2020.11.22 【伊吹山 Go to 百名山】まあ、お約束の雲の中

快晴の伊吹山(日本百名山)
2020年は世界中にコロナウィルスが蔓延し、山デイも自粛を余儀なくされた1年となった。
そんな中、コロナ第2波と第3波の間の間隙を突いた「Go to travel」の期間中に愛知県方面へ遠征。
愛知県に行くということで、日本武尊の故事が残る日本百名山、伊吹山を行程に加えた。
富士山は雲の中(新幹線の車窓から)
3月以来のH君と岐阜羽島駅で待ち合わせ。
H君は、何と、このコロナの春、渥美半島に疎開転勤してしまったのである。
伊吹山に登ったあとは渥美半島から浜松方面の友人宅まで足をのばす旅程。
今回は、中部地方に単身でStay homeしている友人宅を訪問する巡礼の旅となる。

さて、伊吹山である。
伊吹山は、滋賀県と岐阜県にまたがる伊吹山地の主峰で標高1,377 m。日本百名山のひとつ。
伊吹山の神は「伊吹大明神」とも呼ばれ、
「古事記」にはヤマトタケルがこの伊吹大明神と戦って敗れるという物語がある由緒ある山である。
また、頂上直下まで車道が入っており、楽ちん登山が楽しめるとのこと。

写真はすべてクリックで拡大します。
昨日まで快晴が続いていており、登山日和と思っていたが、新幹線で西に向かうほど天気は下り坂で岐阜羽島駅に着いた頃は結構な曇り空となっていた。
はじめて降りた岐阜羽島駅
H君と落ち合い、名神高速を経由し、伊吹山に向かう。
伊吹山ドライブウェイを登るにつれ、ますます雲が多くなり視界も効かなくなってくる。

「ここは雲上の別世界、360°の大パノラマ。全長17キロメートル、自然を感じる山岳ドライブ」だそうである。
実際は、「ここは霧中の別世界、3,140円の大料金。視界は17メートル、何も見えない残念ドライブ」
だったのである。
ドライブウェイの展望台にて
琵琶湖が見えるような気がする
ともあれ、伊吹山スカイテラスの大駐車場に到着。
駐車場所を霧の中で探す、結構多くの車が駐車しており人気の高さを伺わせる。
駐車場は無料だと。あったりまえだろ、3,140円払わなければ辿り着かないんだから。
と少々キレ気味。
料金所のおっさんが「霧で何も見えませんけど、本当に行きますか?」と念を押してきたことを思い出し、諦めることとした。
せっかくここまで来たのだからと意を決して出発することに。
いくつか登山道はあるが、今日は迷わず最短の伊吹山中央登山道コースを選択。
登山口には、熊避け用だろうか、金網ゲートがあり、H君がひっかかっていた。
全行程こんな感じ
頂上にある日本武尊像 ありがたや
山頂にて(実は違うかも)
全く視界はなく何も見えない中、H君の先導で迷うことはなく山道を進む。
所要時間25分、ほぼコースタイム通りに日本武尊像に到着。
景色も全く見えないが、日本武尊に挨拶だけして、早めの昼食とする。
人気の山なので山頂付近も人が多く、「密」にならない場所を確保。
今回はH君が、おいしいパンを用意してくれた。ありがと〜〜
だけど、またもやH君愛用のSOTOのガソリンコンロは火を吹くのである。
大きな声では言えないが、「もう買い換えた方が良いと思われ・・・」

帰路は、下り専用の東登山道コースを降りることにする。
霧の稜線を進むとなんとまたまた山頂が現れた。
一等三角点と書いてあるので、本当のピークはこっちなのだろう。
危うく、伊吹山未踏となるところであった。
まあ、どっちでもいいのだが。
今日のランチ(この後ストーブは火を吹く)
山頂付近の稜線
伊吹山山頂にて(一等三角点)
下り始めると少し晴れてきた
例によって、下り始めると天気は回復してきた。
まあ、この仕打ちには二人とも慣れているので、たいしてめげないのである。
ここが有名な伊吹山のお花畑であろう下山路を快調に降る。
無論、花などミジンもない。
途中の展望地では、これまで全く見えなかった琵琶湖も見えた。
駐車場まで降りると、さっきの霧は晴れ、大勢の観光客が出ていた。
下山路
ついに琵琶湖が見えた
霧も晴れた駐車場
マスクをつけて伊吹山スカイテラスを一回りするが、遠望は望めない。
快晴なら、白山、北アルプスまで見えることもあるらしいが、ほんとかな?
スカイテラスからの展望1
展望2(まあ、どこだか分かりませんが)
晴れれば、白山、北アも見えるってよ
今日はこの後の予定もあるので、伊吹山とはおさらば。
また、ドライブウェイを降りるが、途中の展望スポットから伊吹山を見上げるとなんと晴れているではないか。
もう今更、登り返す気はさらさらないが。
ドライブウェイを快調に降る
伊吹山 いい山だな〜
下山後は、関ヶ原、豊川稲荷、エールの浜(伊古部海岸)、伊良湖岬、豊川稲荷などを観光することになるが、どこも快晴であった。

今回はH君の転居先視察がメインの目的であった、コロナが落ち着いたら、少しゆっくりと中部地方の山も登って行く計画である。

<山行記録>
日程:2020年11月22日(日) 日帰り
同行者:Hさん
天候:曇り&濃霧

当初計画;伊吹山スカイテラス駐車場(10:45)-<中央登山道>-伊吹山(11:05)-(昼食)-発(12:00)-<東登山道>-伊吹山スカイテラス駐車場(13:00)

コースレコード;伊吹山スカイテラス駐車場(10:45)-<中央登山道>-伊吹山(11:10)-(昼食)-発(12:00)-<東登山道>-伊吹山スカイテラス駐車場(12:30)

実歩行時間:55分 (コースタイム:1時間20分)

以下、その後の訪問地
関ヶ原(石田三成陣跡)
豊川稲荷
豊川稲荷のお狐様
エールの浜(伊古部海岸)
名古屋式モーニング
伊良湖岬

2020.10.26 【瑞牆山 Go to 紅葉の黒森ルート】絶景!紅葉!でも道に迷っちゃう。

瑞牆山山頂より八ヶ岳方面を望む
第2波が日本を襲う中、Go to キャンペーンが始まり、アウトドアなら密にならないとかで、有象無象がアウトドアに殺到する恐ろしい季節となった。
我々も有象無象なので、いよいよ、ちゃんとした山に向かうことにしよう。

今回のターゲットは奥秩父の西端にある瑞牆山。
瑞牆山(みずがきやま)は、山梨県北杜市にある標高2,230mの山で、奥秩父の山域の主脈の一つ。「瑞牆」とは神社の周囲の垣根のこと。日本百名山のひとつである。
写真はすべてクリックで拡大します
前回、瑞牆山に来た時は、富士見平からの通常ルートを登ったので、今回は変化球で黒森ルートを選択。
みずがき山自然公園を出発し、不動滝、瑞牆山頂を経て富士見平に下り、みずがき山自然公園に戻るという、周回コースである。


同行者は歩荷志願兵のSM君である。今回が3回目の同行となる。
初回は豪雨にやられ、2回目は通行止めにやられた。「三度目の正直」となるか。
今回のルートは、地図上悪路となっているが、下調べをちゃんとしたので通行可能であることはわかっている。備えあれば憂いなしなのである。

今回は天気も良く、少々ロングコースとなるが、なんとかなるであろう。
いろいろあって、トレーニング不足は否めないが、紅葉の瑞牆山が俺を呼んでいる。

都内を抜け、中央道からみずがき山自然公園へ。
9時前に駐車場に着くが、平日であるというのに、駐車場には多くの車が。
「こりゃ、予想に反して黒森ルートは混んでるのか〜」と訝しむが、そのほとんどが自然公園でキャンプなどを楽しむ人の車であったことは、ほどなく判明する。
天気は快晴。紅葉も始まっており、快適な秋の山行となるのは間違いない。
駐車場より見る瑞牆山
みずがき山自然公園駐車場
登山道入り口
午前9時。駐車場を出発、登山口へ向かう林道を進む。
登山口がわかりにくく、途中、迷うところもあったが、無事に登山口に。
ここから山道となる。
悪路となっていたが、登り初めは、道は十分踏まれており、懸念はない。
樹林帯の中を快調に登っていく。
「熊に注意!」のタテカンがあり、SM君はびびっていたが、こんなところでは熊さんには会わないのである。
樹林帯の中で、怖がるSM君に熊除けの奥の手、「森の熊さん」斉唱を教えてあげることにする。
紅葉の登山道を快調に登る
沢沿いのルートは気持ちが良い
丸太の橋を渡るSM君
沢沿いのコースで、何箇所か渡渉地点があるが、橋が落ちていたり、丸木を渡ったりとなかなか面白いルートである。
富士見平からルートは頂上直前まで、樹林帯の中を登るコースであったが、黒森コースは変化に富んだ良いルートである。
もっとも、こちらのルートも、展望はほとんどなく、樹林帯であることは同様ではあるが。
この辺りの森林限界は2,300m程度なのであろう。

10時過ぎに不動滝に到着。予定通りである。
結構大きな滝で、側面の岩盤には、今ではほとんど使わないボルトの穴が数多く見える。
夏場は沢を詰める人も多いのであろう。
滝を見ながら休憩し、さらに歩を進める。
不動滝に到着
夏には登攀者もいるようだ。
さて、いよいよ山頂への登りとなる。
が、ここでなんとルートをロストする。
不動滝を出て、本来は沢の右側を詰めるところであるが、我々は沢の左にいる。
どうやら、ロッククライミングの取り付き用ルートに迷い込んだらしい。
トップのSM君に「踏み跡はあるか〜〜」と聞くと「あります〜〜」と答えるので、「行け行け、突っ込め〜」と檄を飛ばす。
結果、崖に到着して道は無くなった。
ここで初めてGPSで位置を確認。遅過ぎである。
「ルートは沢の右側であるぞ。戻ることにいたそう」
間違った道を行くSM君
ルートロスト時のGPS
とぼとぼと引き返す
都合30分ほどのロスであったが、無事に登山道に戻る。
「ま、こんなことはよくあることよ。」と年長者の余裕を見せる私。
しかし、これはまだ、ほんの予告編であることをこの時は、二人とも知らないのであった。

その後は順調に道に迷うこともなく、次々と姿を現す奇岩、大岩を楽しみながら、頂上直下まで。
しかしここまで、ほとんど人に会っていない。
下山車数人とすれ違っただけである。
やはり黒森ルートを選んで正解。
三密を避けた、静かな山行となったのである。
大岩の横を通り過ぎる
前回は積雪があり、頂上への最後の登りは岩場となっており、難儀した記憶があるので、ひとまず直下の稜線で休憩。
やはりトレーニング不足もあり、かなりへばっていたので休憩はありがたい。
頂上付近の大岩が見える
もう山はツララの季節です
この坂を登り切れば山頂だ
今回は難なく、12時45分に頂上に到着。
予定時間より30分ほど遅れての到着となった。
瑞牆山山頂に到着
SM君の勇姿を見よ
山頂は多くの登山者で賑わっていた。
ほとんどは富士見平からの登山客である。
いまだ天気は快晴。展望はバッチリである。
金峰、南ア、八ツ、浅間、富士山と見えるところは全部見えている。
久々の絶景である。
八ヶ岳 雲が少し湧いている
快晴の南アルプス
富士山も快晴だ
まだ雪は少ない
金峰山 五丈岩が見える
もう一度八ヶ岳
隣に聳える大ヤスリ岩にはクライマーが取り付いている。
しばらく眺めているが、まあこれは、永久に無理です。


さて、我々も山頂の大岩に取り付き昼飯としよう。
本日のランチ 味噌汁付き
少し雲が出てきた
そろそろ降りる時刻だ
例によって、小1時間昼飯休憩。
クライマーを横目で見ながら、下山することとする。
すでに13時40分。
下山開始
クライマーを見上げる
さよなら瑞牆山
富士見平に向かって降りて行く
もうだいぶ日も短くなっており、17時を過ぎると日没で暗くなってしまうが、残りのコースタイムは3時間。
下りなので、十分間に合うであろう。
最後はずっと林道なので大丈夫。と、この時は余裕のよっちゃん。

予定通り、富士見平に到着する。
やはりこちらのルートは、人が多い。
富士見平のテン場も、かなりのテントが見える。
少し休憩して、自然公園へ降りるルートへ。
瑞牆山荘へ降りるルートと別れ、林道へと入る。
瑞牆山荘に向かう人がほとんどで、我々のコースはほぼ無人である。良きかな。
このまま林道を行けば駐車場だ。快適な林道をグングン降りていく。
紅葉も見事で、まだ日は高い。
富士見平下の分岐 ここまでは合っていた!
快適な林道をずんずん降る
全山紅葉の一歩手前か
まだロストに気づいていないSM炭治郎

途中、右方向に「瑞牆山荘へ」という道標があり、「あれ?」
左方向なら分かるが、なぜ右方向なの?と思ったが、かまわず進む。
日がだいぶ傾いてきて、西日が右側から当たる。
おかしいぞ。我々の目指す方向は、ほぼ真西。
なぜ、ずっと右手に太陽があるのだろう。
と、久しぶりにGPSで位置を確認。
「ガビーン!!なんじゃこりゃ!?」
完全に間違っている!!
これが道迷いの時のGPSログ
このまま降りる。瑞牆山草へ下る。戻る。
いろいろ検討したが、登り返して、元のルートに戻るのが得策であろう。
瑞牆山荘の看板を見たときに気づくべきだったが山カンが働かなくなっているのか、後の祭り。
もうすぐ到着と思っていたのに、まだ2時間以上は掛かる計算。
ヘロヘロと登り返すが、気力は萎え、空気が薄くなってきた気がする。
SM炭治郎!ここは狭霧山か!
鱗滝さん助けて〜〜!
日没コールド負けが迫る。

なんとか登り返し、今度は正しい道をひたすら下る。
もう写真を撮っている余裕はない。

17時を過ぎる頃、ようやく駐車場に到着。
まさに日没と同時の帰還となったのであった。
ようやく駐車場に到着
車に戻ると同時に日没であった
しかし、今回は2回(ちょっと間違いも入れると3回)も、ルートをロストしてしまった。
理由は明白である。ここ数年、私は、ほとんどルートファインディングをしていないのである。いつもパーティトップは、永年の相棒であるH君に任せ、私は後ろから「森の熊さん」を歌いながら付いて行くだけ。
ちゃんと、マップと方位磁石とGPSを持参しているにもかかわらず、お気楽な山行を繰り返していたのである。
今後はちゃんと自分でルート確認しなくちゃ。と反省。

まあ、瑞牆山は登れたし、天気も1日快晴であったし、日没前に駐車場に戻れたわけで、迷った結果として紅葉も存分に楽しめたので、満足な山行であったのは間違いない。
無事に帰れたので、これで良しとしよう。

車を走らせ、須玉IC近くの「蘇州」で、ラーメン、チャーハン、餃子を美味しくいただき、帰路に着いたのであった。
蘇州の味噌ラーメン 美味なり
それにしても、歩荷志願兵のSM君とは、よほど相性が悪いのか、「三度目の正直」とはならず「二度あることは三度ある」となってしまった。
「仏の顔も三度まで」とならないように、次の山行の約束をとりあえずは、したのであった。

<山行記録>
日程:2020年10月26日(月) 日帰り
同行者:SMさん
天候:快晴

当初計画;みずがき山自然公園駐車場(9:00)-林道終点登山口(9:30)-不動滝(10:20)-発(10:30)-鋸岩(12:10)-発(13:00)-富士見平(14:30)-発(14:40)-<みずがき林道>-みずがき山自然公園駐車場(16:20)

コースレコード;みずがき山自然公園駐車場(9:00)-林道終点登山口(9:30)-不動滝(10:15)-発(10:25)-Lost(30min)-休憩(11:40)-発(11:50)-稜線(12:30)-発(12:40)-鋸岩(瑞牆山頂)(12:45)-(昼食)-発(13:40)-富士見平(15:10)-発(14:40)-<みずがき林道>-Lost(55min)-みずがき山自然公園駐車場(17:05)

実歩行時間:7時間10分 Lost(1:25) (コースタイム:6時間10分)
瑞牆山山頂からのパノラマ