権現岳山頂は、雲の中にあった。
山頂付近の上空だけが、ぽっかりと抜けており青い空が覗いていた。
今日の目的地「権現岳山頂 2,715m」は、他に登山者はおらず、H君と私の二人で独占という贅沢な山行となった。
権現岳の頂上の上だけ青空だった |
権現岳までの道のりも全行程我々だけという静かな山行となった。
先週末に富士登山を行い、朝のラッシュ並みの混雑を味わったというH君は「静かな山はやっぱりいいね」と、喜んでいた。
今回の予定は、急に計画を立てたこと、まだ私の右足のかかとが完調とは言えないことから、観音平から入り、まずは(基本計画)青年小屋までは行く。そこでコースタイム、体調を考え、①編笠山を登り帰路につく、もしくは②権現岳まで足を伸ばし、余裕があれば③三ツ頭経由で下山、余裕が無ければ青年小屋まで折り返し、そこで④編笠山経由で帰るか⑤そのまま下山という、良く言えば臨機応変、悪く言えば適当な計画であった。
結局、後述の通り、(基本計画)+②+⑤の観音平から青年小屋経由で権現岳を登り、来た道を引き返すというルートとなった。
実際は全行程では、コースタイムより、30分ほど時間短縮できたのだが、前夜に予定外の飲み会が入ってしまい、出発時刻を30分ほど遅らせたこと、行程中休憩を多く取ったこと、高山植物の写真を撮りまくったこと、権現小屋のお兄さんと話し込んでしまったことなどから、大幅な時間ロスとなってしまい、観音平の駐車場に着いたのは午後7時近くなってしまった。
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実際は全行程では、コースタイムより、30分ほど時間短縮できたのだが、前夜に予定外の飲み会が入ってしまい、出発時刻を30分ほど遅らせたこと、行程中休憩を多く取ったこと、高山植物の写真を撮りまくったこと、権現小屋のお兄さんと話し込んでしまったことなどから、大幅な時間ロスとなってしまい、観音平の駐車場に着いたのは午後7時近くなってしまった。
反面、夏山を静かにのんびりと堪能できたと言える山行となった。
朝7時、観音平に着いた。駐車場はほぼ満車。1台分だけ空いていたスペースに車を停める。「こりゃあ、平日なのに混んでるなあ。」とH君と混雑の覚悟を決める。
天気は快晴。
7時20分にクライムオン。
まずは青年小屋に向かい、樹林帯を登る。今日の標高差は約1,200mと侮れない。ースを崩さないように、少し多めの休憩を入れながらゆっくりと登る。
登山道の途中で、南アルプスをはじめ、多くの山々を望むことができた。
しかも、予想に反し、他の登山者とはほとんど会わず、静かな出だしである。
青年小屋に着いたのは10時30分近く。
当初の到着予定時刻より1時間ほど遅い到着となった。
ここで1回目の昼食とする。
天気は上々。
権現岳まで行くことに決定。
青年小屋を12:00に出発。
天気はまだ保ちそうだ。
残りの標高差は約300m。
一気に登ってしまおう。
沸き上がる雲々、緑の稜線、透明度の高い空気、遠くに見える山々。
そして、イワギキョウの鮮やかな青を中心とした数々の高山植物。
雲の切れ間から漏れてくる日差しは強く、我々の他に登山者は見えない。
前を歩くH君が歩を刻む音と自分の足音以外に聞こえてくる他に音はない。
静かな稜線を快調に進む。
さすがにこの場所は猛暑とは縁がない。
時折吹き抜ける冷風が心地よい。
思いのほか権現岳へのコースはアップダウンも多く、鎖場のトラバースもあり、時間が掛かってしまった。
おまけにこれまでほぼ快晴だった稜線に雲が沸き上がってくる。
権現岳の前衛のギボシに着く頃には、谷から昇ってくる雲に辺りを覆われてしまう。
権現小屋に着く頃には、すぐそこにあるはずの権現岳も見えなくなってしまう。
権現岳山頂を踏んだのは14時3分。
切り立った岩峰の絶頂2,715mに立つ。
ここからの展望を楽しみにしてきたのだが、ほとんど視界はなく、残念。
時折、強い風に雲が飛ばされ、青空が顔を覗かせる。
うまい具合に登頂記念撮影をした時だけ、ちょうど頂上の上だけ青空が抜けたのは、山の神の親切か。
山頂で休憩し、ここからの下山ルートを検討する。
このまま三ツ頭方面に抜けるか、来た道を戻るかである。
三ツ頭方面の雲が厚いこともあり、最短ルートであること、青年小屋まで戻ったときに晴れてれば、編笠山を経由して帰れることから、昇ってきたコースを引き返すことに決定。
権現小屋まで戻り休憩。
2回目の昼食とする。
ここで豆から挽いているという小屋自慢のコーヒーを頂く。
小屋のお兄ちゃんと話し込む。
八ヶ岳登山について話の花が咲く。
気づくと15時を回っている。
引き返す時間が来た。
青年小屋までひたすら降りる。この時点で16時過ぎ。
天気は快晴。
7時20分にクライムオン。
観音平から見る編笠山方面 |
静かな登山道を行く |
登山道の途中で、南アルプスをはじめ、多くの山々を望むことができた。
しかも、予想に反し、他の登山者とはほとんど会わず、静かな出だしである。
雲の切れ間から富士山が |
鳳凰三山も快晴だ |
甲斐駒ケ岳と千丈岳 |
甲斐駒ケ岳の勇姿 |
当初の到着予定時刻より1時間ほど遅い到着となった。
ここで1回目の昼食とする。
天気は上々。
権現岳まで行くことに決定。
青年小屋についた |
ここまで天気は快晴なのだが |
天気はまだ保ちそうだ。
残りの標高差は約300m。
一気に登ってしまおう。
沸き上がる雲々、緑の稜線、透明度の高い空気、遠くに見える山々。
そして、イワギキョウの鮮やかな青を中心とした数々の高山植物。
タカネナデシコの花 |
ウスユキソウ |
イワオウギ |
イワギキョウ |
イワギキョウの群落 |
前を歩くH君が歩を刻む音と自分の足音以外に聞こえてくる他に音はない。
静かな稜線を快調に進む。
阿弥陀岳方面を見る |
ずいぶんと昇ってきた |
時折吹き抜ける冷風が心地よい。
ようやく権現岳に接近 |
ギボシ直下のお花畑 |
おまけにこれまでほぼ快晴だった稜線に雲が沸き上がってくる。
なんといきなり雲が押し寄せてくる |
権現小屋に着く頃には、すぐそこにあるはずの権現岳も見えなくなってしまう。
権現岳山頂を踏んだのは14時3分。
切り立った岩峰の絶頂2,715mに立つ。
結構 怖いです |
時折、強い風に雲が飛ばされ、青空が顔を覗かせる。
うまい具合に登頂記念撮影をした時だけ、ちょうど頂上の上だけ青空が抜けたのは、山の神の親切か。
少しだけ雲が切れる |
頂上の裏はダンバイベッテキ |
主脈方面はガスって見えない |
このまま三ツ頭方面に抜けるか、来た道を戻るかである。
三ツ頭方面の雲が厚いこともあり、最短ルートであること、青年小屋まで戻ったときに晴れてれば、編笠山を経由して帰れることから、昇ってきたコースを引き返すことに決定。
権現小屋は小さい小屋だが居心地よさそう |
2回目の昼食とする。
ここで豆から挽いているという小屋自慢のコーヒーを頂く。
小屋のお兄ちゃんと話し込む。
八ヶ岳登山について話の花が咲く。
気づくと15時を回っている。
引き返す時間が来た。
青年小屋までひたすら降りる。この時点で16時過ぎ。
今日は参加していないが、S隊長が毎年、夜間登山しているルートだ。
観音平駐車場には日没過ぎの午後7時前に到着。
程なくあたりは暗くなった。
歩行時間は8時間弱だったが、トータルタイムは11時間。
休憩していた時間が今回は非常に長かったことが分かる。
その分、のんびりと景色と花々を見ることができ、夏山を堪能したということにしておこう。
観音平駐車場には日没過ぎの午後7時前に到着。
程なくあたりは暗くなった。
観音平登山口に戻ってきた |
休憩していた時間が今回は非常に長かったことが分かる。
その分、のんびりと景色と花々を見ることができ、夏山を堪能したということにしておこう。
<山行記録>
日程:2012年8月3日(金) 日帰り
同行者:Hさん
天候:晴れのち曇り
当初計画:観音平(7:20)-雲海展望台(8:20)-押手川(9:20)-青年小屋(10:25)-権現岳-(12:15)-(昼食)-青年小屋(13:55)-編笠山(14:40)-押手川(16:00)-雲海展望台(16:50)-観音平(17:45)
コースレコード:観音平(7:50)-雲海展望台(8:47)-押手川(9:45)-青年小屋(11:18)-(昼食2)-権現小屋(13:44)-権現岳(14:03)-権現小屋(14:35)-(昼食1)-青年小屋(16:04)-押手川(17:20)-雲海展望台(18:00)-観音平(18:53)
実歩行時間:7時間44分
日程:2012年8月3日(金) 日帰り
同行者:Hさん
天候:晴れのち曇り
当初計画:観音平(7:20)-雲海展望台(8:20)-押手川(9:20)-青年小屋(10:25)-権現岳-(12:15)-(昼食)-青年小屋(13:55)-編笠山(14:40)-押手川(16:00)-雲海展望台(16:50)-観音平(17:45)
コースレコード:観音平(7:50)-雲海展望台(8:47)-押手川(9:45)-青年小屋(11:18)-(昼食2)-権現小屋(13:44)-権現岳(14:03)-権現小屋(14:35)-(昼食1)-青年小屋(16:04)-押手川(17:20)-雲海展望台(18:00)-観音平(18:53)
実歩行時間:7時間44分
夕闇迫る南アルプス 千丈岳 |
PS.権現小屋の付近ではタカネナデシコが咲き、岩峰の上に三本足の烏が止まっていたことを付記しておきます。