翌14日は、オーストリア・ぺニンアルプス地域は、なんとか一日晴天が続きそうなので決行。
写真はすべてクリックで拡大します |
朝7時過ぎ、少し早めにミュンヘンを出る。
天気は上々である。
国道8号をひたすら南下し、オーストリアに入る。
渋滞もなく順調に、グロースグロックナー山岳道路(通称パノラマシュトラッセ)の入り口付近まで到着。予定通り3時間弱のドライブであった。
ここまで来ると一気に山岳風景となる。
しばし休憩後、料金所で33ユーロ(こんな高額の有料道路ははじめて)を支払い、パノラマシュトラッセへ乗り入れる。
しかし、この料金はすぐに元取った〜という思いに変わった。
この料金所の標高は1,145mとなんてことはないが、すぐにぐんぐん高度を上げ、やがて2,000m超えの爽快な山岳道路となる。
峠を超えてカール(氷河の消えた後の地形)に入るとまるで異世界の景色が広がる。
さらに車を進める。少し、雲が降りて来ていることもあり幽玄とも言える景観が広がる。
この山岳道路の最高地点はHochtor (読めないが高い入り口という意味らしい)の2,504m。
ここからいよいよパステルツェ氷河の入り口となる。
最終目的地の少し手前に比較的感じの良いレストラン「Alpenverefnshaus(読めない)」があったので昼食。
湖そして山々の景色を楽しむ。ここからも晴天であればグロースグロックナーが望めるはずであるが、今日は今のところ雲の中である。
大きなカール地形に湖が見え、ハイカーが点在している。
なかなか人気のハイキングコースのようだ。
いよいよ終点のKaiser-Franz Josefs-Hofe(フランツヨーゼフ皇帝の宮殿 2,369m)に到着。
立派な観光施設である。結構古い施設だが、大規模な無料駐車場も完備されている。
せっかくここまで来たのだから、氷河を目指そう。
もちろん徒歩でも氷河まで行けるが、ここは目の前にある氷河鉄道 (Glescherbahn)のケーブルカーに乗るのが正解。標高差は300mもあるんです。
ジェットコースター並の角度で氷河へと迫る。
しかし、到着した下駅の近くに氷河は、全く無かった。
1960年代は、この下駅を降りてすぐのところから氷河が始まっていた。
今では氷河はずっと後退してしまっている。遥か彼方に氷河が見える。
Wikipediaによれば、「パステルツェ氷河はオーストリアにある氷河。アルプス山脈グロースグロックナー山中にあり、長さは8.4km。標高3,453mから2,100mに位置している。グロースグロックナー山岳道路とケーブルカーにより、氷河までアプローチすることができる。 氷河は後退傾向にあり、年10mの速さで短くなっている。1851年頃と比較するとその長さは半分ほどとなっている。」
半分どころじゃないだろ。ほとんど無いぞ。こうなったら、無くなる前に氷河に触るぞ!
ここからハイキングの開始である。
20分ほど急坂を降りて行く。
途中、ところどころに氷河があった高さを年代別に表示しているが、凄まじい消えようである。
最後に2010年の表示があるが、そこから3年経った今、もうほとんど氷河は消えてしまっていた。
見た目で言うと、今年か来年にはすべて無くなってしまいそうな感じである。
ようやく氷河の最先端に到着。
確かに氷河である。
氷がところどころ顔を出している。クレバスも見える。
が、やせ細った氷河は悲しい。
聞くところによると、この氷河を文明の力で、維持する計画もあるやに聞く。
なんでも断熱シートで覆うというような計画らしい。莫大な費用が掛かるらしいが、果たしてそんな計画に意味があるのであろうか。
世界中の氷河が消えようとしている現在であるが、それを目の当たりにすると結構衝撃である。消えてしまう前に見ることが出来たのを幸いと思う。
今日は、ここまで来る人はあまりいないのか、無人の氷河でしばらく、氷を触ったり、クレバスを覗き込んだりしてしばらく探索。
そういえば、さっき「危険!氷河へ行く人は自己責任で」という立て札を見たが、確かに危険な箇所も多い。立っている場所も氷河の上だったりする訳で、いつ崩れるかは不明である。
氷河の来る山上を見上げる。
正面にある丸っこいヨハンニベルク山 (Johanniberg 3,460m)がよく見える。
しかし、未だグロースグロッグナーは、その頂を見せない。
周囲の3,000m峰は、ほぼ見えてきているのに、なんともったいぶることか。
帰路に着く。降りた分は登らなければならない。結構な登りである。
例によって、花を撮るふりして小休止を連発しながら、なんとか下駅にたどり着く。
今日のハイキングはこれで終わり。
この付近にも多くのハイキングコースがあり、時間があれば楽しめそうだ。
カフェで一服しながらグロースグロッグナーの雲が晴れるのを待つ。
長いこと眺めているとようやくその頂上が一瞬顔を見せる。
本日の目的はこれにて完遂。
グロースグロックナー山頂 本当は前衛のピークかも。 |
周囲に3,000m超えの山々を臨みながらも、こちらの立っている場所も2,400m前後。
標高差は1,000m程度であり、また、富士山のような単独峰でないこともあり、それほどの高度感を感じない。ちょうど、涸沢から眺める穂高連峰の稜線みたいなもんです。
それでも、岩峰の鋭さや谷間の残雪、横たわる氷河。
本場ヨーロッパの高峰の雰囲気は十分に味わえました。
目的を達成したので満足して帰路につく。
日が長いのと天気が保ちそうなので、ところどころの撮影ポイントに立ち寄りながら、山岳道路を折り返す。
途中の絶景パーキングで、来し方を眺むれば、なんとグロースグロッグナーのほぼ全貌が見えているではないか。もう少し待つべきであったか。
気を取り直し、エーデルワイスシュピッチェ (Edelweiss-Spitze 2,571m)に登頂。
本日の最高到達点とする。
残念なことに、ここにもまたエーデルワイスは咲いていなかった。看板に偽りあり。
グロースグロックナーが完全に見える |
その後も、山や花の写真を撮りながら降りるが、結構いい時間になっているので先を急ぐことにしよう。
あれがオーストリア最高峰 |
しか〜〜し、なんとここから連続して問題発生。
単車の自爆事故による交通遮断が30分。
その後は前の車も見えない豪雨。
その影響かアウトバーンの速度規制と大渋滞。
案の定、ミュンヘン方面は黒い雲に覆われ真っ暗である。
雨の濡れすぼつミュンヘンの街にたどり着いたのは、ちょうど午後8時であった。
<山行記録>
日程:2013年6月23日(日) 日帰り
同行者:ミュンヘン在住Mさん
天候:曇り時々晴れのち豪雨
コースレコード(ドライブレコード):
ミュンヘン自宅発(7:20)-Bruck un der grossglockner strasse(10:00)-パナラマ道路料金所(10:10)-レストランAlpenhous-(昼食)-発(12:10) -Kaise-Franz Josefs-Hofe(12:30) -Glescherbahn上駅(12:35)-下駅(12:40)-氷河先端(13:00)-付近散策-氷河先端発(13:20)-下駅着(13:45)-上駅着(13:50)-(Cafe)-Kaise-Franz Josefs-Hofe発(14:30)-エーデルワイスシュピッチェ(15:30)-事故現場(15:45)-事故現場発(16:15)-パナラマ道路料金所(16:20)-ミュンヘン着(20:00)
ミュンヘン自宅発(7:20)-Bruck un der grossglockner strasse(10:00)-パナラマ道路料金所(10:10)-レストランAlpenhous-(昼食)-発(12:10) -Kaise-Franz Josefs-Hofe(12:30) -Glescherbahn上駅(12:35)-下駅(12:40)-氷河先端(13:00)-付近散策-氷河先端発(13:20)-下駅着(13:45)-上駅着(13:50)-(Cafe)-Kaise-Franz Josefs-Hofe発(14:30)-エーデルワイスシュピッチェ(15:30)-事故現場(15:45)-事故現場発(16:15)-パナラマ道路料金所(16:20)-ミュンヘン着(20:00)
実歩行時間:
なんだかんだで1時間30分ほど
なんだかんだで1時間30分ほど
エーデルワイスシュピッチェからのパノラマ |