2010.10.2~5 【北アルプス 白馬岳山行】 手痛い停滞撤退かな?

10月3日早朝。新宿発の夜行バス「さわやか信州号」は、曇天の栂池のバスターミナルに到着。

今回は、諸々の事情があり、久しぶりに夜行バスを利用した。
H君と私を乗せた「さわやか信州号」は、22:30に新宿駅を出発、時間調整のため一般道と中央高速を巧みに使い分けながら明朝7時頃に栂池のバスターミナルに到着。
今回の山行では、あまり良い天候は期待できなかったのでギリギリまで決行するか否か迷ったが、白馬大池まで行けば、紅葉がきれいであろうと意見が一致し決行。
事前に考えていた予定ルートは、悪天候を視野に入れ、栂池から入り白馬大池山荘で1泊、翌日白馬岳まで登り、白馬山荘で1泊、次の日は杓子岳、白馬鑓ケ岳を廻り、猿倉まで降りるという結構余裕のあるルートを設定した。
また、天候、体調、登山道の状態によっては、不帰のキレットを越え、唐松岳まで行き、八方尾根を下るというオプションもあるかなり自由度の高い計画としたのであった。


10月3日午前7時10分。
栂池バスターミナルから、1,720円也を支払いパノラマウェイで一気に白馬自然園1850mまで昇る。
この自然園で同じ方向に向かう登山者は20人ほど。
中秋の日曜にしては、いささか寂しい感じもしたのだった。

栂池 パノラマウェイ
栂池自然園の前の登山口で装備を整え、8時にいよいよ登山開始。
幸いにも天気は結構持ち直しており、また、紅葉前線がこのあたりまで降りてきており、山行決行は正解であったと思った。

天狗平の紅葉

戸隠 妙高もよく見える
1時間ほどで尾瀬にも似た高層湿原「天狗平」に到着。 一面の紅葉にしばし写真撮影に没頭。
雲量は多いものの視界は良く、戸隠、妙高がよく見える。
我々の向かう方向は青空が広がっている。
白馬三山と秋の空
乗鞍岳を越える頃には頂を雲に覆われた白馬三山が見えてくる。
雲海の中から、山頂へ立ち上がる峰々は、まさにアルプスという鋭さを感じさせてくれる。

乗鞍岳から白馬大池へトラバース気味に下る。
このあたりは、ハイマツの群落の緑と真っ赤に染まったナナカマドの赤の対比が見事な風景を作っている。
深紅のナナカマド

チングルマの紅葉と白馬大池
白馬大池の休憩所に着いたのが11時半。ここで昼食である。
他にも何組かのハイカーが休息を取っており、結構にぎやかであった。
当初の計画では、この白馬大池山荘に1泊し、翌日白馬岳を狙うことにしていた。
天気予報を確認すると明日の天気は絶望的。
白馬岳方面にはすでに雲が上ってきている。
ここまで3時間ちょいで来ているし、まだ昼前である。
こりゃあ今日中に上まで登るしかない。と即決断。
昼飯もそこそこに白馬岳へのコースへと急ぐ。
結果的にはこれが正解だったのだが、賑やかだった白馬大池を離れると登山道に人影は全く無く、白馬岳までの行程で出合った登山者はたったの1人だけであった。
白馬大池に群れていた人たちは、全員が栂池へ下るか、蓮華温泉へ降りてしまったのであった。

急登を登りつめ、稜線に出る。
素晴らしい稜線が目に飛び込んでくる。
今回の山行の目的の一つでもあった、「坂の上の雲」のエンデイングのロケ地である小蓮華山へ向かう稜線である。きれいな稜線が目の前に広がる。
爽快な尾根歩きとはなったが、天候が微妙であるのと行程が長いことから、どんどん先を急ぐ。

坂の上の雲 の稜線

雲海に浮かぶ 後立山連峰
雲は暑さを増し、白馬山頂を覆っている。また眼下には雲海が広がる。
H君と思わず「こりゃあ俺たち、雲と雲の間に挟まれてるだけじゃん」

さらに先を急ぐも小蓮華山から白馬岳へは結構な急登であり、二人ともへばりながら、なんとか白馬岳頂上着。時刻は15:48であった。

海苔玉の雪倉岳と朝日岳
ここまでは天気も良くもってくれて、途中で少しだけにわか雨に遭ったものの、視界は良く景色を楽しみながら頂上に到着。一応、今回の山行の目的は果たしたのであった。
白馬岳 山頂に迫る

白馬岳山頂 に人影は無く

そのまま一気に白馬山荘まで下る。
今日は山小屋は空いてるだろうな。と思って、チェックイン。
なんと先行者はたったの3人。今日の宿泊者は、我々を含めてたったの5人とのことであった。
(その後、午後6時半過ぎにどういうルートで来たのか、途中で何をしていたのか、なんでこんな時間が掛ったのか、全く分からないずぶ濡れカップルが到着。本日の最終宿泊者は7名となった。)
我々が到着してしばらくすると、雨が降り始め、風も吹き始める。
夜はあっという間に訪れ、本当に静かな山小屋の一夜となったのである。
白馬山荘は定員最大1,200名。今年も最盛期の8月初旬の土曜などは800名の宿泊があったそうである。

5人分しか山靴ありま10
余裕の停滞 お気楽模様
翌10月4日。朝5時に元気に起床。
朝食を頂き、外に出る支度をする。
今日は天気も悪そうなので、空身で杓子岳、白馬鑓ヶ岳をピストンして来ようという計画である。
山靴を履こうとすると、小屋の親父さんが「稜線は風が強くて危ないですよ」とのこと。
大丈夫ですよと言いながら、表に出てみて停滞を決定。
3000m稜線の暴風雨は凄いです。はい。

てな訳で、天候の回復を待って、今日はここに停滞です。
朝一で単独行ジイさん、朝二にバカップル、昼前に金沢の元山ガール二人が栂池目指して降りて行きました。その間もずっと暴風雨は続いていました。

遂に山小屋の客は我々二人を残すのみ。

スタッフの兄ちゃんが「昼一緒に食べてもいいですか?」とかなり謙虚な申し出。
もちろんOKです。
そして山小屋スタッフ全員集合。全員と言っても男性5人に女性1人の計6人でしたが。最盛期は30人以上もいるらしいです。

昼食は、コーンスープから始まり、数種類の手作りピザ、焼き立てパンにサラダ付き。
しかも、出るわ出るわ。8人に対して20人前以上はあろうかという大量な量でありました。
話もはずみ、おいしい昼食を堪能し、大感謝。
でもって、今日はもう外に出る気は皆無となり、談話室でグダグダゴロゴロ過ごすという完全無欠の「山デイ」となりました。

昼時 閑散とした大食堂
しかし、この後、素晴らしい絶景ショーが我々を待っていたのです。
午後も遅くなり、暴風雨をもたらした寒冷前線が通過。
急速に天気が回復。
カメラを引っ掴み外に飛び出すと、小屋の親父さんが既に三脚を立てて撮影中。
姿を現し始めた剣立山方面にレンズを向けていたのでありました。
風は強く吹きすさぶもののどんどん雲が取れていきます。

旭岳の横に沈む夕日。そして富山湾を覆う夕焼け。
姿を現した剣岳と立山。

親父さんもここしばらくはこんな夕焼け見てないねえ。と言うほどの絶景に遭遇したのでした。
1時間以上も夕焼けを眺め、今日の停滞が正解だったことをH君と確かめ合ったのでした。

夕日を浴びる旭岳

山荘も朱に染まる

白馬岳山頂も快晴

ついに 剣岳 立山もその雄姿を見せる

もう日没間近 明日は晴れるのか

夕食は、昼食に続き、またまた白馬山荘にいる人々全員が集まり、豪華焼肉食い放題+飲み放題という贅沢なものとなりました。
私もH君も完全に飲みすぎ食べ過ぎとなり、いい気持ちのまま早々に就寝することにしたのでした。

深夜2時。外を覗くと満天の星空でした。
朝4時起床。2時間前に見た満天の星空はいつの間にか消えており、白馬山荘は、強風そして分厚いガスに囲まれておりました。
朝5時。防風防寒防水完全装備で外に出ようと山靴を履こうとすると、小屋の親父さん「そうだ、猿倉方面は今日から車両通行止めだったかも」
なに~~~!!??
最終日の今日。我々は白馬三山を越え、白馬鑓温泉でタダ風呂を浴び、猿倉に降りる予定。
それは昨日の宴会の最中に小屋の人たちにも話してあったのに。
タダ風呂の入り方も教えてくれたのに。熊の目撃情報多発地帯なので気をつけろと脅かしてたのに。
三山の稜線は風が強いので気をつけろとか言ってたのに。

猿倉の車両通行止め解除は午後5時とのこと。

仕方なく、白馬大池を経由して蓮華温泉への下山を選択。
出発を日の出に合わせて5時半に遅らせて、白馬岳に向かう。
ガスは、強風に飛ばされ薄くなって来ており、月も見えており、御来光に期待。
気温は零度。風は相変わらず強く、耳が千切れそうに痛い。
山頂に着き、30分以上待つも、一向にガスは晴れず、御来光は断念し、下山に入る。
ガスが晴れつつある山稜を行く
こうなれば、後は2日前に来た道を急ぐだけ。
山頂を下ると、すぐにガスも晴れてきて、景色はまずまず、快調に稜線を飛ばす。

振り返れば 白馬は雲の中に
白馬大池の撮影ポイント 
なんと白馬大池には8時半頃には着いてしまいました。
頂上から3時間あまりの下山中、今度は一人の登山者にも出会わないという快挙?でした。
写真を撮りつつ、適当に休みつつ、かなり余裕の下山となりました。
白馬大池山荘でゆっくりと昼食(朝早かったので二人とも腹減ったぁと言いながら白馬山荘特製弁当を平らげてました)を摂り、あとは蓮華温泉に向かって下るだけ。

紅葉の山道をひたすら下る
この蓮華温泉へのルートは急坂も多く、あまり景色も良くないので下り専用という感じが強い登山道でしたが、紅葉狩りに来た結構な数のハイカーと出合いました。
皆さん、白馬大池までのハイキングのようでしたが。

蓮華温泉に到着 
蓮華温泉には11時半過ぎに到着。
山道のここそこにある露天風呂を敬遠し、内風呂(800円)に入らせて貰い、食堂でビールなどを飲みながら、寛いでバスを待つ我々でした。

バスで糸魚川駅に出て、特急「はくたか」で越後湯沢まで行き、上越新幹線に乗り換えて東京駅に向かうというちょっと考えると遠回りな路線で帰ってきましたが、中央線で特急「あづさ」で帰るより3時間も早く東京駅に着いたのでした。
これは正直言って意外でしたが正解でした。

今回の山行は、当初の計画と対比すると、白馬岳には登ったものの白馬三山の踏破は失敗。唐松岳への縦走も断念。白馬鑓温泉のタダ風呂も叶わず、ほとんど計画通りに行かなかった山行でした。
しかし、素晴らしい稜線歩き、夕焼けの剣立山、山小屋の珍しい体験等もあり、とても楽しい山行でありました。
白馬三山、後立山連峰縦走は、また来年にでも挑戦することにしましょう。

最後に「白馬山荘」のスタッフの皆さん。本当にお世話になりました。
また、空いてそうな時期を見計らって伺います。

また来るぞ 後立山 白馬三山
補足;「小蓮華山」という山の名前が出てくるが、では大蓮華山というのは一体どこにあるのか?
答えは深田久弥著作「日本百名山」の中にあった。昔、越中越後では「白馬岳」を「大蓮華山」と呼んでいたそうである。山名が「白馬岳」に統一されたのち、小蓮華山の名前は残ったということでしょうね。

<山行記録>
日程:2010年10月3日(日)~5日(火) 2泊3日(前夜行)

同行者:Hさん

天候:
 3日:曇り時々晴れのち雨
 4日:暴風雨のち晴れ
 5日:晴れ時々曇り

当初計画:
 3日:栂池自然園(8:00)-天狗原(9:35)-白馬大池山荘(11:45)(宿泊)
 4日:白馬大池山荘(6:30)-小蓮華山(8:30)-三国境(9:15)-白馬岳(10:30)-白馬山荘(11:10)(宿泊)
 5日:白馬山荘(6:30)-白馬頂上宿舎(6:50)-杓子岳(7:50)-鑓ヶ岳(9:10)-分岐(9:40)-白馬鑓温泉(昼食)(12:10)-猿倉荘(16:40)

コースレコード:
 3日:栂池自然園(8:05)-銀峰水(8:50)-天狗原(9:25)-乗鞍岳(10:40)-白馬大池山荘(昼食)(11:15)-小蓮華山(13:48)-三国境(14:51)-白馬岳(15:48)-白馬山荘(16:05)(宿泊)
 4日:白馬山荘(停滞)(宿泊)
 5日:白馬山荘(5:25)-白馬岳(5:40)-三国境(6:45)-小蓮華山(7:18)-白馬大池
(昼食)(8:45)-天狗の庭(10:28)-蓮華温泉(11:40)

実歩行時間:
 3 日:6時間39分
 4 日:        -
 5日:4時間36分

2010.9.5 【中央アルプス 木曽駒ヶ岳・宝剣岳山行】 再びカールへ

9月に入っても観測史上最悪の猛暑が続く。ひと息で涼しい2600mの高所まで昇れることを狙い、千畳敷カールから木曽駒ヶ岳という高所でありながら比較的楽なコースを選んだつもりであった。
しかし、今回も隊長のS君から提示されたコースは、宝剣岳を越え木曽駒ヶ岳まで。そこで帰らずに稜線を縦走し、濃ヶ池まで下降、そしてまた乗越浄土まで登り返す。という過酷なコース設定であった。コースタイムは6時間35分。

実は、私は仕事で中国から帰って来たばかりで下痢Pが治らず体調不良。強力な下痢止め飲んでの参加であった。まあ、最悪の場合、千畳敷カールで寝てるとか宝剣小屋で休憩しててもいいやって感じで今回の山行に臨んだのであった。
昨年も同じ季節にここを訪れており、風雨強く木曽駒ヶ岳までは行けなかったこともあり、この山は相性が悪いのかと思ってしまうが、果たしてリベンジはなるのか?

今回の山行も同行者はS君H君。
例によって、S君の車で都内を4時半に出発、中央道を爆走し、駒ヶ根高原菅の台バス停には午前7時半過ぎに到着した。
車で入れるのはここまで。駐車場は結構埋まっていて、観光客も多い。
人出が多いこともあり運行された臨時バスに乗ること30分。しらび平に到着。
ここでケーブルカーに乗り込むとあっという間に2612mの千畳敷カールに到着。
標高1662mのしらび平から7分半で1000mも上がってしまう。

バス代も含めて往復3800円也。これが安いか高いかは千畳敷カールの天候による。
晴れならばお安く感じますが、悪天候の場合は馬鹿馬鹿しいほど割高に感じることでしょう。


ケーブルカーは満員だ
千畳敷カールは、残雪の残る初夏、紅葉の秋、雪で覆われた真冬などは、素晴らしい光景が目の前に広がるはずです。ちなみにこのケーブルカーは通年営業です。

千畳敷カールはまことに良い天気
今回は9月初旬の山行でもあり、迫力のある風景は期待しなかったのですが、やはりこのカールは美しいですね。 これから登ろうとしている宝剣岳もくっきりと意外に間近に見えました。

とは言え、標高2612mの千畳敷カールにしてもけっして涼しくはなかったのです。
下界に比べ、15、6度は気温が低いはずなんですが、降り注ぐ日差しは強く、人も多いためか体感温度は30度近い感じでした。もっともこの日東京では36度の猛暑日であったわけで、それと比べれば涼しいんでしょうが。
カールの周遊散策路は、多くの観光客・登山客であふれていました。

観光客がドラクエ歩きの千畳敷カール
 しばらくの間、高度順化のための休憩を取り、9時前に人混みから離れ、宝剣岳への登山道へと入る。

宝剣岳の稜線上にある極楽平へは比較的楽に到着。
この辺りまで来るとようやく、吹く風が涼しく感じるようになりました。

極楽平から三沢岳を望む
稜線上で大発見。なんと全く期待していなかったウスユキソウが咲いていたのです。
エーデルワイスの御仲間です。日本でエーデルワイスに一番近いのは早池峰山に咲く、ハヤチネウスユキソウとされてますが、ここのウスユキソウ、正確にはコマウスユキソウもかなり近い感じでした。これはうれしい誤算でした。本当は7月に咲く花ではなかったかと。
体調不良のため、愛機の一眼レフでなく、軽量なコンデジを持って来たのをちょっと後悔した瞬間でした。

コマウスユキソウが咲いていた
宝剣岳は、千畳敷カールから見上げれば見事な岩山である。
そして登山道も見事な岩場である。
「山と高原地図」にも、危険を表わす記号が二つも並んでいます。
クサリ場を攀じ、ハシゴを越えて行く難路ですが、しっかりとしたしつらえで、結構快適に岩登りを楽しみながら、登っていくことができました。

宝剣頂上が間近に迫る
高度感のある鎖場を攀じる
10時半に宝剣岳2931mに到着。
頂上は岩の乱立という感じで、一番高い岩の上には一人しか立てない。
順番に一人づつ5mほどの岩峰の上に立つ。ここが宝剣岳の最高点です。

宝剣岳 頂上にて
山頂からは360度の展望が得られ、三沢岳の稜線、駒ケ岳、千畳敷カールが一望できた。
南ア方面の視界もあったが、北ア方面は雲の中でちょっと残念。

快適な縦走路
宝剣岳を後にし、中岳を越え、去年は途中であきらめた木曽駒ヶ岳まで快調に飛ばして行く。
乗越浄土の山小屋も近い

中岳の登りに入る手前の稜線で、今度はなんとコマクサの群落を発見。
高山植物の女王と呼ばれるコマクサが、ここで見られるとは感激である。
先ほど見たウスユキソウもそうだが、9月の初旬にコマクサが見られるとは。
異常気象の影響もあるのかもしれないが、今日ばかりはOKです。

高山植物の女王
このあたりから、あまり体調がよくないので、先行する二人に大分置いていかれるようになった。
挙句の果てには齢70歳は超えようかというジジ様にまで抜かれる体たらく。

これまで来た道を振り返る
駒ケ岳頂上
木曽駒ヶ岳に着いたのは12時。頂上は広く、多くの登山者が休憩中。我々も昼食とする。
2956mの頂上を吹く風はさすがに涼しいが、この時間帯は雲が上がってきており、展望は今一である。


お腹の具合も今一なので、ここから来た道を引き返し、宝剣山荘でS君、H君を待つという選択もあったが、予定コースの馬の背の稜線を見ると、なかなか気持ちのよい稜線である。
馬の背の稜線を行く
思い切って同行する。
快適な稜線縦走であった。
驚いたことに、この稜線上でニホンザルの群れに出会う。この夏の暑さに耐えきれず、どんどん上に登って来たというところか。
稜線の岩の上にはおサルの群れが
稜線から外れ、濃ヶ池に着く。木曽駒ヶ岳の頂上からちょうど1時間。14時に到着。
しばし休憩。雲間から覗く宝剣岳をしばし眺める。
ここからは登りとなるが、このあたりであまり調子がすぐれず、二人には先に行ってもらうことにする。
濃ヶ池から宝剣岳を望む


この沢も見事にカールしている
乗越浄土までの300mは見事なカールとなっている。
この登り返しは結構辛く、二人に遅れること15分。なんとか乗越浄土の稜線に15:30に到着。

ガスってきた千畳敷カールを下る
後はケーブルカーの駅に下るだけである。
途中でJRのバッジをつけた人々に何人も出会う。
軽装のおばさんに「上までどのくらいですか」と聞かれる。「20分くらいですよ」と答えると、おばさん達は「じゃあ行ってみようか」ですって。
まあ、いいんですけど。ガスって来たし、水も地図も持ってなかったけど大丈夫だったろうか?

剣ヶ池からの逆さ宝剣
剣ヶ池まで回り込み、雲の切れたのを見計らい、逆さ宝剣を撮影して、ケーブル駅に着いたのは16時30分を回っていた。
最終1本前のケーブルカーに乗り込み、猛暑の下界に戻って行く。
ケーブルカー駅までなんとか帰り着く
今回は体調のすぐれないままの山行となったが、遅れながらもなんとか最後まで歩き通せたこと。また、山行後の筋肉痛が皆無であったことが、個人的には大収穫の木曽駒ヶ岳山行であった。

<山行記録>
日程:2010年9月5日(日) 日帰り

同行者:Sさん、Hさん

天候:晴れのち曇り

当初計画:千畳敷(10:00)-極楽平(10:31)-三の沢岳分岐(10:52)-宝剣岳(11:18)-宝剣山荘(11:34)-木曽駒ヶ岳(昼食)(12:26)-濃ヶ池分岐(13:23)-濃ヶ池(13:41)-駒飼ノ池(14:22)-宝剣山荘(14:47)-剣ヶ池(15:18)-千畳敷(15:27)

コースレコード:千畳敷(9:12)-極楽平(9:43)-三の沢岳分岐(10:04)-宝剣岳(10:30)-宝剣山荘(11:05)-木曽駒ヶ岳(昼食)(11:57)-濃ヶ池分岐(13:41)-濃ヶ池(13:59)-駒飼ノ池(14:51)-宝剣山荘(15:25)-剣ヶ池(16:11)-千畳敷(16:33)

実歩行時間:5時間27分

2010.8.8 【尾瀬 燧ケ岳山行】 今回も裏から攻める

この3年間で4回尾瀬には来ている。しかし、燧ケ岳は未登。

これまでは、尾瀬ヶ原、あやめ平、尾瀬沼、三条の滝、そして至仏山と尾瀬を巡って来た。
2008年6月に尾瀬沼を1周した時には、燧ケ岳がよく見えた。
その時は、まだ登山を再開したばかりだった。
白く残雪が残る燧ケ岳は、泰然と尾瀬沼を見下ろしていた。
尾瀬沼から燧ケ岳を望む 2008年6月1日
長蔵小屋の横に据えてある望遠鏡で燧ケ岳を見る。
頂上には多くの登山者がいた。
その時は、あの頂上には、到底登れないだろうなあと思った。


今回の山行もS君H君と3名のパーティで臨んだ。
今回の計画もS君のプランで、東北道を北上、会津高原を経由して御池に入り、御池登山口から一気に燧ケ岳を目指すというものだ。
尾瀬に入る方法は、鳩待峠や大清水から入るのが一般的だが、御池側から入山すると尾瀬沼や燧ケ岳への徒歩でのアプローチは短い。
ただし、御池自体は東京からはかなり遠い。
都内から車で300km弱の距離がある。前回尾瀬沼から三条ノ滝のコースを歩いた時も御池から入ったが、今回は8月の日曜日。ETC割引渋滞もまた懸念材料である。

燧ケ岳に登るには、長英新道、見晴新道、温泉小屋道、沼尻からの直登ルートなど、いろいろなルートがある。この御池からのルートは、尾瀬沼に寄らないためあまり人気のあるコースとは言えないが、樹林帯も短くコース全体に亘り景色が開け、高層湿原や池塘も多く、お花畑が広がるという素晴らしいルートである。

途中の湿原では、ミズバショウ、シャクナゲ、チングルマ、ワタスゲなどの花期の終わった群落が見られ、訪れる季節を合わせれば、また違った景色に出合える楽しみもあるコースでもある。

今はキンコウカが最盛期。
他にも多数の高山植物を楽しむことができ、まことに楽しいルートであった。
キンコウカが咲き誇る広沢田代
途中、広沢田代と熊沢田代という高層湿原を通過するが、その風景はまさに尾瀬ならではのものである。
それまでの急登を忘れさせてくれる別天地と言える。
広沢田代を行く
尾瀬には、数多くの田代が存在する。田代とは、湿原という意味だが、耕せば田んぼになるような土地なので、田の代わりになるというようなことらしい。
この田代に木道がある風景がまさに尾瀬の雰囲気であります。

また、熊沢湿原は、結構珍しい傾斜湿原(普通湿原は水平なのだが、ここは確かにかなりの勾配があります)であることでも有名で、また、名前が示す通り、本物の熊さんの通り道だそうです。

熊沢田代の池塘
燧ケ岳への登りは、登山口から入ると、いきなり急登(急なドロ道)→田代→急登(急なぬかるみ道)→田代→急登(急な岩礫道)そして、頂上という素晴らしい構成になっている。
もちろん、御池の標高1500mから頂上2356mまで標高差は800mもあり、決して楽な登山とはならない。
楽ではないんですが、急坂をあえぎあえぎ登って、もう駄目勘弁して!と思う頃にちょうど田代が現れ救われる。というなんとも素晴らしいルート構成になっております。また、既述の通り、あまり登山者も入らないコースなので、おすすめですよ。
東京を出るときは快晴だった空も、車で尾瀬に近づくにつれて、徐々に雲が増えてきた。
そして、御池に着いた頃は、天気は完全に曇りとなった。
こりゃあ頂上は、雲か霧の中?下手すりゃ降ってくるかも。と少々あきらめの気分。

しか~し、ドロ道の急登と闘い、ようやく広沢田代までたどりついた時、目指す燧ケ岳の稜線が見えてくる。
おお、なんと晴れているではないか。
頂上の稜線が見えてきた

これまで来た道を振り返る
快晴ではないもののくっきりと山容が見える。
雨男と呼ばれ、日本全国快晴でも私のいる所だけは雨が降る。と言われた私だが、最近は天気に恵まれて来たようだ。

とはいえ、午後には曇って来ることが予想されたので、山頂へ急ぐ。
なんとか晴天の間に頂上に到着。

燧ケ岳。
ウィキペディアによれば、
火口付近には柴安嵓(しばやすぐら2,356m)、俎嵓(まないたぐら2,346.0m)、ミノブチ岳、赤ナグレ岳、御池岳の5つのピークがある。
尾瀬ヶ原から見ると、左から柴安嵓、御池岳、赤ナグレ岳がよく見える。
登山道があって行くことのできるのは、柴安嵓、俎嵓、ミノブチ岳の3つである。
俎嵓には二等三角点「燧岳」がある。燧ヶ岳は、2,300m以上の山として日本で最も北に位置する。日本国内では、燧ヶ岳より北にそれより高い地点はない。

となっている。ちなみに嵓(くら)とは大きな岩のことであるらしい。

けどね。登ってみればわかるんですが、ピークは5つではなく、柴安嵓と俎嵓の双耳峰だと思いますよ。ツインピークスですよ。
加えて、正式な頂上は、ニ等三角点のある俎嵓ということになっていますが、それより10m高い柴安嵓が、もちろん我々の目標地点です。

俎嵓で小休止。眼下に尾瀬沼が広がる。ここから見ると意外に大きい湖である。
目を転じれば、柴安嵓の向こうには尾瀬ヶ原と至仏山が見える。
至仏もこの季節。ちょうど花が凄いだろうなあ。日本屈指の高山植物の宝庫。5月6月は高山植物保護のため登山禁止って山も他にはあまりないし。
ぜひ、花の最盛期の時期の至仏山にも登ってみたいものだ。

俎嵓から柴安嵓を望む 遠く至仏山も見える
俎嵓から尾瀬沼を望む
燧ヶ岳の最高点柴安嵓に向かう。
5分前に先行したジジババの団体がスタックしている。
下りも登りも結構急な岩場。お先にどうぞと言われてもそりゃ無理でしょ。おしゃべりしてないで早く登ってよ。
ともあれ、コースタイム通り20分で柴安嵓に到着。

結構急坂でしかもスタック
ガスが大分上がってきており、さっきまで見えた尾瀬ヶ原、至仏山は雲の中に。
昼食を取り、そろそろ下山という頃合いになり、やっと箱庭のような尾瀬ヶ原が見えてきた。

尾瀬ヶ原と至仏山
十分に休憩を取った後は、来た道を降りるだけ。
さあ、御池で冷えたコーラが待ってるぞ。
ガレ場をひたすら降る
往復で標高差1700mを日帰りで登り降りしたわけだが、前回の槍ヶ岳山行に比較し、より足には負担がかかったように感じた山行であった。 無事に御池に着いた時には結構ヘロヘロで疲労困憊。
疲れた顔も見せずに「下りはコースタイムより、大分早く着いたよ。」というS君の言葉がとてもうれしかった。

今回の山行を終わり、個人的には、尾瀬の大部分(登山禁止で道のない景鶴山もいつか行ってやる)を廻ったことになる訳だが、尾瀬はどのコースでも、どの季節でも、どんな天候でも、誰と行っても素晴らしいところであると再確認。

これからも、何度でも尾瀬には来たい。この次は、雪の季節か初夏に来たいなあ。

<山行記録>
日程:2010年8月8日(日) 日帰り

同行者:Sさん、Hさん

天候:晴れ時々薄曇り

当初計画:御池(9:30)-広沢田代(10:30)-熊沢田代(11:20)-俎ぐら(13:10)-燧ヶ岳(昼食)(13:30)-俎ぐら(14:40)-熊沢田代(15:50)-広沢田代(16:25)-御池(17:10)

コースレコード:御池(9:12)-広沢田代(9:57)-熊沢田代(10:49)-俎ぐら(12:02)-燧ヶ岳(昼食)(12:41)-俎ぐら(13:45)-熊沢田代(14:37)-広沢田代(15:18)-御池(15:57)

実歩行時間:5時間44分