岳(1,499m)。
ともに火山であり、3座とも噴煙が上がっていた。
ただし、初日の黒岳(1,984m)は悪天候で敗退。
・4温泉を湯破。
旭岳温泉(無色無臭のさらさらとした泉質。日本では極めて珍しい)、
白金温泉(湧出直後は無色透明、徐々に酸化されて褐色に濁る)
十勝川温泉(モール温泉、コーヒー色である)
雌阿寒岳温泉(単純硫黄泉、ぬるっとしている)
・2018年の初雪を観測。
8月17日に大雪山系では観測史上最速の冠雪。
<今合宿の教訓>
・天気予報は侮れない、装備は万全に。夏でも冬装備のこともある
・「オサルシの呪い」を忘れるな。今回は時間短縮となったが、逆だったら恐ろしい。
・どこの山も外国人登山者が多い。登山者の10%と推定されるので各国語で「こんにちわ~」くらいは言えるようにしよう。
・ホテル泊日帰りコースを3日実施したが、準備をきちんとして来年は縦走をしよう。
・朝晩ともにバイキングは避けること。食べすぎと出発時間に多大な影響あり。
・羽田はスルーでも地方ではセキュリティチェックは厳しい
・計画と日程は、早く決めないとすべてが割高になる。
ということで、
天気は今ひとつだったが、予定した主要コースを完踏できたので、充実した「夏合宿2018」でありました。
<山行記録>
日程:2018年8月19日(日) 日帰り
同行者:Hさん
天候:晴れ
当初計画:雌阿寒温泉登山口(8:45)-五合目(9:55)-発(10:05)-八合目(10:50)-発(11:00)-雌阿寒岳(11:25)-(昼食)-発(12:00)-八合目(12:15)-五合目(12:40)-雌阿寒温泉登山口(13:20)
コースレコード:雌阿寒温泉登山口(7:50)-五合目(8:50)-八合目(9:28)-雌阿寒岳(9:55)-(昼食)-発(10:56)-八合目(11:13)-五合目(11:40)-千春岩(11:42)-発(11:57)-雌阿寒温泉登山口(12:33)
実歩行時間:3時間8分(コースタイム:3時間40分)
山頂から火口と阿寒富士を見る |