2010.9.5 【中央アルプス 木曽駒ヶ岳・宝剣岳山行】 再びカールへ

9月に入っても観測史上最悪の猛暑が続く。ひと息で涼しい2600mの高所まで昇れることを狙い、千畳敷カールから木曽駒ヶ岳という高所でありながら比較的楽なコースを選んだつもりであった。
しかし、今回も隊長のS君から提示されたコースは、宝剣岳を越え木曽駒ヶ岳まで。そこで帰らずに稜線を縦走し、濃ヶ池まで下降、そしてまた乗越浄土まで登り返す。という過酷なコース設定であった。コースタイムは6時間35分。

実は、私は仕事で中国から帰って来たばかりで下痢Pが治らず体調不良。強力な下痢止め飲んでの参加であった。まあ、最悪の場合、千畳敷カールで寝てるとか宝剣小屋で休憩しててもいいやって感じで今回の山行に臨んだのであった。
昨年も同じ季節にここを訪れており、風雨強く木曽駒ヶ岳までは行けなかったこともあり、この山は相性が悪いのかと思ってしまうが、果たしてリベンジはなるのか?

今回の山行も同行者はS君H君。
例によって、S君の車で都内を4時半に出発、中央道を爆走し、駒ヶ根高原菅の台バス停には午前7時半過ぎに到着した。
車で入れるのはここまで。駐車場は結構埋まっていて、観光客も多い。
人出が多いこともあり運行された臨時バスに乗ること30分。しらび平に到着。
ここでケーブルカーに乗り込むとあっという間に2612mの千畳敷カールに到着。
標高1662mのしらび平から7分半で1000mも上がってしまう。

バス代も含めて往復3800円也。これが安いか高いかは千畳敷カールの天候による。
晴れならばお安く感じますが、悪天候の場合は馬鹿馬鹿しいほど割高に感じることでしょう。


ケーブルカーは満員だ
千畳敷カールは、残雪の残る初夏、紅葉の秋、雪で覆われた真冬などは、素晴らしい光景が目の前に広がるはずです。ちなみにこのケーブルカーは通年営業です。

千畳敷カールはまことに良い天気
今回は9月初旬の山行でもあり、迫力のある風景は期待しなかったのですが、やはりこのカールは美しいですね。 これから登ろうとしている宝剣岳もくっきりと意外に間近に見えました。

とは言え、標高2612mの千畳敷カールにしてもけっして涼しくはなかったのです。
下界に比べ、15、6度は気温が低いはずなんですが、降り注ぐ日差しは強く、人も多いためか体感温度は30度近い感じでした。もっともこの日東京では36度の猛暑日であったわけで、それと比べれば涼しいんでしょうが。
カールの周遊散策路は、多くの観光客・登山客であふれていました。

観光客がドラクエ歩きの千畳敷カール
 しばらくの間、高度順化のための休憩を取り、9時前に人混みから離れ、宝剣岳への登山道へと入る。

宝剣岳の稜線上にある極楽平へは比較的楽に到着。
この辺りまで来るとようやく、吹く風が涼しく感じるようになりました。

極楽平から三沢岳を望む
稜線上で大発見。なんと全く期待していなかったウスユキソウが咲いていたのです。
エーデルワイスの御仲間です。日本でエーデルワイスに一番近いのは早池峰山に咲く、ハヤチネウスユキソウとされてますが、ここのウスユキソウ、正確にはコマウスユキソウもかなり近い感じでした。これはうれしい誤算でした。本当は7月に咲く花ではなかったかと。
体調不良のため、愛機の一眼レフでなく、軽量なコンデジを持って来たのをちょっと後悔した瞬間でした。

コマウスユキソウが咲いていた
宝剣岳は、千畳敷カールから見上げれば見事な岩山である。
そして登山道も見事な岩場である。
「山と高原地図」にも、危険を表わす記号が二つも並んでいます。
クサリ場を攀じ、ハシゴを越えて行く難路ですが、しっかりとしたしつらえで、結構快適に岩登りを楽しみながら、登っていくことができました。

宝剣頂上が間近に迫る
高度感のある鎖場を攀じる
10時半に宝剣岳2931mに到着。
頂上は岩の乱立という感じで、一番高い岩の上には一人しか立てない。
順番に一人づつ5mほどの岩峰の上に立つ。ここが宝剣岳の最高点です。

宝剣岳 頂上にて
山頂からは360度の展望が得られ、三沢岳の稜線、駒ケ岳、千畳敷カールが一望できた。
南ア方面の視界もあったが、北ア方面は雲の中でちょっと残念。

快適な縦走路
宝剣岳を後にし、中岳を越え、去年は途中であきらめた木曽駒ヶ岳まで快調に飛ばして行く。
乗越浄土の山小屋も近い

中岳の登りに入る手前の稜線で、今度はなんとコマクサの群落を発見。
高山植物の女王と呼ばれるコマクサが、ここで見られるとは感激である。
先ほど見たウスユキソウもそうだが、9月の初旬にコマクサが見られるとは。
異常気象の影響もあるのかもしれないが、今日ばかりはOKです。

高山植物の女王
このあたりから、あまり体調がよくないので、先行する二人に大分置いていかれるようになった。
挙句の果てには齢70歳は超えようかというジジ様にまで抜かれる体たらく。

これまで来た道を振り返る
駒ケ岳頂上
木曽駒ヶ岳に着いたのは12時。頂上は広く、多くの登山者が休憩中。我々も昼食とする。
2956mの頂上を吹く風はさすがに涼しいが、この時間帯は雲が上がってきており、展望は今一である。


お腹の具合も今一なので、ここから来た道を引き返し、宝剣山荘でS君、H君を待つという選択もあったが、予定コースの馬の背の稜線を見ると、なかなか気持ちのよい稜線である。
馬の背の稜線を行く
思い切って同行する。
快適な稜線縦走であった。
驚いたことに、この稜線上でニホンザルの群れに出会う。この夏の暑さに耐えきれず、どんどん上に登って来たというところか。
稜線の岩の上にはおサルの群れが
稜線から外れ、濃ヶ池に着く。木曽駒ヶ岳の頂上からちょうど1時間。14時に到着。
しばし休憩。雲間から覗く宝剣岳をしばし眺める。
ここからは登りとなるが、このあたりであまり調子がすぐれず、二人には先に行ってもらうことにする。
濃ヶ池から宝剣岳を望む


この沢も見事にカールしている
乗越浄土までの300mは見事なカールとなっている。
この登り返しは結構辛く、二人に遅れること15分。なんとか乗越浄土の稜線に15:30に到着。

ガスってきた千畳敷カールを下る
後はケーブルカーの駅に下るだけである。
途中でJRのバッジをつけた人々に何人も出会う。
軽装のおばさんに「上までどのくらいですか」と聞かれる。「20分くらいですよ」と答えると、おばさん達は「じゃあ行ってみようか」ですって。
まあ、いいんですけど。ガスって来たし、水も地図も持ってなかったけど大丈夫だったろうか?

剣ヶ池からの逆さ宝剣
剣ヶ池まで回り込み、雲の切れたのを見計らい、逆さ宝剣を撮影して、ケーブル駅に着いたのは16時30分を回っていた。
最終1本前のケーブルカーに乗り込み、猛暑の下界に戻って行く。
ケーブルカー駅までなんとか帰り着く
今回は体調のすぐれないままの山行となったが、遅れながらもなんとか最後まで歩き通せたこと。また、山行後の筋肉痛が皆無であったことが、個人的には大収穫の木曽駒ヶ岳山行であった。

<山行記録>
日程:2010年9月5日(日) 日帰り

同行者:Sさん、Hさん

天候:晴れのち曇り

当初計画:千畳敷(10:00)-極楽平(10:31)-三の沢岳分岐(10:52)-宝剣岳(11:18)-宝剣山荘(11:34)-木曽駒ヶ岳(昼食)(12:26)-濃ヶ池分岐(13:23)-濃ヶ池(13:41)-駒飼ノ池(14:22)-宝剣山荘(14:47)-剣ヶ池(15:18)-千畳敷(15:27)

コースレコード:千畳敷(9:12)-極楽平(9:43)-三の沢岳分岐(10:04)-宝剣岳(10:30)-宝剣山荘(11:05)-木曽駒ヶ岳(昼食)(11:57)-濃ヶ池分岐(13:41)-濃ヶ池(13:59)-駒飼ノ池(14:51)-宝剣山荘(15:25)-剣ヶ池(16:11)-千畳敷(16:33)

実歩行時間:5時間27分

2010.8.8 【尾瀬 燧ケ岳山行】 今回も裏から攻める

この3年間で4回尾瀬には来ている。しかし、燧ケ岳は未登。

これまでは、尾瀬ヶ原、あやめ平、尾瀬沼、三条の滝、そして至仏山と尾瀬を巡って来た。
2008年6月に尾瀬沼を1周した時には、燧ケ岳がよく見えた。
その時は、まだ登山を再開したばかりだった。
白く残雪が残る燧ケ岳は、泰然と尾瀬沼を見下ろしていた。
尾瀬沼から燧ケ岳を望む 2008年6月1日
長蔵小屋の横に据えてある望遠鏡で燧ケ岳を見る。
頂上には多くの登山者がいた。
その時は、あの頂上には、到底登れないだろうなあと思った。


今回の山行もS君H君と3名のパーティで臨んだ。
今回の計画もS君のプランで、東北道を北上、会津高原を経由して御池に入り、御池登山口から一気に燧ケ岳を目指すというものだ。
尾瀬に入る方法は、鳩待峠や大清水から入るのが一般的だが、御池側から入山すると尾瀬沼や燧ケ岳への徒歩でのアプローチは短い。
ただし、御池自体は東京からはかなり遠い。
都内から車で300km弱の距離がある。前回尾瀬沼から三条ノ滝のコースを歩いた時も御池から入ったが、今回は8月の日曜日。ETC割引渋滞もまた懸念材料である。

燧ケ岳に登るには、長英新道、見晴新道、温泉小屋道、沼尻からの直登ルートなど、いろいろなルートがある。この御池からのルートは、尾瀬沼に寄らないためあまり人気のあるコースとは言えないが、樹林帯も短くコース全体に亘り景色が開け、高層湿原や池塘も多く、お花畑が広がるという素晴らしいルートである。

途中の湿原では、ミズバショウ、シャクナゲ、チングルマ、ワタスゲなどの花期の終わった群落が見られ、訪れる季節を合わせれば、また違った景色に出合える楽しみもあるコースでもある。

今はキンコウカが最盛期。
他にも多数の高山植物を楽しむことができ、まことに楽しいルートであった。
キンコウカが咲き誇る広沢田代
途中、広沢田代と熊沢田代という高層湿原を通過するが、その風景はまさに尾瀬ならではのものである。
それまでの急登を忘れさせてくれる別天地と言える。
広沢田代を行く
尾瀬には、数多くの田代が存在する。田代とは、湿原という意味だが、耕せば田んぼになるような土地なので、田の代わりになるというようなことらしい。
この田代に木道がある風景がまさに尾瀬の雰囲気であります。

また、熊沢湿原は、結構珍しい傾斜湿原(普通湿原は水平なのだが、ここは確かにかなりの勾配があります)であることでも有名で、また、名前が示す通り、本物の熊さんの通り道だそうです。

熊沢田代の池塘
燧ケ岳への登りは、登山口から入ると、いきなり急登(急なドロ道)→田代→急登(急なぬかるみ道)→田代→急登(急な岩礫道)そして、頂上という素晴らしい構成になっている。
もちろん、御池の標高1500mから頂上2356mまで標高差は800mもあり、決して楽な登山とはならない。
楽ではないんですが、急坂をあえぎあえぎ登って、もう駄目勘弁して!と思う頃にちょうど田代が現れ救われる。というなんとも素晴らしいルート構成になっております。また、既述の通り、あまり登山者も入らないコースなので、おすすめですよ。
東京を出るときは快晴だった空も、車で尾瀬に近づくにつれて、徐々に雲が増えてきた。
そして、御池に着いた頃は、天気は完全に曇りとなった。
こりゃあ頂上は、雲か霧の中?下手すりゃ降ってくるかも。と少々あきらめの気分。

しか~し、ドロ道の急登と闘い、ようやく広沢田代までたどりついた時、目指す燧ケ岳の稜線が見えてくる。
おお、なんと晴れているではないか。
頂上の稜線が見えてきた

これまで来た道を振り返る
快晴ではないもののくっきりと山容が見える。
雨男と呼ばれ、日本全国快晴でも私のいる所だけは雨が降る。と言われた私だが、最近は天気に恵まれて来たようだ。

とはいえ、午後には曇って来ることが予想されたので、山頂へ急ぐ。
なんとか晴天の間に頂上に到着。

燧ケ岳。
ウィキペディアによれば、
火口付近には柴安嵓(しばやすぐら2,356m)、俎嵓(まないたぐら2,346.0m)、ミノブチ岳、赤ナグレ岳、御池岳の5つのピークがある。
尾瀬ヶ原から見ると、左から柴安嵓、御池岳、赤ナグレ岳がよく見える。
登山道があって行くことのできるのは、柴安嵓、俎嵓、ミノブチ岳の3つである。
俎嵓には二等三角点「燧岳」がある。燧ヶ岳は、2,300m以上の山として日本で最も北に位置する。日本国内では、燧ヶ岳より北にそれより高い地点はない。

となっている。ちなみに嵓(くら)とは大きな岩のことであるらしい。

けどね。登ってみればわかるんですが、ピークは5つではなく、柴安嵓と俎嵓の双耳峰だと思いますよ。ツインピークスですよ。
加えて、正式な頂上は、ニ等三角点のある俎嵓ということになっていますが、それより10m高い柴安嵓が、もちろん我々の目標地点です。

俎嵓で小休止。眼下に尾瀬沼が広がる。ここから見ると意外に大きい湖である。
目を転じれば、柴安嵓の向こうには尾瀬ヶ原と至仏山が見える。
至仏もこの季節。ちょうど花が凄いだろうなあ。日本屈指の高山植物の宝庫。5月6月は高山植物保護のため登山禁止って山も他にはあまりないし。
ぜひ、花の最盛期の時期の至仏山にも登ってみたいものだ。

俎嵓から柴安嵓を望む 遠く至仏山も見える
俎嵓から尾瀬沼を望む
燧ヶ岳の最高点柴安嵓に向かう。
5分前に先行したジジババの団体がスタックしている。
下りも登りも結構急な岩場。お先にどうぞと言われてもそりゃ無理でしょ。おしゃべりしてないで早く登ってよ。
ともあれ、コースタイム通り20分で柴安嵓に到着。

結構急坂でしかもスタック
ガスが大分上がってきており、さっきまで見えた尾瀬ヶ原、至仏山は雲の中に。
昼食を取り、そろそろ下山という頃合いになり、やっと箱庭のような尾瀬ヶ原が見えてきた。

尾瀬ヶ原と至仏山
十分に休憩を取った後は、来た道を降りるだけ。
さあ、御池で冷えたコーラが待ってるぞ。
ガレ場をひたすら降る
往復で標高差1700mを日帰りで登り降りしたわけだが、前回の槍ヶ岳山行に比較し、より足には負担がかかったように感じた山行であった。 無事に御池に着いた時には結構ヘロヘロで疲労困憊。
疲れた顔も見せずに「下りはコースタイムより、大分早く着いたよ。」というS君の言葉がとてもうれしかった。

今回の山行を終わり、個人的には、尾瀬の大部分(登山禁止で道のない景鶴山もいつか行ってやる)を廻ったことになる訳だが、尾瀬はどのコースでも、どの季節でも、どんな天候でも、誰と行っても素晴らしいところであると再確認。

これからも、何度でも尾瀬には来たい。この次は、雪の季節か初夏に来たいなあ。

<山行記録>
日程:2010年8月8日(日) 日帰り

同行者:Sさん、Hさん

天候:晴れ時々薄曇り

当初計画:御池(9:30)-広沢田代(10:30)-熊沢田代(11:20)-俎ぐら(13:10)-燧ヶ岳(昼食)(13:30)-俎ぐら(14:40)-熊沢田代(15:50)-広沢田代(16:25)-御池(17:10)

コースレコード:御池(9:12)-広沢田代(9:57)-熊沢田代(10:49)-俎ぐら(12:02)-燧ヶ岳(昼食)(12:41)-俎ぐら(13:45)-熊沢田代(14:37)-広沢田代(15:18)-御池(15:57)

実歩行時間:5時間44分

2010.7.17~19 【北アルプス 槍ヶ岳山行】 遂に槍ヶ岳へ そして大キレットを覗く

7月18日のちょうどお昼頃に槍ヶ岳の山頂に着いた。

槍ヶ岳の頂上は、無論あの槍の穂先の部分である。
3180m。日本第5位の高峰。穂高岳と並ぶ北アルプスのシンボルである。
3080mの稜線上に、槍ヶ岳山荘が立ち、その横から槍の穂先に登る直登のルートが設けられている。標高差は約100m。鎖場あり、鉄ばしごありの岩場の急登だが、そのルートは数珠つなぎの状態。
槍の穂先へ最後の直登
山ボーイ風ヘタレ兄ちゃんが渋滞を巻き起こすアクシデントに遭いながらも、30分近くかかってようやく頂上に到着。
ついに、念願の槍ヶ岳の頂上に立った。
槍ヶ岳に立つ! 北アルプス北部方面
もう昼だというのに、ラッキーなことにまだ雲は上がって来ておらず、360度の展望は圧巻。
北アルプスの北部、立山そして剣岳まで眺望は広がる。思わずダブルVサイン!
表銀座方面を見る
穂高には雲が上がってきている
しばし、アルプス1万尺を堪能し、寒くなってきたので槍ヶ岳山荘まで退避。
本日の行程を終えた。

槍ヶ岳山荘前にて

振り返れば、昨18日早朝に家を出た頃は、まだ梅雨が終わっておらず、中央高速でもかなりの雨に降られ、周りの山は雲に覆われていたことが嘘のような好天に恵まれた山行となった。
朝9時半に新穂高温泉パーキングを出て、午後3時前に槍平小屋に到着。小屋に着いた直後、激しい夕立となるも濡れることなく、小屋で休むことができた。
今日は、槍平小屋を6時過ぎに出発、千丈乗越を経て槍ヶ岳まで登るというと、かなりきつい行程であった。
途中で見上げた槍の頂上は遠く、険しく、「ほんとに登れるのか~~?」と思ったことも多かったが、S君のコース設定は絶妙で、景色、花、休憩を巧みに配置してくれ、そのおかげでなんとか頂上を踏むことができた。
千丈乗越から槍を見上げる
かなりいいペースで登り、コースタイムより大分早く11時前に槍ヶ岳の稜線に出た。
槍ヶ岳山荘は混んでいたが、まあまあ快適。
夕飯前には、宿泊者ほぼ全員が、防寒着を着こみ山荘の外へ出て、素晴らしい夕焼けを堪能。
気温は10度前後まで下がっていたはずだが、風も無く、まさにアルペングリューエンであった!
槍の穂先に今日最後の夕日が

日が沈み夕闇が濃くなってきた
稜線で吹きさらしの山小屋も、今日は風も無く静かに更けていく。
明日も快晴だ!


明くる7月19日。本日が今回の山行の最終日。
なんと今日も朝から快晴だい。
当初の予定を変更し、大喰山から足を伸ばして、中岳、南岳を越えて、大キレットを覗いて帰ることにした。
2時間ほど行程は伸びるが、天気は良いし、私とH君の足の状態も悪くない。

夜明け 快晴 槍ヶ岳

3000m級の稜線の縦走。
これははっきり言って快感です。
しかもこのコースは、景色も最高、高山植物も最盛期、天気は快晴。
風は涼やかに吹き、稜線にはライチョウの親子まで登場。何も言うことはありません。

中岳から槍ヶ岳を振り返る

大した疲れも感じず、大喰山、中岳そして南岳を快適にピークハントしていく。
これまでの山行の中でも最高に近い縦走となった。

あの槍からここまで来たんだ

南岳小屋に到着。そばの展望台から大キレットを覗く。
さすがに凄い。ルートを目で追うが、これはなかなかのダンバイベッテキ(断崖絶壁)。
今日みたいな晴天の日にしか行きたくないですな。
傍らのH君「来年はここやろう!」 う~~ん。簡単に言わないで。
しかし、我々が立っているこの展望台自体も両側絶壁でかなりの迫力。
大キレット踏破は、これから1年間ゆっくり考えましょ。

大キレットを覗く

ついに最後のそして最大の懸案事項であった下り一本勝負の時が来た。
南岳小屋から、新穂高温泉のパーキングまでの標高差は約2000m。
個人的には登山再開後、最大の標高差を下るという大きなチャレンジであった。
右膝に爆弾を抱える私。両膝が痛むH君にとって下りは最大の難関。
途中にはガレ場もあり、また雪渓横断も待っている。ミゾウユウの2000m大下降だ!

雪渓を行く

へろへろになりながらも新穂高温泉パーキングに無事に着いた時には、「これで大丈夫。結構どこでも行けるじゃん」と、意味もなく喜ぶH君と私。
当然のごとくS君は、全く疲れも見せず、もうひと山ふた山は軽く登れそうな風であった。
くやしいがしかたがない。
当初の予定よりコースタイムでは、2時間ほど長いルートとなった訳だが、新穂高温泉パーキングには1時間ほどの遅れで午後4時過ぎには到着。

いずれにしろS君ありがとう!あなたのおかげで槍ヶ岳に登れたよ。
(内緒だけど、H君と私は本当はかなり不安だったのですよ)


次はどこに行く~ 尾瀬でも行こうか?? 
温泉にも入り、帰りの車の中ですっかり元気を取り戻したH君と私。
ニヤニヤ笑いながら黙って運転するS君もうれしそうだった。

槍ヶ岳の夕空
<山行記録>
日程:2010年7月17日(土)~19日(月) 2泊3日

同行者:Sさん、Hさん

天候:
17日:晴れ一時雨
18日:晴れ
19日:晴れ

当初計画:
17日:新穂高温泉P(10:10)-穂高平小屋(11:00)-白出沢出合(12:20)(昼食)-滝谷出合(14:50)-槍平小屋(16:00)
18日:槍平小屋(6:40)-千丈乗越分岐(9:10)-奥丸山分岐(10:00)-千丈乗越(10:00)-槍ヶ岳山荘(12:00)(昼食)-槍ヶ岳(13:30)-槍ヶ岳山荘(14:30)
19日:槍ヶ岳山荘(6:30)-大喰岳分岐(6:40)-大喰岳(6:55)-大喰岳分岐(7:20)-槍平小屋
(10:20)(昼食)-滝谷出合(12:10)-白出沢出合(13:20)-穂高平小屋(14:20)-新穂高温泉P(15:10)

コースレコード:
17日:新穂高温泉P(9:37)-穂高平小屋(10:31)-白出沢出合(11:33)-チビ谷(12:31)(昼食)-滝谷出合(13:42)-槍平小屋(14:49)
18日:槍平小屋(6:15)-千丈乗越分岐(8:14)-奥丸山分岐(8:41)-千丈乗越(9:06)-槍ヶ岳山荘(10:55)-槍ヶ岳(11:42)-槍ヶ岳山荘(12:22)(昼食)
19日:槍ヶ岳山荘(5:51)-大喰岳分岐(5:58)-大喰岳(6:16)-中岳(7:03)-水場(7:27)-天狗原分岐(8:03)-南岳(8:23)-南岳小屋(8:52)-雪渓トラバース(9:54)-槍平小屋(11:52)(昼食)-滝谷出合(13:43)-白出沢出合(14:49)-穂高平小屋(15:34)-新穂高温泉P(16:18)

実歩行時間:
17日:4時間5分
18日:5時間52分
19日:7時間23分

2010.6.20 【御座山山行】 石楠花咲く山路

御座山
何と読みますか おぐらさんと読めた人は山屋さんですね。
御座山(標高2112m)は、「佐久の幽巒」と呼ばれる西上州・佐久における最高峰である。
幽巒(ゆうらん)とは、深遠な山という意味です。
ざっくりいうと御座山は、昭和60年の日航機事故の御巣鷹山の隣の山である。
当初「御座山に墜落」という誤報が流れたこともあったそうだ。

さて、7月の槍ヶ岳山行の足慣らしとしてS君H君と3名で御座山に向かう。

梅雨のさなかでもあるが、今日は天候は曇り。頂上は見晴らしがいいということだが、今日は果たしてどうだろうか。

途中、標高1375mの日本の鉄道最高地点の小海線の野辺山-清里間の踏切を通る。
JR最高地点 1375m
ちょっと車を降りて記念撮影。
また、目的地が近くなり、御巣鷹山登山口を通過する。確かにここは山深く交通の便が悪い。
今でも御巣鷹山山頂への登山道はない。合掌

今回の御座山へのルートは、白岩登山口。
山あいの段々畑の奥にあるパーキングは3台分のスペースしかない。都内を5時に出てこのパーキングに着いたのが8時20分。どうにか1台分だけスペースがありほっとする。

8時30分に1467mの白岩登山口を出発。2112mの頂上までは650mの標高差2時間30分ほどの行程だ。

この山はシャクナゲとツツジの群落で有名だが、どちらもちょっと時期が遅いかと思っていたら、ヤマツツジがそこここに生えていて、なかなかの山路である。
ギンリョウソウ、マイズルソウ、コミヤマキンポウゲなども見つかる。

ヤマツツジの山路を行く

ギンリョウソウの群落がそこここに
良く探せば マイズルソウも
登山道も整備されまた勾配が均等なので歩きやすいしどんどん標高が稼げる。
山道の両側にシャクナゲの木が群落をなしているが、少し時季を逸したか。すでに枯れてしまっている。
せめて、もう1週間早ければと残念な思いがつのる。

御座山山頂が見えてくる
だが、標高を上げるにつれ、終わったばかりの花が現れ始め、2000mを超えたあたり、頂上付近の避難小屋の付近まで来ると、最盛期の群落を見ることができた。
期待しなかっただけに感激である。

アズマシャクナゲ2枚
11時05分。ほぼ予定通りに頂上に着いた。

頂上は割と広いが二つに分かれた大きな岩峰であり、移動にはちょっと注意を要す。
イワカガミ&コケモモの大群落が我々を迎えてくれる。
結構、高い山であることを実感しました。

コケモモ 最盛期
イワカガミの大群落だ
御座山頂上2112mにて
幸いにも眺望は良く。梅雨のこととて北アルプスは霞んでいたが、それでも眼前に八ヶ岳が広がり、金峰山、瑞牆山も良く見えた。

八ヶ岳 中核部
まあ、今日はこれで十分満足ですね。
石楠花咲く山路
昼食を取り来た道を降りる。帰りは1時間30分ほどで駐車場に到着。

往復で標高差1300mにしては、なかなか快適で快調に飛ばせた山行でありました。


新緑の山路を行く
<山行記録>
日程:2010年6月20日(日) 日帰り

同行者:Sさん、Hさん

天候:曇り

当初計画:白岩登山口(9:40)-長者の森分岐(10:30)-見晴台(11:10)-御座山(12:30)(昼
食)-見晴台(14:30)-長者の森分岐(15:00)-白岩登山口(15:20)

コースレコード:白岩登山口(8:22)-長者の森分岐(9:00)-見晴台(9:40)-御座山(11:05)(
昼食)-見晴台(12:41)-長者の森分岐(13:13)-白岩登山口(13:38)

実歩行時間:3時間19分