南八ヶ岳中核部(北横岳から) |
今回の目的地は、まず、①雪山②景色が良い③楽なところ。
ということで入笠山、天狗岳、北横岳+縞枯山を候補としたが、ロープウェイがあり楽に登れるということで北八ヶ岳にある北横岳+縞枯山に決定。
このルートは、同行のH君が昨年も来ており、その際は天候が悪く、景色がほとんど見えなかったとのこと。彼にとっては「八ヶ岳ブルー」への再挑戦となる。
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すぐそばの南八ヶ岳にも「横岳」があるため、区別するために北横岳と呼ばれるようになったらしい。
南八ヶ岳の横岳は、北横岳に比べてエライので「南横岳」とは呼ばれないのである。
予測通り、本日の八ヶ岳の天気予報は晴れ。気温も高い。
通常は強風が吹き抜ける北横岳も気圧配置から判断し、今日は風がないだろうと予測。
夜明け前に中央道に乗り諏訪インターを目指す。
途中、双葉SAで夜明けを迎える。
完全無欠の快晴である!! やった〜〜
中央道 双葉SAより日の出を眺める |
八ヶ岳にも夜明けが来る |
途中から積雪&凍結している山道を進み、「北八ヶ岳ロープウェイ」の麓駅に8時半過ぎに到着。
北八ヶ岳ロープウェイの駐車場に到着 |
登山者も多いがボーダー、スキーヤーも朝早くから登ってきており、ぎゅうぎゅうの車内は朝の総武線快速状態。
身動きできないまま7分ほどで頂上駅に到着。
それでも、標高1,771mから2,237mまで登れるのはありがたい。
ロープウェイ頂上駅前広場 |
調べてみると、1967年の創業当時は「日本ピラタス横岳ロープウェイ」という名前だったが、その後「ピラタス横岳ロープウェイ」と名を変え、一昨年までは「ピラタス蓼科ロープウェイ」と運営会社の変更により、4回も名前を変えているのである。
ロープウェイ自体は、創業以来何も変わっていない(ように見えます)のだが。
山頂駅の駅前広場は、一面の雪景色であり、多くの登山者で賑わっている。
その多くがアイゼンもしくはスノーシューを装着している最中である。
我々は天気が快晴であることを確認するとすぐに出発した。
これだけ踏みしめられた雪原では、我々はアイゼンなど付けないのである。
アイゼン、スノーシューを装着する人々 |
ちなみに最近は、アイゼンをクランポン、ピッケルをアックス、ザイルをロープ、ゼルプストをハーネス、ワカンをスノーシュー(これは違うか)などと呼ぶようですが、我々の世代はドイツ語縛りなのであります。
坪庭からロープウエイ駅方向 後ろに中央アルプスと御嶽山が見える |
これから行く北横岳 |
八ヶ岳ブルーの雪原を行く |
スノーモンスターの出来損ない |
南ア、御嶽などの絶景を眺めながら快調に高度を稼ぐ。
分岐で小休止。そこへ「知ったかオヤジ」の悪魔のささやきが。
我々が休んでいると、単独行のオヤジが現れ、「三ッ岳の方に行くなら、スノーシューかワカンがないとだめだよ。前に来た時は持ってなかったから戻って来た。」などと知ったかビーにご親切に教えてくれる。
我々のザック(ドイツ語)にワカン(日本語)が括り付けてあるのがワカンないのかよ。
北横岳ヒュッテに到着 |
頂上への最後の急登 |
北横岳南峰に到着 |
北アルプス方面 大キレットもくっきりと |
南八ヶ岳から南ア方面 |
すぐ北にある蓼科山 いわゆるザビエルです |
ザビエルをバックに(北峰にて) |
浅間山、四阿山方面もくっきり |
果たして絶景である。
近くには南八ヶ岳、蓼科山。
遠く、南アルプス、中央アルプス、御嶽山、そして北アルプス。鹿島槍、白馬三山も含めてほぼ全山が見渡せる。
妙高山、浅間山方面も快晴であり、文字通り360度の展望である。こんな日は一冬に幾日もあるまい。
冬の晴れた日の八ヶ岳の空を人は「八ヶ岳ブルー」と呼びますが、まさにこの日がそうでした。
北横岳から見る全アルプス 南から北まで全部見えてます |
急登を登ってきたので、汗ばむほどである。
南峰での景色を楽しみ、北峰に向かう。
北横岳は双耳峰であるが、南峰より北峰のがわずかに高く、北峰が北横岳最高点である。
北峰は、同じロープウェイで来た人々もほぼ同時刻に登って来ているため、かなりの混み具合であったが、我々がだらだらと30分も居座っているとほとんどの人が降りてしまい、静かな山頂を満喫することができた。
さて、ここで午後の予定を考える。
今日は天気が良く、当初予定していた縞枯山もよく見える。
縞枯山はここより標高が低く、展望もあまり良くない。
それに比べて三ッ岳は岩峰でおもしろそうである。
先ほどの単独行の知ったかオヤジも「行く」と言ってたし、ワカンの訓練にもなるということで、三ッ岳方面に行くことに決める。
積雪が多い場合は引き返す。
トレースがあって先に進めると判断した場合は、そのま雨池山を越え、縞枯山荘まで下ることにしよう。
ワカンも持ってきたよ |
この方面に足を伸ばす人はあまり多くないが、トレースはしっかりしており、三ッ岳第三峰に容易にたどり着く。
このルート、夏場は岩場の登りとなるが、今日は冠雪しており歩きやすい。
三ッ岳第三峰への登り |
ここでも写真を撮ったり、後から来た人たちと話し込んだりと十分な休憩を取り、この先もトレースがしっかり付いているのを確認し、雨池山方面へ進むこととする。
第三峰頂上にて |
ここまでは余裕があったのでポーズを決める |
さっきまで居た北横岳と蓼科山 |
白い雨池と金峰山方面 |
しかし、第一峰を通過する頃に私の左のアイゼンが不調となり、2回も外れる。(後で調べてみるとワンタッチのネジの長さが長すぎ、ゆるくなっていた)
ちょうど積雪も多くなり、トレースもあまり踏まれていないので、いよいよワカンの出番とする。
出だしはしっかりしたトレースが |
ワカン装着!沈まないよ |
雨池山山頂の標識は足の下に |
下り勾配が急なためワカンでは止まらず、滑り落ちる。
トレースがよく分からず、樹林帯で藪こぎ状態に陥る。
果ては雪に埋もれた木(シラビソ)の枝に乗っている雪を踏み抜き、胸まで埋まる。等々。
雨池山を越えると、さらに雪は深くなり、正しいトレースもよくわからなくなる。
天候も曇りがちになり、ロープウェイの最終時刻4時までに間に合うかと不安にもなってくる。
Hさんが先行していたが、ズボッという音とともにいきなり見えなくなる。
なんとか這い出してきて「ここはダメ、左の方は大丈夫そうだよ」私が左の方へ行くと、いきなりズボッ。
胸まで雪にハマりながら助けに来てくれたH君と大笑い。
雪道での苦闘30分あまり。なんとか怪我もなく雨池峠へ出ることができた。
ここまで三ッ岳第三峰からは、一人の登山者にも遭わず、ワカン装着雪山迷走を堪能できました。
先を急ぐラッセル要員 |
うまいコーヒーをいただく |
山荘のオヤジさんに「どこから来たの?」と問われ、「北横から三ッ岳、雨池山を廻ってきた」と告げると、「トレースありましたか?あのルートはあまり人が入っていないと思うけど。大体トレースなくて苦戦するんだよね」とのことでした。
縞枯山荘を出ると、また晴天が戻っていた。
ワカンもアイゼンも外し、のんびりと頂上駅に向かう。
10分ほどでスノーボーダー・スキーヤーで満員の頂上駅に到着した。
ロープウェイはもうすぐだ |
山頂駅に着いた。 |
今日の山行もここで終わり |
たった7分でふもとへ下る |
しかし、今回の山行では、足も痛まず、ヘタレることもなく最後まで快調であった。
今年になり2回目の山行となったが、ここまではまずまずの体調である。
今年こそは、「月一山行」を成し遂げようと決意を新たにしたのである。
〜深雪に 足を取られて 笑顔かな〜
甲斐駒ケ岳に日が沈んでいく(八ヶ岳SAより) |
日程:2015年1月25日(日) 夜行日帰り
同行者:Hさん
天候:晴れ時々曇り
当初計画:北八ヶ岳ロープウェイ頂上駅(9:00)-北横岳ヒュッテ(9:50)-北横岳南峰(10:00)--北横岳北峰(10:10)-発(10:30)-南峰(10:35)-北横岳ヒュッテ(10:40)-縞枯 山分岐(11:30)-縞枯山荘(11:40)-(昼食)-発(12:40)-縞枯山(13:10)-発(13:30)-縞枯山荘(14:00)-北八ヶ岳ロープウェイ頂上駅(14:15)
コースレコード:北八ヶ岳ロープウェイ山麓駅(9:10)-(ロープウェイ)-頂上駅(9:20)-発(9:30)-三ッ岳分岐(10:09)-発(10:15)-北横岳ヒュッテ(10:20)-(アイゼン装着)-発(10:30)-北横岳南峰(10:43)-発(10:55)-北横岳北峰(11:00)-発(11:28)-南峰(11:32)-発(11:45)-北横岳ヒュッテ(11:50)-三ッ岳分岐(11:53)-三ッ岳第三峰(12:10)-発(12:35)-第二峰(12:47)-第一峰(12:55)-休憩(13:00)-(ワカン装着)-発(13:15)-雨池山(13:45)-雨池峠(14:05)-縞枯山荘(14:12)-(昼食)-発(14:50)-北八ヶ岳ロープウェイ頂上駅(15:00)-発(15:10)-(ロープウェイ)-山麓駅(15:20)
実歩行時間:3時間3分 休憩2時間27分
三ッ岳第三峰にて |