2011.11.12~13 【CUCT-OB会 11月キャンプ 長瀞】


キャンプサイトの夜は更けて
年に一度のOBキャンプも5回目を迎えました。
これまで富士山麓や房総南部、奥多摩でキャンプを行ってきました。
私は去年の奥多摩キャンプには参加できなかったのですが、今年はフル参加が出来ました。
最近はハイキングもプログラムに加わり、充実のOBキャンプとなってきました。

今回は、快晴の長瀞をベースに紅葉の秩父山地を散策、またこの時期にびっくりの満開の桜のお花見まで堪能できました。

S隊長およびO幹事の準備に感謝します。
丸山からの眺望
秩父は紅葉の真っ最中
以下はS隊長からの報告書より

参加者:8名

11/12(土)晴のち曇
10:0010:29 丸広百貨店東飯能店に集合、昼食買出し
11:2011:28 刈場坂峠、休憩
11:3511:40 県民の森駐車場
11:5712:41 丸山(昼食)
12:5412:57 県民の森駐車場
13:0813:12 日向山登山口駐車場
13:2313:29 日向山
13:3913:49 日向山登山口駐車場
14:1515:05 ウニクスヤオコー、買出し
15:32       ウォーターパーク長瀞キャンプ場着
長瀞に陽が暮れていく
キャンプとは言いながら立派なバンガロー
11/13(日)晴
10:26     ウォーターパーク長瀞キャンプ場発
11:2911:47 秩父華厳の滝
12:3212:35 桜山公園駐車場
12:5913:12 桜山
13:4513:47 桜山公園駐車場
14:0615:00 道の駅上州おにし、天神茶屋(昼食)
15:39     寄居駅着
桜山の冬桜
花は小振りですが綺麗に咲いています
紅葉と桜 不思議な光景です
秋の空高く 絶好の山日和
今回の教訓;槍ヶ岳も桜山も、山は山。

2011.10.16【阿蘇山 火口周辺散策】 ススキが綺麗だった。

阿蘇山。日本百名山である。
今回は諸事情により、本格的登山は不可能。偵察行ということで、中央火口の辺りを散策した。
本来ならば高岳、中岳、根石岳あたりを廻って来たいというのが本音。

前日は、大分から入ったのですが、途中で由布岳、九重山付近を走行するも、雨と霧でほとんど山容は見えずじまい。
本日の阿蘇山に期待していました。
写真は全てクリックで拡大します
本日天気は晴れ。
絶好の行楽日和ということで、多くの人が繰り出している。
爽快な草原を車で駆け抜け、阿蘇山火口まで車で一気に上がる。


火口付近を1時間ほど散策。絶景を楽しむ。
火口の上の稜線には登山者の姿が少ないながら垣間見えた。
外輪山の兜岩展望台付近からの阿蘇山
秋の観光シーズンということでかなり訪れる人は多いが、登山客の姿はそれほど多くなく、ひとたび山道に入れば、静かな山行が楽しめそうな山域である。
この阿蘇山と九重山は、いつの日かミヤマキリシマが咲く頃か、ススキの頃に、登りたいものである。
草千里ヶ浜付近
今回は、山行報告とするには、ちょっと後ろめたいため「散策報告」となりますが、阿蘇外輪山からの展望、草千里、中央火口、米塚等の景色。
そして、ススキの原の写真を中心とした散策&ドライブは爽快でありました。
阿蘇山第3火口
中岳の頂上には登山客が見える
ミルキッシュグリーンの第3火口
中岳の稜線

日程:2011年10月16日 (日) 日帰り

天候:晴れ

当初計画:阿蘇山火口付近散策

コースレコード:阿蘇山火口付近散策11:05~12:10

実歩行時間:約1時間

第3火口と中岳を遠望
草千里の向こうに見える烏帽子岳と杵島岳
今は登山禁止の米塚
ススキの向こうに見える阿蘇山中心部
秋風に揺れるススキの大草原

2011.10.9 【苗場山 山行】 燃える草紅葉を狙って・・・

はっきり言って、苗場山を舐めていた。
もちろん、プリンスの経営するスキー場とは何の関係のないことは知っていた。
が、山頂の印象はあくまで高層湿原。草原の山と考えていた。
今回選定した祓川ルートは、かぐらスキー場のリフトが六合目付近まで通っているということもあり計画したコースタイムは少々長いが、標高差は和田小屋から800m弱。
日帰りでゆっくり行けるコースと想定した。

登山道でも紅葉も楽しめる上に、頂上の高層湿原は草紅葉で真っ赤ということで選択した苗場山。
山小屋に泊まることも考えたが、紅葉シーズン最盛期ということで頂上の小屋も満員とのこと。
まさか涸沢でもないのに1畳に2人はないんじゃないの?
ということで、50台近くとめられる駐車場が満車になる前に到着しようと4時過ぎ出発の日帰りとした。
写真は全てクリックで拡大します
今回の山行はH君と二人旅。
関越自動車道を湯沢ICで降り、途中で道に迷いながらも、ワインディングロードを駈けあがり、かぐら高原スキー場の駐車場に7時半過ぎに到着。
空いているところに駐車する。
すると、H君いわく「こんなに混んでるとは思わなかった」
私「え?まだまだ駐車スペースあるじゃん。思ったより空いてんじゃん。」
H君すかさず「ここ駐車場じゃないでしょ。だいぶ下の方の路上じゃないの?」
私「ふぎゃ~~!」
ということで、本当の駐車場は満車。そのすぐ上にあるスキーゲレンデにも多数駐車中。
我々は下の道路に路駐。総駐車台数は100台を超えている。大混雑満員御礼である。
かぐらスキー場駐車場は満車であります
午前8時。駐車場を元気に出発。天候もまずまず。
足取り軽くスキーゲレンデに沿った車道を進む。

30分ほどで和田小屋着。
「ずいぶん前だけど、スキー(無論ゲレンデスキー)で来たなあ。」と思いながらもこのあたりの風景の記憶は皆無。
和田小屋に到着
ゲレンデを歩く 滑りたい
ここから本格的な山道となる・・・かと思ったら、登山道の横にはゲレンデそしてリフトの軌道。
それらと一緒に六合目まで。途中で初心者迂回コースと思われるゲレンデを数回横切ったりする。
基本的には滑りやすい、ややガレ場の山道だが、要所には木道・階段が設置され、きちんと整備されている印象。
下の芝、中の芝、上の芝と順調に高度を稼ぎ、途中途中の燃えるような紅葉、平標や谷川岳方面の景色を楽しみながら、神楽ヶ峰2,030mになんなく到着。
紅葉の中の木道を行く
中の芝あたりの紅葉は最盛期
谷川連峰方面には雲がかかる
平標山と谷川岳
H君は今日はあまり体調が良くないと言っていたが、私はここまでは非常に快調。
これも朝レンの成果か?と一人喜んでいたが、それも神楽ヶ峰山頂までのこと。
神楽ヶ峰到着。ついに苗場山の全容が見えた
山頂への直登ルート。拡大すると登山者が見えます。
神楽ヶ峰を出発し、しばらくすると苗場山の全貌がドーンと現れる。
これから登っていく登山道が一望できる。
一度、鞍部に150mほど下降し、その後苗場山山頂まで300mほどの登りとなる。しかも、ほぼ直登。
多くの人が登っている。そして下っている。かなりのアルバイトが予想される。

直登ルートを間近に見ると、ちょっと滅入ってきたが、口では「楽勝!楽勝!」と言いながら、鞍部へと下って行く。
雷清水でのどを潤し、お花畑から、いよいよ直登に入る。
もう、山を下って来る人が多数。
すれ違いの「こんにちわ」大会開始。
山道は狭く、登り優先を知らないのか、そんなことはどうでもいいのか。
自分のペースで一気に頂上まで。とはなかなか行かない。
そこのけそこのけ団体さんが通る
それでも、なんとかほぼコースタイム通りに頂上湿原に抜け出る。
山頂にこんな広大な湿原が広がっているとは、ちょっと想像出来ないほどの雄大な景色である。
ただし、この一面の草紅葉はなぜ黄色いの?なぜ赤くないの?疑問が湧いてくる。
H君が友人から、聞いている話となんかちょっと違う。
ようやく頂上湿原に出た!
草紅葉(黄変)と地溏
紅葉ピークの時期を間違えたのか、1週間前の初冠雪で枯れてしまったのか。
全体に黄色っぽい草紅葉で覆われた湿原であった。
しかし、壮大な湿原。そしてそこにランダムに散りばめたような多くの池塘。
遠くに見える岩菅山や志賀高原。
志賀高原方面をのぞむ
ここまでの登りの疲労を忘れる光景が目の前に広がっている。
自分じゃ「そうじゃないよ。」と口では言いながら「隠れピークハンター」のH君。
「まずは頂上へ行きましょう」
真正ピークハンターの私は迷わず同意。

12時半苗場山山頂に到着。
この山頂は寂しい。
小屋の裏の森林の中の広場にポツンと「苗場山山頂 標高2145.3m」の標識が立っているだけである。
周囲の眺望は皆無である。
写真を撮って、すぐに湿原へ戻ることにする。
苗場山山頂はさびしい
山頂の小屋の周囲の湿原には縦横に木道が走り、立派な休憩場所が点在するが、そのどれも満員。ようやく二人が座れる場所を探して休憩。
自然体験交流センター(旧名:苗場山山頂ヒュッテ)前の休憩所で昼食とする。

昼食休憩中、関西から来たというノリのいい(元)山ガールとの会話が弾んだ。
尾瀬、至仏山、吹割の滝を楽しみ、苗場山にも足を伸ばして来たとのこと。
湿原の休憩所にて
そこに乗り込んできたのが、ガイド付き登山ツアー「紅葉三昧の苗場山 -ガイド付きでラクラク安心。雲上の草紅葉満喫!-」(仮称)の御一行様。総員約20名で周囲の山々の同定を開始する。
ツアー客はともかく、そのガイドのいい加減なこと。見た目もいい加減だが、言ってることもいい加減の極み。「写真付き苗場山山頂からの展望」のコピーを読み上げる読み上げる。
雲に隠れて見えない山もあたかもそこにあるかのごとし。
見えもしない至仏山を同定したのにはさすがにあきれた。
これでいいのかツアーガイド。
以前、本ブログでも取り上げた傍若無人の屋久島縄文杉エコツアーガイドといい、このいい加減ツアーガイドといい、登山人口増えすぎの弊害なんだろうか?
うちのS隊長のがよっぽど山を分かってるし、同定術にも長けてるぞ。

昼飯を食べ終わり、このまま下山するのも少し物足りない。
H君は友人から聞いた草紅葉の絶景があきらめられないようだ。
まあ、ここから見る限り、「一面枯れ草紅葉なんですけど~~」とは言わず、高層湿原での草紅葉探索開始。
頂上の湿原を散策する
湿原の端からノリ玉紅葉が見えた
羊草も今年はちゃんと赤くならないのか
小1時間湿原をうろつく。
やはり草紅葉はすべてが黄変しており、枯れ草状態であった。
黄色の湿原でも十分見ごたえはあるものの、去年同時期に白馬大池での紅葉を見ているだけにちょっと残念な結果。
途中ではきれいな紅葉が見られたので、やはり先週の降雪による影響が大きかったのであろう。

少々疲れたので、昼食をとった伊米神社分岐の休憩所まで戻る。
なんと、あれほど多かった登山者がほぼ全員消え失せている。
この広い山頂湿原にほとんど人影は見えない。
山頂ヒュッテ泊まりの人以外は、全隊が撤収した模様。
草紅葉満喫ツアー御一行様も、へなちょこガイドにくっついて、もう下山の途についたようだ。
休憩所に戻ると人影はもう無かった
我々もゆっくりと下山に入る。
そもそも今日は用意万端。
ロングコースを想定し、いざとなればヘッドランプで下山ということも視野に入れた計画。
焦る必要はない、来た道を戻るだけだ。

「行きはよいよい帰りは怖い」とは良く言ったもので、この下山は結構きつかった。
体力的には問題はなかったものの(エッヘン!)、下山道のすべり易さには閉口。
登りは感じなかったガレ場も歩きにくい。
意外に時間も掛ってしまう。
苗場山を振り返る
あたりがだんだん薄暗くなる中、途中で、これから頂上を目指して登る人、下山中に追い抜いた人の「この後」を心配する。
秋の日はつるべ落とし。
これから頂上を目指す人は直登ルートにぶつかる頃には陽が沈んでるであろうし、途中で抜いた人はかなりの距離を残し、暗くなるであろう。
彼らは大丈夫だったのだろうか?
まあ、心配してもしかたがないのだが。
彼らには彼らなりの計画があるのであろう。
夕日で簡易ブロッケンを作ってみたよ
我々と言えば、ようやく和田小屋の上のゲレンデに着いた頃には、もう薄暮。
和田小屋では、山麓を回り込んで先乗りしたのであろう観光バスに、先ほどのツアー客達が乗り込むところである。
登山道に夕暮れが迫る
和田小屋まで降りる クマさんと記念撮影
車道を通り駐車場へ急ぐ。その横を先ほどのバスが砂煙を上げ走り抜けて行った。
最後までもむかつく草紅葉満喫ツアー御一行様であった。

駐車場に着く頃には真っ暗。
時計を見ると午後6時になろうとしている。
木立の陰には月も上って来た。月明かりで歩を進める。

朝には数多くとまっていた車も数台を残すのみとなっている。
車のヘッドライトを頼りに、帰り支度を始める。
真っ暗な車道を降りる
ようやく駐車場下まで戻ってきた
「今度、ここに来るときには、スキーにしようね。」と、二人で話しながら、渋滞の待つ関越道に突っ込んでいった。

<山行記録>
日程:2011年10月9日(日) 日帰り

同行者:Hさん

天候:晴れ

当初計画:かぐらスキー場駐車場(8:40)-和田小屋(9:15)-下の芝(10:30)-顕彰碑(11:50)-神楽ヶ峰(12:20)-お花畑(12:50)-苗場山(13:45)-(昼食)-お花畑(15:05)-神楽ヶ峰(15:35)-顕彰碑(16:00)-下の芝(16:50)-和田小屋(17:45)-かぐらスキー場駐車場(18:10)

コースレコード:かぐらスキー場駐車場下の路上(7:42)-和田小屋(8:36)-六合目-(9:15)-下の芝(9:42)-中の芝(10:24)-上の芝(10:47)-顕彰碑(10:53)-神楽ヶ峰(11:07)-雷清水(11:29)-お花畑(11:39)-雲尾坂(12:01)-苗場山山頂(12:30)-伊米神社分岐横ベンチ(12:44)-(昼食)-湿原の端2068ピーク(13:35)-伊米神社分岐(13:50)-2060ピーク方面の湿原-伊米神社分岐(14:13)-お花畑(14:58)-雷清水(15:10)-神楽ヶ峰(15:27)-顕彰碑(15:45)-下の芝(16:30)-和田小屋(17:25)-かぐらスキー場駐車場下の路上(17:50)

実歩行時間:8時間27分

2011.9.17~18 【御嶽山山行】 (剣ヶ峰・魔利支天山・継子岳) 明日晴れるかな?

【お断り】
「この御嶽山山行は2011年に実施されています。もし、不適切な表現があればご容赦願います。2014年9月の御嶽山噴火でお亡くなりになった方々のご冥福を心よりお祈りいたします。」-2015年9月記


今回の山行は御嶽山。同行者はいつものS君とH君である。
御嶽山。どこからでも見える存在感のある山だ。
分類上北アルプスに含まれることもあるようだが、基本的には単独峰である。
役小角により開山したとされ、古くから信仰の対象として畏敬を集めてきた山である。
剣ヶ峰(3,067m)を主峰にして、摩利支天山 (2,959m) 、継子岳 (2,859m) などのピークから成り立っている。
クリックで拡大します。
今回は9月の3連休ということもあり、かなりの混雑が予想されるため、剣が峰近くの二ツ池新館を予約。すでに50名ほどの予約があるとのこと。

心配なのは天気である。
9月の第3週に入るも東京地方は連日猛暑が続く。しかし、週末の天気予報は芳しくない。
御嶽山の土曜日が雨のち曇り、日曜日は曇りの予報である。
この時期、晴れれば夏山だが、ひとたび荒れれば気温も10度以下に下がる。
持参するウェア選びも大変である。

・第1日目 9月17日 「明日晴れるかな?」 
17日未明に都内を出る頃には、なんとか持ちこたえていた天気も八王子ICを過ぎる頃には、雨に変わった。
台風15号が沖縄付近に停滞、16号が関東沖を通過中。秋雨前線南下中ということもあり、まあこんなもんだろうとは思いながらも結構欝な気分。

S君の天気に関する読みは「御嶽山方面は、土曜日は昼間は雨。夕方から曇りで、翌日はうまくいけば晴れか曇り。」
その通りになればいいんだけど、「後立山とかなら今日も降らないじゃないの?」という言葉を飲み込みつつ、ここはS隊長の長年のカンを信じよう。

中央道を伊那ICで降り、御嶽ロープウェイの麓駅「鹿の瀬駅」に向かう。
午前8時40分。鹿の瀬駅駐車場に到着。10台ほどの車が止まっているが、人影も少なく閑散としている。
雨天用装備を整え、乗客がまったくいないロープウェイに乗り込む。
10分ほどで標高2,150mの飯盛高原駅に到着。1,570mの麓の鹿の瀬駅から600mほど高度を稼いだことになる。

今日は、ここ黒澤口登山道をまずは剣が峰まで昇り詰め、二ツ池新館までの4時間ほどの行程である。

雨の中を七合目行場山荘(9月3日にテレビ東京で放送された「天空の宿へ~にっぽん山小屋物語~」で仮面ライダー藤岡弘が休んでいたところ)、八合目女人堂と昔ながらの古式ゆかしき山小屋を通り過ぎる。

昔はここで女性は足止め
ようやく樹林帯を抜け、吹きさらしの山道を急ぐ。
岩室山荘(「天空の宿へ」で藤岡弘が宿泊した山小屋)に到着したのは11時45分。
山工事の人たちが4人ほど休憩している他は登山客の姿はない。
岩室山荘内部 真ん中に登山道
ここで昼食とする。おにぎりと味噌汁を注文し、しばし休憩。
このあたりの小屋は古くからの参詣者用の作りで、北アルプスの小屋のような近代的な作りとはなっていないことを実感する。
結構いいお値段のオニギリセット
いよいよ最後のひと登り。
九合目覚明堂、剣ヶ峰頂上山荘を通り越し、剣が峰への最後の試練となる石段を登る。
御嶽神社頂上奥社本宮の社殿から少し離れたところに「御嶽山 3,067m」の標識。
午後1時に頂上到着である。
最後に階段はきつい~~
とりあえず記念写真を撮るも、風はさらに強まり、耐風姿勢での記念写真となった。
もちろん展望はなし。濃いガスが立ち込める登頂であった。
隊長はVサイン 私は耐風姿勢
社殿をちょっとだけお参りし、すぐに日本一高所にある湖沼とされる二ノ池方面へ転戦。
ガスも濃くなり道も見分けにくい中を歩き続けると、二ノ池らしきものが見えてくる。
この卒塔婆みたいなもんはなんだ~~~
二ノ池らしきものが見えた
そばにあるニノ池本館(すでにシーズンが終わり小屋は閉まっている)を通過し、今日の最終目的地である二ノ池新館への道を急ぐ。

ようやく新館の中に入ると先行者はたった2名。
今日の宿泊予定は30名程度とのこと、予約では50名以上あったので半分の登山者が取りやめた模様。
お陰で2階の10人部屋に3人で個室という連休にしてはとても満足できるスペースを確保できた。
ザックをぶちまけ、適当に布団を敷いてゴロゴロしながら5時半の夕飯を待つ。
小屋内部 乾かし物のオンパレード
このあたりの小屋は、水が比較的豊富な二ノ池から水を引いており、大体の小屋には風呂の設備がある。これも修行場としてのなごりだろうか?

我々はゴロゴロしている間に持参したつまみを出し、ビール、ワイン等を頂いてしまいほろ酔い、また今日は汗もかかなかったので、面倒くさいのでお風呂はパス。

夕方になって止むはずの雨は夜になっても止まず、午後8時の消灯を迎える頃には、小屋全体も静かになる。

私も「明日晴れるかな?」と思っているうちに寝てしまった。

・第2日目 9月18日 「これぞ至福の稜線トレック」
午前4時。
十分に睡眠をとったので、自然に目が覚める。
窓の外は真っ暗。しかも雨音が聞こえる。
H君も同じような時間に起き、「天気は~?」と聞くので不機嫌な声で「雨、雨。」と答える。
ふてくされて二度寝。

5時に起きて、確認のため窓を開け、外を覗く。
東の空が赤くなっている。こりゃあもしかしたら晴れてきたか。

3人で急いで表へ出る。明るくなるに従い、ガスがどんどん取れて行く!
眼前に広がる雲海、遠くに浮かぶ山々。
北アルプス、八ヶ岳、中央アルプス、南アルプスが雲海の上に浮かんでいる。
小屋に泊まっていた人々ほぼ全員が見守る中、八ヶ岳の編笠山のあたりから太陽が顔を出す。
S隊長の予想が当たりました!脱帽です。
新しい朝が来た 
雲海に浮かぶ山々
御来光を拝む登山客
 朝飯を食べ、午前6時30分に小屋を出る。昨日と違って気分は爽快。 しかも、我々は既に稜線上にいる。今日はきつい登りはない。
雲上の快適な縦走が始まる。
今日は一日天気は良さそうだ

サイノ河原を行く 稜線の向こうには北アが見える

多くのケルンが積み上げられた賽の河原の独特の風景(S隊長は昔、ここでガスに巻かれ難渋したとのこと)を楽しみ、魔利支天乗越に到着。
ザックを置いて、カメラだけ持って魔利支天へと道をとる。
7時過ぎに魔利支天山頂上に到着。
雲海の向こうに富士山も見える
頂上で休憩。風は強いが、雲海に浮かぶ山々に見とれる。

突然、H君が「ブロッケンだ!!」と歓声を上げる。
ブロッケン現象は、学術的には「太陽などの光が背後からさしこみ、影の側にある雲粒や霧粒によって光が散乱され、見る人の影の周りに、虹と似た光の輪となって現れる大気光学現象。」ということであるが、数十年ぶりに見たブロッケンをしばし堪能。
ブロッケンまで登場
魔利支天乗越まで戻り、五ノ池方面へと降り始めてほどなく、今度は2羽にライチョウに出会う。
まだ夏毛ではあるが、今年生まれた幼鳥らしく「ピヨピヨピヨピヨ」と鳴いている。
しかし、3,000m近い岩場にしか生息しない、アルプスのシンボルともいえるライチョウに今回も出会えたのはラッキー。

ライチョウはアルプスのシンボルだ
さらに快調に稜線歩きを続け、継子岳頂上に到着したのは9時前。
ここの展望は凄い。
乗鞍岳の特徴ある山容の向こうに見えるは前穂高と奥穂高。
吊尾根もはっきり見える。槍ヶ岳もその特徴ある穂先を見せている。

継子岳頂上に到着
乗鞍岳の向こうに槍穂高
今日は、日本中の山が晴天なのだろうな。

十分に景色を楽しみ、継子二峰へ向かう。
途中、コマクサ群落地を通過。ここでなんとこの時期に一輪だけだがコマクサが咲いているのを見っけ。
葉は黄変しているも花が一輪
今日の昼食予定地、三ノ池が見えてくる。
コバルトブルーの湖面が美しい。
この湖の水は決して腐らない神の水といわれ、「御神水」と呼ばれている。
コバルトブルーの三ノ池
三ノ池湖畔の開田頂上に着いたのが10時過ぎ、まだちょっと早いが昼食とする。
ここで、S隊長、何を思ったかいきなり干しものを始める。
靴まで脱いで、濡れた雨具を乾かしはじめた。

ゴミを蹴散らかし裸足で逃げるS隊長のナゾの行動

今日のお昼ご飯 コーヒー付き
この三ノ池では、天気が良いこともあり、多くの登山者と出会う。
これまでの行程でほとんど他の登山者と出会わなかったのが嘘のようだ。
中には三ノ池の湖畔で「ボァ~~~~~~!」とへたくそな法螺貝吹いている山伏見習いみたいなのまで現れ、大賑わい。

そうこうするうち昼食を終え、いよいよ最後の下山コースに入る。

下山コースは、三ノ池から女人堂へのトラバースコース。
昨年、落石による死亡事故があったコースである。
とは言え、それほど危険な個所も無く、どんどん降りていくと、なんと唯一危険と思われる崖が崩れた沢で休憩する二人連れの登山者。
老夫婦らしいが、よくもまあこんなところで休憩してるもんだ。
取りあえずおせっかいにも「そこは危険ですよ。」と注意だけして我々は先を急ぐ。
危険箇所は階段完備

最も危険な場所はここでしょう。
途中、幻の大滝(なぜ「幻」なのかは、よく分かりません)、ナナカマド群生地(実と枝だけ赤いのですが、葉っぱは紅葉してない。なぜだろう)などを通過し、昨日通った女人堂まで戻る。
来し方を振り返る 右には幻の大滝が見える
ここからは登って来た道と同じ道をロープウェイの駅まで。
女人堂から下は、昨日の閑散が嘘のような大賑わい。
大勢の観光客、老若男女、さらには子供たちで山道は大混雑。
ロープウェイ駅から見上げると剣が峰
ロープウェイ駅から、見上げると快晴の空に御嶽山剣ヶ峰が聳えたっていました。

今回の山行は、思い出深い山行となりました。
それはひとえにS隊長の天気の読みが的中したことのお陰です。
暴風雨を耐えた者だけが見ることができる素晴らしい夜明け。
古くからの信仰に支えられた神秘の山で見たコバルトブルーの池、ブロッケン、雲海、ライチョウ、日本アルプス。

この山行で、多くの山を遠望し、またまた行きたい山が増えてしまった充実した山行となりました。

今年も残りは4カ月。
年初に目標とした月1山行はなんとかオンスケジュール。
低い高いには拘りませんが、満足感のある山行をあと3回。なんとか達成したいものです。
<山行記録>
日程:2011年9月17日(土)~18日(日) 1泊2日

同行者:Sさん、Hさん

天候:
17日:雨のち暴風雨
18日:快晴

当初計画:
17日:飯盛高原駅(10:40)-七合目行場山荘(10:50)-八合目女人堂(12:00)(昼食)-九合目覚明堂(14:15)-横手道十字路(14:35)-剣ケ峰(15:00)-二ノ池新館(16:10)
18日:二ノ池新館(6:30)-サイノ河原避難小屋(7:00)-魔利支天乗越(7:20)-魔利支天山(7:40)-魔利支天乗越(8:15)-五ノ池飛騨頂上(8:40)-継子岳(9:15)-四ノ池(10:10)-三ノ池(10:25)-開田頂上(10:45)(昼食)-八合目女人堂(12:55)-七合目行場山荘(13:40)-飯盛高原駅(14:10)

コースレコード:
17日:飯盛高原駅(9:26)-七合目行場山荘(9:41)-八合目女人堂(10:37)-石室山荘(11:46)(昼食)-九合目覚明堂(12:44)-横手道十字路(12:54)-剣ケ峰(13:19)-二ノ池新館(14:05)
18日:二ノ池新館(6:32)-サイノ河原避難小屋(6:49)-魔利支天乗越(7:00)-魔利支天山(7:18)-魔利支天乗越(7:46)-五ノ池飛騨頂上(8:19)-継子岳(8:47)-四ノ池(9:48)-三ノ池(10:02)-開田頂上(10:23)(昼食)-八合目女人堂(12:35)-七合目行場山荘(13:17)-飯盛高原駅(13:26)

実歩行時間:
17日:3時間32分
18日:4時間56分