2018.8.17 【大雪山 旭岳 空前絶後の真夏の吹雪】夏合宿2018 その1座目

雲に覆われた旭岳に向かう 正面が旭岳
「完全無欠の雨男」は、今回も健在であった。

前日、旭川入りしたH君と私は、空港でレンタカーを借り、一路、層雲峡へ向かった。
大雪山の黒岳で、まずはお気楽に北海道の山を楽しもうという計画である。

空港で借りたレンタカーは、これまで見たこともない車種で、タイヤが取れないかと不安があったが、乗ってみれば、室内は広く、山用には好適であった。まあ、買いはしないが。

層雲峡へ着くと暴風雨に近い状況で、人通りもまばらで閑散としている。
黒岳ロープウエイも動いてはいるようだが、いつ止まってもおかしくない状況。乗り込んでいるのは暴走外国人だけである。
良識ある我々は、黒岳登山取りやめを即決。豚丼とラーメンを食べ層雲峡を後にしたのであった。

まだ、午後早い時間ではあるが、雨は降り続いており、車から降りる気もせず、美瑛町などを廻り、今日の山小屋を目指すのであった。



明けて17日。今日も天気は良くない。天気予報を確認する。

気温は零下、天気は雪、風力15mって、おいおいおい、吹雪ってことですか?

今日の目的地は、大雪山連峰の主峰で標高2,291mの旭岳。北海道の最高峰である。
写真はすべてクリックで拡大します
まずはロープウェイ駅に急ぐ。
幸いにも運行中。風速15m以上で運行中止となる模様。
大雪山 旭岳ロープウエイさんろく駅

駐車場500円 ロープウェイ止まった場合は返金
往復のチケットを買うが、下山時に動いている保証はないのである。
とは言え、我々は熊鈴2個、笛1個、森の熊さん練習済みと用意万端なので、問題ないのである。
もし、ロープウェイが動いていない場合は、徒歩1時間40分の下山道があるが、最近その道付近には熊さんが、頻繁に出没しているとのこと。「帰りまで、動いていてね。」と思いながら、ロープウェイに乗り込む。

冷たい雨 景色は無し
雨支度を整え、姿見駅を出発。
すると綺麗な姉ちゃんがマイクを持って迫ってくる。
姿見駅にて下車
姉ちゃん「今日は大変ですねえ!」から始まり、「どっから来た?どこへ行く?寒いでしょ?」と延々とインタビューをしてくる。
どうやら「予想外の雪でびっくりです」というコメントが欲しいらしく、しつこい。
「初雪を予想してましたので、装備は万全です。」みたいなコメントは、一切無視する。
面倒くさいので「予想外の雪でびっくりです。」とコメントして逃げ切った。
姿見駅を後にする
アナの視線を受けつつ、ロープウェイ駅を後にする。
目指すは一路、旭岳山頂。

整備された登山道
みんな大好きチングルマは既に終わっていた
冷たい雨の中をまずは、石室を目指す。
なんなく石室に到着。姿見ノ池をチラ見し、先を急ぐ。


天気悪いぞ、熊出るぞ、登山届け出せよ!とか書いてある

姿見ノ池 晴天であれば旭岳が映る模様

姿見ノ池を過ぎると、いよいよ本格的登山道。
雨も本格的に雪に変わってきた。

あとでニュースで散々やっていたが、「大雪山系で初雪。1974年の観測開始以来一番早い降雪が確認された」とのこと。
さっきのアナもこのニュースを現地取材に来ていたのですね。
でも、ロープウェイ駅の辺りは降っていなかった。
山に登って、ちゃんと確認しろよ~~、自分で。
もう雲だか噴気だか分からない
これは明らかに噴気 臭いも良いよ~
水蒸気の吹く火口を横目で見ながら、がんがん登る。
硫化水素の匂いが強くなってくる。
霙っぽい雪だが、雨より雪のがマシ。
おまけに涼しいので快調に歩をすすめる。

視界は無くなり、雪となる

吹き溜まりに登山道の印が


足元も凍り始める
うっすらと冠雪し始めるが、歩行に支障はない。
今年初めての雪なので、二人とも大喜びである。
時折、下山者とすれ違うが、「上は凄いですよ。吹雪でツルツルですよ」、「風が強くて超寒いです」
「ふむふむ、よしよし、どうせなら、そう来なくっちゃ。」 変態である。
かなりの冠雪を確認した
雪で覆われた尾根道を一気に登りきるともう山頂であった。
2時間50分のコースタイムを1時間45分で登りきった。暑くなければ、絶好調。
山頂付近はさすがに強風が吹き、吹雪の状態。気温は零下。
まだ、9時前でもあり予定した頂上でのランチには早すぎる。
眺望も無く、寒いこともあり早々に引き上げることにする。
山頂滞在時間は珍しく10分と短いのでした。
頂上までもう少し
今日の登頂のポーズらしいが、微妙
旭岳山頂に立つ
下山も飛ばす。
姿見ノ池のある石室まで1時間を切る。
寒いのですぐに下山開始
時折、雲の中から現れる登山者
姿見ノ池の向こうにロープウェイ駅が見えてきた
まだ、時間も早いので、姿見平を散策していくことにする。
見所は、お花畑、噴気活動、夫婦池などである。
旭岳ロープウェイのキャッチコピーによれば、「初夏の姿見の池散策路は、1周約1時間。カムイミンタラ(神々の遊ぶ庭)の散歩をお楽しみください。」とのことである。
噴気活動展望台から噴気を見る

きれいな散策路
噴気が噴出す池のそば
万年雪 今年は小さい
夫婦池
エゾオヤマリンドウとミヤマアキノキリンソウ

ミヤマアキノキリンソウ

みんな大好きチングルマ

もう綿毛しかない
最盛期はこうなるらしい。(旭岳ロープウェイHPより拝借)

散策路としては整備されており、景観も素晴らしい。
チングルマが満開の2週間前くらいの晴天の日が絶頂であったと推察される。

ということでカムイミンタラをチンタラ廻り、ロープウェイ駅に戻ってきた。
売店で臭いコーヒーを頂き、頑張って運行していたロープウェイに乗り込み、昼前には本日の登山を終了したのでした。
天気はちょっと凄かったが、事前に万全な準備をしていたので、問題なし。
予想外の雪でびっくりしてたら、登らね~~よ。
予想外?の雪に大喜び

<山行記録>
日程:2018年8月17日(金) 日帰り
同行者:Hさん
天候:雨と風と吹雪

当初計画:旭岳ロープウェイ山麓駅(7:45)-(ロープウェイ)-姿見駅(8:00)-発(8:10)-旭岳石室(8:30)-旭岳(11:00)-(昼食)-発(11:45)-旭岳石室(13:35)-姿見駅(14:00)-発(14:15)-(ロープウェイ)-旭岳ロープウェイ山麓駅(14:30)

コースレコード:旭岳ロープウェイ山麓駅(7:45)-(ロープウェイ)-姿見駅(7:55)-発(8:00)-旭岳石室(8:15)-旭岳(9:45)-発(9:55)-旭岳石室(10:53)-姿見駅(11:20)-発(11:45)-(ロープウェイ)-旭岳ロープウェイ山麓駅(11:55)

実歩行時間:3時間10分(コースタイム:5時間5分)
噴気活動を観測する


以下はおまけ。
天人峡付近の柱状節理
最近人気の青い沼 めっちゃ混んでる(外人率60%)