岳人はサミットを目指す。山頂直下のH君の勇姿 |
蓼科山。
「八ヶ岳連峰の北端に位置する標高2,531mの火山。 円錐形の美しい山容から諏訪富士とも呼ばれる。日本百名山のひとつ。」Wikipediaより一応、北八ヶ岳に分類されていますが、完全な独立峰であり、山頂からの風景は360°のパノラマです。八ヶ岳連峰はもちろん、南アルプス・中央アルプス、北アルプスの北端まで展望できる。富士山は、残念ながら、赤岳の陰になり見えないのですが。
深田久弥先生が、八ヶ岳とは区別して百名山に選定した名峰である。
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残っているイメージは、でかい岩ゴロゴロ、最後の登りは地獄だった。くらいではありますが。
それから、30年以上経っての再訪となります。
今回は、雪山であること、眺望の良さ、適度な行程ということで蓼科山を目的地とした。
信州ビーナスライン・すずらん峠にある女神茶屋・蓼科山登山口から、蓼科山の南面を登ることとし、H君と中央高速を西行した。
午後からのほうが天気が良くなると予測し、「八ヶ岳ブルーと北アルプスが見れればいいや」ということで、午前9時から登山を開始することとした。
中央高速から八ヶ岳を見る。晴れてるぞ! |
しかし、半ば予想はしていたことだが、30~40台は停められる駐車場は、既に完全に満車であった。
しばらくの間、付近に駐車場所を探すも、すぐにプランBを発動。
七合目登山口から将軍平を通るルート(プランB)に変更する。
この蓼科山の北面を登るルートは、蓼科牧場にある白樺高原国際スキー場のゴンドラリフトを利用できる。
車を回し、スキー場の駐車場に着く。多くのスキー客(ここはスキー場です)に混じり、2組ほど登山の準備をしている人がいた。
彼らもまた、すずらん峠の駐車場から転戦してきた模様である。
最近、我々が愛用するゴンドラリフトで、一気に1,830mまで上がる。
後から思い出したが、学生時代の夏、御泉水自然園に行く時に、ここのリフト(2人用)に乗車中ふざけていて、リフトを止められ、係員に引きずり降ろされたという記憶がうっすらと蘇る。
今日はそんなこともなく、すんなりと頂上駅で降り、登山開始である。
ゴンドラリフト頂上駅 |
山支度をするH君 |
登山開始である |
天候も良くなってきているし、元気に登山開始。
まずは、程よい積雪がある山道を無積雪期の登山口である七合目登山口まで行く。
夏場は、ここまでは車で入ることができる。
七合目登山口に到着 |
登山口から先は神域である |
私は「まだ早いんじゃないの」とは思ったが、同意。(実は右のアイゼンがどうも不調であまり履きたくなかった)
ところが、ここでアイゼンを履いたのが大正解。
ここからの登山道は、雪が一度解けて凍った箇所が多く、アイゼン無しではかなり危険。
H君もたまには良いことを言うのである。
アイゼンを履くのさ |
全体的には、ここ数日、気温が少し下がったこともあり、締まった雪道でさほどの苦労は無かった。
途中で少し、道を間違えたり、「天狗の露地」と呼ばれる展望台で必要以上に長く休んだりしながら、将軍平・蓼科山荘に、ほぼ夏時間どおりに到着。
登山道を振り返る |
ルートファインディングをしている? |
天狗の露地にて 北アルプス方面 |
蓼科山山頂が見える |
将軍平ルートに変更して正解であった。
この雪道では踏み跡を外すと歩けないので、もしすれ違うパーティが多ければ、かなりの時間を無駄にしなければならない。
将軍平から山頂を見る |
将軍平にある蓼科山荘 |
将軍平からは、最後の急登が待っている。意を決して出発。
しばらく歩くと森林限界を超え、夏ならば大きな岩がゴロンゴロンと並んでいる難所である。
蓼科山は、遠くから見ると天辺だけ剥げていて、よく「ザビエル」と呼ばれる。
そのザビエルの頭頂部に差し掛かった訳である。
北横岳から見たザビエル(後ろは北アルプス)2015年1月写 |
見た目より苦労もなく、山頂に到着。
最後の急登を登る |
山頂に到着 |
これが蓼科山山頂です |
この頃はまだ登山者が散見される |
今日はピッケル使いました |
山頂とは言え、広い広場になっているので、まずは山頂標識(2,531m)に。
今日は風も弱く、天気も良いので、山頂にて昼食とする。
広い山頂には思ったとおり、女神茶屋コースに下っていくのであろう多くのパーティが「ドラクエ歩き」(1列になって整列して歩くことを登山用語で「ドラクエ歩き」と呼ぶ。語源は不明。)を行っている。
今日のお昼はこんなの |
H君いわく、「ここだけは晴れてるので、蓼科山にして正解!」H君もたまには良いことを言うのである。
1時間も休んでいるうちに、辺りには人影が無くなってしまった。
山頂に取り残された我々も本日の最後であろう撤収を行う。
山頂にある蓼科神社奥社にお参りをして、下山することとしよう。
ここだけは晴れてます |
蓼科神社奥社 |
八ヶ岳方面は雲の中 |
H君は、今日は調子が良いのか、久しぶりの下り特急券を発行しました。
走るように下る |
霧ヶ峰・北アルプス方面だが。 |
下山途中で遊ぶ1 |
下山途中で遊ぶ2 |
将軍平から山頂を振り返る |
北アルプス方面。晴れないかな~ |
七合目登山口まで降りてきた |
本当はこんな景色が見えるはず |
夜になり中央高速に入る。
ビーナスラインから蓼科山 |
ビーナスラインから北横岳 |
蓼科山、また来るからね〜 |
H君いわく、「我々が大月に着くころには渋滞解消してるね」
ゆっくり作戦成功!と思われた矢先、前方で事故発生。
結局、大渋滞に巻き込まれ、家に着いたのは深夜12時前となってしまったのであった。
H君の発言も今日の最後は良くなかったのである。
H君おすすめのラーメン屋さん |
ハルピンラーメンを食す |
本日の総括;
360度展望は得られなかったが、天気はまずまず。日焼け止め忘れずに正解。
ルートの変更を余儀なくされたが、混んでいなかったので、返って正解。
2人とも体調もまずまずでしたが、右アイゼンだけは不調。
全体としては、満足できる雪山の一日となりました。
追記;
今回、試しにiPhoneアプリの「山と渓谷地図」を導入してみる。
多少の修正(休憩時間とかが上手くログできない)は必要であるものの、GPSを使って、コースレコードをきちんとログしてくれる。地図上での足跡もログしてくれるので、とても便利な代物である。
一時、ガーミン(一番有名なGPSロガー)を購入することを考えたこともあるが、このiPhoneアプリで、当面は不自由はなさそうである。
もっとも、手書きでコースレコードを記録していくのが、老いぼれ山屋にはお似合いなのではあるが。
<山行記録>
日程:2016年3月20日(日) 日帰り
同行者:Hさん
天候:晴れ時々曇り
当初計画:プランA<無積雪期標準コースタイム>
女神茶屋・蓼科山登山口(9:00)-蓼科山山頂(12:00)-(昼食)-発(13:00)-登山口(15:00)
変更計画:プランB<無積雪期標準コースタイム>
ゴンドラリフト頂上駅(10:00)-七合目登山口(10:20)-馬返し(10:40)-将軍平(11:50)-蓼科山山頂(12:30)-(昼食)-発(13:30)-将軍平(14:00)-馬返し(14:50)-七合目登山口(15:15)-ゴンドラリフト頂上駅(15:30)
コースレコード:ゴンドラリフト頂上駅(10:16)-七合目登山口(10:35)-(アイゼン装着)-発(10:41)-馬返し(10:57)-天狗の露地(11:33)-発(11:45)-将軍平(12:27)-発(12:32)-蓼科山山頂(13:12)-(昼食)-発(14:08)-将軍平(14:33)-天狗の露地(14:45)-発(15:05)-馬返し(15:16)-七合目登山口(15:24)-ゴンドラリフト頂上駅(15:39)
実歩行時間:3時間44分
写真はこちらから「20160320 蓼科山」
山頂から八ヶ岳核心部を見る |