2017.8.7 【吾妻連峰 西吾妻山山行 ゴンドラ&リフトで攻める】リベンジ成るも同じ山なのか?

西吾妻山の稜線を行く
いきなり閑話休題。
昨日、磐梯山を登った我々は、H君が予約してくれた「白布温泉 西屋」に宿泊。
今から考えても、二日前にこの宿が取れたのは不思議なくらいラッキーであった。
上杉米沢藩主の常宿として創業を江戸時代まで遡れる由緒ある温泉旅館である。

詳しくは「白布温泉 西屋公式サイト」をご覧ください。
楽天トラベルで4.8点という高得点のお宿でした。
西屋のロビー


建物も客室も純和式で趣きのある温泉旅館である。
料理も手の込んだもので美味しく頂いた。
温泉も秘湯と呼ぶにふさわしいものであった。

米沢牛だぞ〜
しか〜〜し、一つだけ苦言を呈しておきたい。
部屋にもどこにもエアコンがないのである。
灼熱の磐梯山から戻り、源泉掛け流し60度の温泉を水で冷やしながら必死に入って、部屋に戻るともう汗みずくである。
年代物の扇風機が1台むなしく暑い空気をかき回しているだけである。
山も暑けりゃ、温泉も熱く、部屋も暑いのであった。
ちゃんと、ヒーターはあったので、普段であれば、冷房などいらないのであろうな。。。と好意的に解釈するが、暑いのはおさまらないのである。

西屋の玄関 渋い

評判高い朝食
8月7日午前8時。
絶品の朝食をいただき、天元台高原ロープウェイの湯元駅に向かう。
我々の「山の朝は早」くないのである。
なぜって、旅館の朝食が7時半だし、ロープウェイの始発が8時20分だからである。
ロープウェイ湯元駅
しかも、ぐずぐずしていたので、8時20分の始発を逃し、次発の8時40分のロープウェイに颯爽と乗り込む。
始発は満員だったのでこれでいいのである。ゆっくり景色が眺められるのである。

さて、今日登る西吾妻山は、Wikipediaによれば、
「山形県米沢市と福島県耶麻郡北塩原村の境界に位置する火山。磐梯朝日国立公園に属する。東西に主軸をもつ吾妻連峰を構成する山の一つで、標高は、連峰最高の2,035m。連峰の西側の主稜に位置し、稜線の北北東に中大巓(1,963.6m)、西南西に西大巓(1,981.8m)が続く。
山頂に三角点は無く、樹林に囲まれ、眺望はきかない。」←(ここ大事)
写真はすべてクリックで拡大します
あまり、一般的には知られていない山であるが、2,000mを超える山であり、日本百名山にも列せられている名山である。

そして、2年半前の2月に私が負傷し、完全敗退した山でもある。
その時はグランデコスキー場から頂上を目指したのであるが、今回は反対側の天元台スキー場からリベンジを期すのである。
どっちにしろ、スキー場から登るのである。
一応、その時の状況は、「2015.2 .21 【吾妻連峰 西吾妻山山行】 快晴、絶景、なれど完全敗退。」に記載しております。

快晴の中、ロープウェイは5分で天元台高原に到着。
レストランでお弁当を受け取る。
天元台高原のアルプ天元台
閑散としたリフト乗り場
通常はロープウェイ&リフト料金は、往復で3,500円なのであるが、宿が手配してくれた、「お弁当付き往復券」は、3,000円と超お得なのである。
このあと、リフトを3本も乗り継ぎ、標高1,820mの北望台駅まで行くのである。
全長2,500mの日本最長の夏山リフトである。
しらかばリフト 
しゃくなげリフト
あの雲の中に西吾妻山はあるようだ
しかし、麓は快晴であった天気が、リフトで昇るにつれてだんだんと雲が厚くなって行くような気がする。
我々が目指す西吾妻山は、もしかしたら、すっぽりと雲に包まれているあたりのような気がする。
まあ、昨日より涼しいのは、嬉しいのであるが。

湯元駅を出て50分。
旧式のリフト(50年ものの遅〜いリフト)はようやく北望台に到着。
そこはすでに雲の中であった。
先行の登山者は、ほぼ全員雨具を着用している。
つがもりリフト いよいよ雲の中に突っ込む
北望台リフト駅 すっかり雲の中
私とH君は、雨具などという暑くて縁起の悪いものには目をくれず、無論、夏山標準装備のTシャツで突撃である。
ここから登山開始だ
最初は樹林帯を登るが、ほどなく稜線に出る。
ここからはギリギリ森林限界付近の稜線を征く。
稜線は東北特有の高層湿原となっており、木道も完備され、快適な山行となる。
高山植物も多く、なかなか楽しい山旅となった。
ワタスゲ
イワイチョウ 
イワオトギリ
みんな大好きチングルマ





ナンブタカネアザミ



とくにワタスゲ(ほぼ終わり)とチングルマ(花は終わりすでに綿毛)の群生は圧巻である。
最盛期には、1ヶ月ほど遅いか?
もっとも、H君はチングルマについては綿毛のほうが好きだそうだ。
他にもいろいろな高山植物が残っており、まずまずの満足度であった。
ガスの高層湿原を行く

アキノキリンソウ
カラマツソウ
ウメバチソウ
幸い、雲は厚く垂れ込めているものの雨は降らず、梵天岩、天狗岩などのポイントを快適に通過し、西吾妻山山頂には11時20分に無事到着。
リベンジを見事に果たしたのである。
西吾妻山山頂標識
先行するH君が大声を上げる。「なんじゃ、こりゃあ!」あんたは松田優作か?
急いで私も頂上に。たしかに、なんじゃ、こりゃあ!である。
樹林帯の中に縦横20mほどの広場があり、はじっこに「西吾妻山 2035m」の山頂標識が突っ立っている。
樹木で覆われ、周囲は全く見えない。

前回登頂を果たしているH君の話では、「360度の絶景、磐梯、蔵王、飯豊、朝日、それに月山、鳥海山まで見えたよ〜〜」
次の2枚はその時に撮影した、西吾妻山山頂からの眺望である。


ショックから、立ち直ったH君曰く、「そう言えば、この標識。頭しか見えていなかったなあ」だと。
「まあ、展望があるにしろ、ないにしろ、いずれにしろ、今日は何にも見えないわ。どっちでも同じことだい」と声には出さなかったが、そういうことです。
とりあえずリベンジ成る!
何にも面白くないので、もちろん、ここで昼食は取らず、登りとは別のルートで、即刻下山開始。

途中、吾妻山神社にお参りをして、先を急ぐ。
風雪に耐える吾妻神社

風が強くなったので、吹きさらしの天狗岩付近での昼食は回避し、梵天岩近くの登山道から、ちょっと外れた岩場に風の当たらない絶好の休憩場所を見つけ、そこでランチ。
セットのお弁当はまずまずの出来で満足でした。
たぶんこれが天狗岩 
今日のランチ
今日初めて池塘が見えた

少し晴れて来た
ここでトラブル発生。
我々の休憩場所は、登山道をちょっと外れているのですが、次々と下山者が来てしまうのです。
その度に「下山道は右のほうです〜〜〜」と怒鳴っておったのですが、ジジババカップル登山者がヨボヨボと現れ、こちらに来ようとするので、「下山道は右のほうです〜〜〜」と教えるが、いつまで待っても右の方に出てこないのです。
心優しいH君は、わざわざ岩場をダッシュで登り、まるっきり反対の左の方向に行ってしまっていたジジババカップルを引き戻したのでした。
しかし、地図も磁石も持ってないんだろうか?
自分達で、方角はおろか、右も左すら分からない人も登山者なのです。
まあ、たいしたことにならずに済んで良かった。良かった。
救援隊が叫んでいる
その後は、来た道を戻るだけでしたが、お花畑では来る時は蕾だったミヤマリンドウの花が咲き誇っており、なんか得した気分になったのでした。



その後は人形岩を経由して、北望台に向かう。
人形岩に立つH君


午後2時過ぎ、無事に北望台に到着。
あとはリフト任せの楽チン下山となりました。
下山したらやっぱり晴れてた
ロープウェイ天元台高原駅
うっすらと飯豊連峰が見える

今日の総括;リフトが使える西吾妻山は冬に限る!

<山行記録>
日程:2017年8月7日(月) 日帰り
同行者:Hさん
天候:曇り(麓は晴れ)

当初計画:湯元駅(8:20)-(天元台ロープウェイ&リフト)-北望台(9:00)-発(9:15)-中大巓分岐(9:40)-発(9:45)-天狗岩(10:35)-発(10:45)-西吾妻山(11:00)-(昼食)-発(12:00)-西吾妻小屋(12:10)-吾妻神社(12:25)-中大巓分岐(13:10)-発(13:20)-北望台(13:40)-発(13:50)-(天元台ロープウェイ&リフト)-湯元駅(14:30)

コースレコード:湯元駅(8:40)-(天元台ロープウェイ&リフト)-北望台(9:28)-発(9:37)-かもしか展望台(9:56)-中大巓分岐(10:05)-発(10:08)-梵天岩(11:00)-天狗岩(11:06)-西吾妻山(11:20)-発(11:27)-西吾妻小屋(11:39)-吾妻神社(11:47)-発(11:51)-梵天岩(12:01)-(昼食)-発(12:45)-中大巓分岐(13:18)-人形岩(13:28)-発(13:37)-北望台(14:05)-発(14:10)-(天元台ロープウェイ&リフト)-湯元駅(14:50)

実歩行時間:3時間21分
尾瀬というより田代帝釈っぽい風景