2017.5.28【尾瀬 アヤメ平から尾瀬ヶ原逍遥】まだまだ雪あります!トレーニング山行その2

尾瀬ヶ原より燧ケ岳を望む
今や優柔不断の二人きりになってしまった我が登山隊は、今回の山行も例によって、その日まで行き先を絞りきれずにいた。
今回迷ったのは、上越・白毛門と尾瀬である。
天気が良かったら、白毛門から至近にある谷川岳の一の倉沢を眺める。
曇りだったら、水芭蕉咲く尾瀬散策、雨なら無論中止。
前回に引き続き、トレーニング山行なので、天気が悪ければ中止なのである。

連日晴天が続いていたので、行き先は白毛門にほぼ決定していたのだが、上越道を走るといまいち天候が良くない。
高い山はほとんどが雲を被っている状況である。

赤城高原SAにて朝食。
最終的な行き先を相談。
相談の概況;白毛門の頂上まで、登って眺望が得られなければショックは大きい。しかも標高差は1,100m余りもある。尾瀬なら天気悪くても水芭蕉は見れるし、登りも辛くない。
H君「まだ、尾瀬は混んでないかも?雪あるので団体、ツアーはまだ始まらないでしょう。」
私「そっかな〜〜。でも、尾瀬ならいいね!」
と、簡単に尾瀬に決まっていたのである
写真はすべてクリックで拡大します
ということで高速を沼田インターで降りて、尾瀬戸倉の駐車場に向かう。

私「駐車場いっぱいだったりして」
H君「あそこは大きいから大丈夫でしょ」

見事に満車でした。
おっさん「第2駐車場にお廻りください〜〜〜」
尾瀬戸倉第2駐車場
第2駐車場もそこそこ混んでいたが、入り口近くのスペースに車を停め、鳩待峠行きのバスを待つ。ほどなく乗り合いのマイクロが来る。
尾瀬は送迎システムがしっかりしているので、定期乗合バスの他に人数に応じてすぐにマイクロ、タクシーなどが配車されて来る。どれに乗っても料金は同一である。

鳩待峠に着いたのは10時前。遅いのである。
しかも、混んでいてツアー客も、どんどんどんどん、どんどんどんどん来るのである。
「尾瀬ヶ原日帰りツアー「水芭蕉を見に、遥かな尾瀬に」ガイド付き」(仮称)の御一行様が、どんどんどんどん、どんどんどんどん。
ドラクエ歩きの準備よ〜〜し!である
(参考)ドラクエ歩きの画像
「そんなに混んでないかも?」甘いのである。
雪があろうと水芭蕉が無かろうと、雨だろうが槍だろうが、ドラクエツアーは、世のため金のため、5月下旬になれば、催行人員5名様から挙行されるのである。

しか〜〜し、我々には奥の手があるのである。
2012年6月にも同様の事態に陥っている。
歩行時間は長くなるが、ツアーの行程とは逆回りのコースがあるのである。
詳しくは、「2012.6.2 【尾瀬 アヤメ平トレッキング】 D-quickでmission accomplished」を参照されたし。

10時ジャスト。ドラクエツアー客とは一線を画すため、我々は健気にも「登山届け」をきちんと出し、アヤメ平への登山口から登り始める。
アヤメ平への登山口
いきなり、積雪が現れる。
今年は雪が多いのである。
ただし、数パーティが先行しているようで、道はしっかりとトレースされている。
雪の樹林帯を登り続ける。
雲は多いが、天気もいい感じになってきた。
1時間ほどで2パーティを追い越し(珍しいことである)稜線に出る。
至仏山や燧ケ岳は山頂付近は厚い雲に覆われている。
「白毛門行かなくて正解でしたねえ。何も見えないよ。あれじゃ」と二人で納得する。
雪深い登山道を往く
気持ち良い雪の樹林帯
気温は低いが、我々はもう夏支度。半袖で勝負である。
途中ですれ違う登山者は、長袖アウターをしっかりと着込んでおり、「お〜〜もう半袖ですか?寒くないですか〜〜」などと話しかけて来るおっさんもいる。
バカなので寒くないのである。
結局、追い越したのが2パーティ、すれ違ったのが5パーティと、とても静かな山旅となったのでした。
道標もこんな感じに埋まっている
木道が一部出て来ている
至仏山は雲が湧いている
稜線の木道はほぼ露出
稜線は、風が吹き抜け、天候は回復。
上州、日光方面の山々も晴れている。
今年は雪が多い
日光白根山と皇海山
榛名山
日光から上州方面の山並み
まだ、高山植物はほとんど咲いていないが、快適な稜線をぐんぐん飛ばしていく。
今日の最初の目的地アヤメ平(1,969m)に着いたのが、12時であります。
景色は良いが、風が強く、寒い。半袖の我々には辛い。
昼飯は横田代の池まで行ってからにしよう。
アヤメ平に到着 
日光白根もより近くに
1,969m本日の最高到達点
至仏山はまだ雲の中
この辺りで、私は気づいていたのだが、今日のルートはコースタイムでは7時間くらい掛かる。
10時発だと単純計算でも、鳩待峠に戻って来るのは17時。
鳩待峠の最終バスは17時10分。ギリギリである。
以前、同じルートを来ているので、地図のコースタイムをかなり短縮できることは知っていた。
H君の性格をよく知っている?私は彼にはこのことを教えてあげないのである。
ここで日光の山々とはお別れ
横田白方面への道
で、横田代で昼食。
ここは池に燧ケ岳が映える、絶景の撮影ポイントである。
樹林も多いので風もなく快適である。まだ、池はほとんど雪に覆われていて、ベンチなども雪の下なので、雪上ランチである。
燧ケ岳が良く見える横田代に到着
今日のランチは雪上 
この頃になると天候も良くなり、燧ケ岳の頂上も見え隠れし始める。
午後1時。昼食が終わる頃、H君に「地図見てくださいな」
H君が地図を出したので「残りのコースタイム見てくださいな」
H君「竜宮小屋まで1時間40分。山の鼻まで1時間25分・・鳩待峠まで1時間20分・・・間に合わないじゃん。」
私「大丈夫大丈夫、そのコースタイムはドラクエツアータイムだから」
H君「鳩待峠から戸倉駐車場まで歩いたら2時間以上掛かるでしょ。バスに間に合わないとやばいよやばいよ」
私「タクシー呼べるかもよ〜〜。ひひひ」
横田代の池はまだ雪の中 
燧ケ岳が見えて来ました
雪上のコーヒータイム
くつろぐ人もいた
実際の話。前回は、鳩待峠の最終バスの発車時刻を逃している。
尾瀬ヶ原から鳩待峠までは、1時間強の登りである。
5時20分頃に鳩待峠に着いたが、まだ残っていた係の人が、「まだ登って来る人いましたか?」と我々に聞いてました。「まだ3、4パーティいましたよ」ということで、我々は普通にマイクロに乗れたのでした。
登って来る人がいる間は、待っていてくれるはず。尾瀬、偉い!!
でも、時間は守りましょう〜〜ね。

それでも、尾瀬ヶ原の竜宮十字路への下降路は飛ばした。
尾瀬ヶ原に降りるまで全面的に雪道だったのはラッキーだった。
夏の登山道は雪が被ってしまっているので、赤いリボンを頼りに走り下る。
時々リボンを見失うも、時々雪に滑り尻餅をつくも、コースタイムより大分早く尾瀬ヶ原に降り立つ。
赤いリボンを頼りに下山
雪深き下山道
道を間違えてないことを確認
ちょうど降りたところに水芭蕉の群落があり、咲き始めではあるが見事である。
折しも、天気も恢復し、至仏山もその全貌を見せてくれる。
雪解け直後ではあるが。思わず「夏の思い出」口ずさんでしまう二人であった。

水芭蕉と至仏山 

そして、ほぼ同時に「この歌おかしくね?」
いちおう一番の歌詞は、
♪夏がくれば 思い出す はるかな尾瀬 遠い空
 霧のなかに うかびくる やさしい影 野の小径
 水芭蕉の花が 咲いている 夢見て咲いている水のほとり
 石楠花色に たそがれる はるかな尾瀬 遠い空♪

尾瀬には何度も来ているが、夏には水芭蕉はもう花は完全に終わってますね。
でかい水芭蕉の葉っぱがそこかしこに群生してまっせ。

H君と、旧暦じゃないのかとか、夏はニッコウキスゲだろ、雪解け1ヶ月しか水芭蕉咲かねえしとか言いながら、「夏の思い出」をケナしながらもニコニコである。
しかし、”あえて言おう。嘘であると”

2時半すぎに竜宮十字路で休憩。
この頃には天気はほぼ快晴。

尾瀬三山(燧ケ岳、至仏山、景鶴山)、アヤメ平の稜線も綺麗に見える。
ここからは、先を急ぎながらも、まだ早春の尾瀬ヶ原を堪能する。
もう、コースタイムも完全にクリアしているので、安心である。
心配性のH君も写真を撮りまくる余裕が出て来ている。
景鶴山は登山道がありません
燧も完全に晴れた
景鶴山から燧ケ岳 竜宮小屋も見える
そして、尾瀬ヶ原はこの時間になれば、ほぼ無人である。
遠くに時折人影がちらほら見える程度である。
至仏山から景鶴山方面
尾瀬は完全に我にあり。

あのドラクエツアー隊は、もう鳩待峠への登り道を急いでいる頃であろう。
記念に、二人で「ドラクエの歌」を歌いながら木道を進むのであった。
リュウキンカも最盛期
人影のない尾瀬を往く
尾瀬ヶ原の中核部を歩く。
たまに行き交うハイカーは、本日は小屋泊まりであろう。
みなさん、のんびりと尾瀬を楽しんで歩いている。
木道の下には水芭蕉
あの稜線が今日歩いて来たアヤメ平かな〜
至仏山も晴れてきましたよ
1組だけドラクエツアーに会いました
至仏山も近くなってきた
燧ケ岳はこれで見納め
山の鼻に到着。
尾瀬ヶ原とはお別れである。
夕刻になり、至仏山も晴れてきました。今日の見納め
お〜〜い、バスはまだいるか〜〜〜
鳩待峠に到着した

そして、鳩待峠では当然ながら、なんの問題もなくバスに乗れ、戸倉駐車場へ向かったのである。

今日の総括;
 総行程約20kmのトレーニングを問題なくこなせたのは◯
 ドラクエ歩きに巻き込まれなかったのは◯
 尾瀬にコース変更したのは◯
 登山道はほとんど雪であったは◯
 バスに間に合ったのは◯
 天気も良かったので◯

と、◯ちゃんだらけの満足のいく尾瀬逍遥でありました。

<山行記録>
日程:2017年5月28日(日) 日帰り
同行者:Hさん
天候:晴れか曇りか

当初計画:戸倉第2駐車場(9:00)-発(9:20)-(シャトルバス)-鳩待峠(9:50)-発(10:00)-横田代(11:20)-発(11:30)-アヤメ平(12:10)-発(12:20)-富士見田代(12:40)-(昼食)-発(13:15)-竜宮十字路(14:55)-発(15:05)-牛首(15:45)-山の鼻(16:30)-発(16:40)-鳩待峠(18:00)
山と高原地図のコースタイム通りでは、鳩待峠最終バス(17:10)に間に合わない。

コースレコード:戸倉第2駐車場(9:00)-発(9:20)-(シャトルバス)-鳩待峠(9:50)-発(10:00)-横田代(11:15)-発(11:25)-アヤメ平(12:05)-発(12:20)-富士見田代(12:35)-(昼食)-発(13:17)-竜宮十字路(14:30)-竜宮小屋(14:35)-竜宮十字路(14:37)-発(14:45)-牛首(15:15)-山の鼻(15:43)-発(15:50)-鳩待峠(16:44)-発(16:50)-(シャトルバス)-戸倉第2駐車場(17:19)

実歩行時間:5時間37分
ショウジョウバカマ
水芭蕉
リュウキンカ
風が無ければ「逆さ燧」の撮影ポイント
(参考)木道の刻印




頑張れ、東京電力!!