2013.7.12 【ツークシュピッチェ&アルプシュピッチェ ハイキング】 頂上は槍ヶ岳並みの大混雑

H君とのドイツ山行2発目は、ドイツ最高峰のツークシュピッチェ (Zugspitze)を目指す。
隣にあるアルプシュピッチェ (Alpspitze)展望台が、必見であるとの情報を得、贅沢にも連続ハイクに挑戦。
ネットで偵察すると、ツークシュピッチェ頂上はクリアに晴れている。いつ行くの?今でしょ!!
写真はすべてクリックで拡大します。
と言いながらも、朝8時に自宅を出発。
本当はもっと早く出るべきであったが、前日の疲労からこの時間までぐだぐだしてた。

昨日とは異なるアウトバーン95号線を南下。
途中、もう日本では北海道くらいしか見られなくなったドイツの農村風景を楽しみながら、ガルミッシュパルテンキルフェン (Garmisch-partenkirchen)を通り抜け、10時前にツークシュピッチェの麓のアイブゼー (Eibsee)に到着。

日本語の看板のあるケーブルカー駅で、ツークシュピッチェとアルプシュピッチェの両方に行ける2peak-ticketを購入。
この看板はバブル時代には日本人が多く訪れたなごりか?
丁度その頃に作った看板が、そのまま残っているという感じでした。エコノミックアニマルの栄光今何処??
今度来る時にゃ、ニーハオに書きかわってたりして。
「ツークシュピッチェ頂上へ直行するアイブゼーケーブルカー」
早速、ケーブルカー (Eibsee-Seilbahn)に乗り込み、一気に頂上を目指す。
このケーブルカーに乗るのは、去年の10月以来2回目となるが、今回も本当に、ロープ一本で吊るされたケーブルカーには驚嘆。
とくに今日は快晴のため、1,700mを一気に駆け上がる高度感に圧倒される。人工物の高所にはひどく弱い私である。

アイブゼーは綺麗な蒼だ
頂上駅 (Zugspitzplatt)に直結している展望台でしばらく周囲の景色を楽しむ。
いよいよ今回の最終目的でもある、ツークシュピッチェの頂上の岩峰にトライ開始。
あそこが山頂

まずは「ここから先は命の危険あり。行くなら勝手に自己責任でね。わたしゃ知らんよ」てなことが書いてあるらしい立て看板の横のゲートを抜け、登攀ルートへ。

鎖と鉄梯子でちゃんと道がついているし、距離も短い。たいした危険箇所は無い。
規模的には小さいが、北アルプス・槍ヶ岳の最終登攀ルートと同様の作りである。

ということで、槍ヶ岳山頂同様の大渋滞。

ここで日本ではあり得ない光景を目にする。
もっとも最近は、北アルプスにもアジア諸国から多くの観光客が押し掛けて来ているため、様相が変わってきているが。
この大渋滞の中でも、「視野狭窄将来無展望状況判断能力皆無」が、普遍的国民性であるこちらの人々、しかも基本体型が男女ともにブタパンであることも忘れ、ひたすら突進して行く。
狭い頂上付近にはそれほどのスペースもないので行き場が無くなり、渋滞を加速する。
それでも、道を譲ると言う言葉は、彼らの頭とドイツ語には無いのである。
最後は、登山者の一人から「もうこっち来ても立つところもないからね。みんな落ちちゃうからね!おめーらそこで止まれ!!」
と、理由説明付きの命令を出され、ようやく我に返り、狭い足場でつま先立ちしたり、ロープにぶら下がったり、前の人におぶさったりして、道を空けている。
基本的に人は悪くないのである。
完全な馬鹿である。ジーク・ハイル!!
写真を撮っただけの頂上
たいしたことない梯子だが
おかげで普通に行けば、5分程度で往復できるルートであるが、登降に30分以上も掛かってしまう。
展望台から多くの人が見てる
まあ、頂上から見える景色は展望台からのそれとそう違う訳ではなく、写真を撮りすぐに退散。
ばかあ〜〜と鳴くカラス


このツークシュピッチェ。
NHKでも放送されてた、X-Alps Athletes2013のチェックポイントにもなっていました。
オーストリアのザルツブルグからモナコまでの1,000km以上を、ハングライダーと山岳ランの組み合わせで走り抜く競技(これも相当にお馬鹿な競技であります)ですが、10個あるチェックポイントの4番目がここツークシュピッチェ。
2チーム出場している日本チームは両チームとも無事通過のサインがあいてあります。
ドイツはというと3チーム出ていますが、すでに2チームは脱落してしまったようですね。
日本の選手のサインの横に「カツ丼食いたい」と書いてありました。
たしかに食い物では、いつも美味しい食事ができる日本人は不利です。
このあたりでは、ろくな食い物ありませんから。

モナコへ771km、ザルツブルグへ261kmの表示
チェックポイントのサインボード
とかなんとか言いながらお土産屋をひやかしながら、展望台をゆっくりと1周。
こんなTシャツを記念に買ってみた
展望台から望む景色は絶景であった。




展望台にもまだ大きな雪の山が

食事は屋外のテラスで、いただく。大して美味しくもないスパゲティだったが、標高3,000mの戸外で食べる昼食は格別。
美味くも不味くもないスパゲッティ・ボロネーゼ
腹ごしらえを終え、今度はグレッチャーバーン(Gletscherbahn)というケーブルに乗り氷河駅(Gletscher)に降りる。氷河散策を楽しもうかとも思ったが、気づくともう午後2時を廻っている。



犬連れも多い


一通りあたりを見渡し、氷河気分をとりあえず味わえたので、すぐに山岳鉄道に乗り込む。
前回来た時は、我々の他にほとんど乗客はいなかったが、本日はほとんど満員。
アプト式の鉄道のため、ずり落ちる心配はないだろうが、ブタパン満員の窮屈さとスピードののろさを呪いながらもようやく40分掛けて、アイブゼー駅に到着。

すぐさま、駐車場から車を出し、山靴を履いたままアルプシュピッチェのケーブルカーのクレゼックアルプスピッチェ駅 (Krezeck-Alpspitze)を目指す。若干、道に迷ったりしながらも3時前に到着。

再びケーブルカーに乗り、てっぺんを目指す。


頂上のOsterfelderkopf(読めない)駅に到着するとすぐに名物アルプスピックス (Alpspixs)展望台へ。
多くは語らぬが、馬鹿である。
馬鹿でしょ??
落ちるでしょ。

ここは安全
馬鹿です
山ならどんなに高くても高所恐怖を感じないが、人工物はだめ。
人工物はいつかは落ちる。ツークのケーブルカーもロイタッシュの鉄の桟道も、人工衛星もいつかは落ちる。
このAlpspixsも必ずいつかは落ちる。
それが今日でないことを願いつつ、ちょっとだけ先っちょまで行ってみました。
アルプシュピッチェへの登山道


Alpspitzeの頂上は雲に呑まれている
本当は時間があれば、ここから一気にアルプシュピッチェ山頂を目指す計画であったが、時間的制約と頂上付近に雲が湧いて来たので、「今日のところはこれで勘弁してやろう!」とH君とうなづきあいながら、頂上を横目でにらみ、おとなしく花咲く草原の道を下山の途についたのでありました。








帰途の下山路にて、初めて本物のエーデルワイスに遭遇。
日本の近似種ウスユキソウに比べ、大きく花もしかっりしていました。
本場のエーデルワイス

今回の山行は、当初から時間配分(そんなものあったのか)を間違え、2、3の予定したイベントを省略せざるを得なかった訳ですが、それでもなお、まるでテーマパークを廻るような数多くのアクティビティを体験でき、とても楽しいハイキングとなりました。


(参考)前回のツークシュピッチェ訪問はこちらから
    2010.10.13 【Zugspitze & Eibseeトレッキング】お気楽ドイツ最高峰

<山行記録>
日程:2013年7月12日(金) 日帰り
同行者:Hさん(CUCT)
天候:快晴

コースレコード:
<ツークシュピッチェ(Zugspitze)>
ミュンヘン自宅発(8:00)-アイブゼー(Eibsee)駐車場(9:55)-ケーブルカーアイブゼー駅(10:25)-(Eibsee-Seilbahn)-ツークシュピッチェ頂上駅(10:40)-(頂上展望台散策)-頂上登頂開始(11:00)-頂上(11:10)-展望台(11:35)-(昼食)-展望台付近散策(12:00-13:00)-頂上駅発(13:00)-(Gletscherbahnケーブルカー)-Gletscher駅(13:15)-付近散策(13:15-13:30)-Gletscher駅発(13:30)-(Cogwheel train)-アイブゼー駅(14:10)

<アルプシュピッチェ(Alpspitze-Osterfelderkopf)>
アイブゼー駐車場(14:15)-Krezeck-Alpspitze駅(14:55)-(Alpspitzbahn)-Osterfelderkopf駅(15:20)-(展望台付近散策)-Osterfelderkopf駅(16:15)-(Hochalmbahn)-Hochalm駅(16:20)-発(16:25)-Kreuzeck駅(16:55)-(Kreuzeckbahn)-
Krezeck-Alpspitze駅(17:15)-駅発(17:20)-ガルミッシュパルテンキルフェン(17:50)-自宅着(19:05)


実歩行時間:
        約3時間