10月3日から6日まで、クロアチア (Hrvatska)縦断の旅に出掛けた。
ミュンヘンから、クロアチア南部の世界文化遺産のドゥブロブニク (Dubrovnik)まで飛び、レンタカーで北上、こちらも世界文化遺産であるスプリト (Split)を経て、今回の目玉であるプリトヴィッツェ湖群国立公園 (Plitvice Lakes National Park)でハイキングを楽しみ、最後は首都ザグレブから、ミュンヘンに戻るという旅程である。
スプリトを朝に立ち、プリトヴィッツェ湖群国立公園内にあるホテル・プリトヴィッツェに正午頃に到着。
プリトヴィッツェ目指し車を走らす (写真はすべてクリックで拡大します) |
すぐにホテルを出て国立公園ハイキングコースの入り口へ。
チケットを購入。1日券110クーナ(2,000円くらいか)であるが、公園内ホテルに宿泊している場合は、2日目はただになるのである。ラッキー。
チケットの裏にあるマップ |
FコースとEコースを2日に分けてハイキング |
プリトヴィッツェ湖群国立公園は、滝が階段状に並んだ16の湖が特異な景観を作っており、1979年に世界自然遺産に登録された。
この地域はアルプス系と地中海系の植生が混在しており、鬱蒼とした森林に覆われており、熊や狼、ワイルドキャット、ミミズク、ライチョウも生息している。とのこと。
今日は天気もまずまずで、まだ時間もあるので、とりあえずこの入り口P1(ポイント1)
から、川下側を行くFコースをたどることにする。
所要時間は3時間から4時間となっている。
この頃は日の入り時刻も大分早くなって来ているが、これから同じコースを行く人も多くいるので、まあ大丈夫であろうということで出発。
湖岸は少々色づき始めている |
渡し船で対岸に渡る |
ここで更に船を乗り換え、P3波止場まで、プリトヴィッツェで最大のJezero Kozjak湖をすすむこと30分。
この行程は景色は素晴らしいのだが、船室は密閉されておらず、湖面を吹き抜ける風が直接当たるため猛烈に寒い。満員の凍えながらP3着。
ここから、川沿いにハイキングが始まる。
最下流の大滝まで約30分。尾瀬に似た木道を歩く。
紅葉がようやく始まったばかりで、もう2週間ほどあとが最盛期となる感じである。
途中の景色はまあ見応えのある渓流である。奥入瀬渓谷もしくは奥鬼怒といった感じ。
そして、折り返し点の大滝もまあまあの滝である。
一つ一つのパーツを取り上げるとそう大したことのない感じもするが、ハイキングコースとして全体を捉えれば、まあ及第点と言ったところか。
実際はこんなに混んでます |
大滝で折り返し、今度は谷を登り、川を高巻きし、上流を目指す。
結構な登りであったが、途中途中で望む景観は素晴らしく、この景色が世界自然遺産の決め手となったと確信する。
1時間ほど歩き、シャトルバスのバス停(ST1)に着く。
シャトルバスに乗り、最初のP1に到着。
本日のハイキング終了である。
翌6日。クロアチアの旅の最終日である。
昨晩から降り出した雨が止まない。
これだけの森林を作り出しているので、雨がデフォルトである。とあきらめ出発の準備をする。
このプリトヴィッツェの魅力とテーマはずばり「水」である。
幸い風がないので傘で歩けそうである。天気予報も10時頃には雨が上がると出ている。
今日は早朝1番8:30のバスでEコース(P1を起点に上流川のハイキングコース)に、シャトルバスはアジア系の方々で溢れかえり、少々辟易とする。
20分ほどでハイキングコース最上部のST3に到着。
今日のコースは案内板には所要時間2〜3時間とある。
数多くの湖の合間を縫うハイキングコースは、昨日のFコースより変化に富んでおり、大小の湖、渓流、大小の滝が散りばめられ、楽しいコースであった。
昨日と同様に木道(尾瀬の木道ほど整然としてはいないです)を歩くが、雨に濡れても滑らないのが好ましい。
朝一番の出発も正解で、先ほどの超うるさいアジア系団体から離れると、それほど人にも会わず静かなハイキングを楽しめた。
雨の中を歩き始める |
尾瀬である |
連合艦隊出陣の図 |
水の綺麗さは特筆 |
結局、最後まで雨は止まず、1時間半ほどでP2に到着、我々以外に乗客のいない渡し船でP1に戻ったのであった。
雨の中のハイキングでしたが、満足のハイキングでした。
乗客は我々だけ。貸し切り |
全体を概括すると、このプリトヴィッツェ湖群の主要な部分には立派なハイキングコースが設けられており、簡単に自然遺産に触れられることは大きなメリットである。
しかし、私には日本の自然遺産と比べると、あまりにもアクセスが容易すぎ、そのため混雑を招いているような気がしたのも否めない。
また、日本の自然遺産(残念ながら小笠原は未訪)と比べて、景観そのものが見劣りすると言うのが率直な感想である。
北アルプス、南アルプス、尾瀬、北海道の山の方が、はっきり言って、ここプリトヴィッツェより私には魅力的である。
断定はできないが、おそらく、プリトヴィッツェは、人工的に作られたハイキングコースに半ば強制的に観光客を誘導し、自然破壊を防いでいるのであろう。
このプレフィックスされたコース以外のコースを本格的に楽しむことができれば、この感想を改めることが出来るのかも知れない。
もちろん、世界自然遺産登録が自然破壊を加速することになっては本末転倒である。
そう言う意味では、ここはうまくマネージしているのかも知れない。
日本では、屋久島・縄文杉ルートや知床・知床五湖あたりには、若干危険な香りがしているのですが。
水が綺麗なプリトヴィッツェであった。 |
Fコース
日程:2013年10月5日(土)
日程:2013年10月5日(土)
同行者:Sさん
天候:晴れ時々曇り
コースレコード:
ホテル・プリトヴィッツェ(13:15)-国立公園入口(13:30)-(昼食)-P1船着き場(13:50)-(渡し船)-P2船着き場(13:55)-(遊覧船)-P3船着き場(14:25)-大滝(15:05)-ST1バス乗り場(15:45)-(シャトルバス)-ST2バス国立公園入口(16:05)-ホテル・プリトヴィッツェ(16:15)
ホテル・プリトヴィッツェ(13:15)-国立公園入口(13:30)-(昼食)-P1船着き場(13:50)-(渡し船)-P2船着き場(13:55)-(遊覧船)-P3船着き場(14:25)-大滝(15:05)-ST1バス乗り場(15:45)-(シャトルバス)-ST2バス国立公園入口(16:05)-ホテル・プリトヴィッツェ(16:15)