鷲ヶ峰から北アルプスは見えなかった |
本来であれば、2020東京オリンピックが佳境である8月5日。
想定外の2020コロナ自粛が佳境となってしまっていた。
「梅雨明け10日」とはよく言ったもので、毎日晴天が続いているが、東京都民には、旅行帰省、夜の会食、遠出の自粛が求められ、ステイホームはいまだに終わらない。
今年は「おさるし山デイ夏合宿」も中止とした。
こんな中、歩荷志願兵のSM君が日帰り特訓を所望してきた。
まあ、最初は「奥多摩なら、都内なので問題なかろう」と奥多摩・川苔山を目的地としたが、連日34度の猛暑日では、奥多摩は無理。熱中症に罹りに行くようなもんだ。
ということで、「武州は東京でしょ」とかSM君が訳のわからないことを言い出し、瑞牆山、大菩薩嶺などを検討したが、最終的には、「大弛峠(おおだるみとうげ)から金峰山」に目的地を決定。
いずれの山も武州ではなく、甲州ではなかろうか。ま、いいや。
早朝、中央高速を勝沼ICで降り、一般道をひた走り、大弛峠へと向かう。
大弛峠は、山梨県と長野県の境にある峠で、標高は2,360m。自動車が通行できる日本最高所の峠である。
峠自体が高所にあるので、暑さとは無縁の快適登山ができるのである。
通常、6月から11月までしか通行ができないが、今年はどうなっているのだろうと調査。
前の日にウェブ検索すると大弛小屋でソフトクリームを販売しているとある。
小屋が営業しているなら、峠までは行かれる。と、当然のように思い込んでいた。
自宅から4時間ほど走り、川上村を抜けて、いよいよ峠への分岐地点に到着。
ガビーーーーーーン!!!
なんと!「通行止め」の立て札があるではないか。
この道を20分行けば大弛峠だ |
ガビーン!! 「全面通行止」って、どういうこと? |
前日、ソフトクリームを食っていたオヤジは一体なんなのだ。
茫然としつつも、いろいろ調べると、なんと長野県側からは通行不可(全面通行止め)であるものの、秩父側からは通行可である。
かと言って、いまさら秩父側から入り直すのは論外である。
本日、金峰山は諦めざるをえない。
なんのバチが当たったのか。
時刻は午前9時30分。
目的地を変更するにも、もう大菩薩は通り過ぎ、瑞牆山は時間的にちょっと無理。
しかたなく、霧ヶ峰方面へ車を向ける。
一度、中央道へと戻り、諏訪ICからビーナスラインへ。
快適なドライブとなる。
人気のない霧ヶ峰ファミリーゲレンデ |
ニッコウキスゲも何も咲いていない霧ヶ峰をビーナスラインで一巡りし、八島ヶ原湿原に行ってみることとした。
写真はすべてクリックで拡大します |
八島ヶ原湿原に着いたのは、もう12時前となっていたが、まずは湿原周回。
天然記念物なのだ |
高層湿原なので尾瀬っぽい |
まあ、尾瀬を小さくしたような湿原である。
花の最盛期は終わりかけていたが、それでもまずまずの種類をみることができた。
ニッコウキスゲ |
アカバナシモツケ |
シモツケソウ |
シシウドの向こうに見えるのが鷲ヶ峰か |
コオニユリ |
オオマツヨイグサ |
キオン |
ハクサンシャジン |
ヤマホタルブクロ |
ノアザミ |
キンミズヒキ |
キリガミネヒオウギアヤメ |
イブキトラノオ |
マツムシソウ |
標高も1,600mとそれなりに高く、それほど暑くもなく、快適ではあったが、雲量が少し多くなってきた。
1時間ほどで湿原周回を満足裏に終え、手近にあった鷲ヶ峰(1,798m)を登ることにする。
草原の稜線を快適に登る。
見通しの良い一本道をサクサク登っていくと、
「頂上につきました〜!」と先行するSM君が言う。
「おう、そうかそうか、随分と簡単に着いたものよのう。」
頂上はもうすぐだ! 実はニセピーク |
もう13時も過ぎており、お腹もすいたので昼食とする。
展望は良いが、かなり雲が出てきて、遠望は効かない。
アルプスはおろか、すぐそばにあるはずの八ヶ岳もその姿を見せてくれない。
でも、風は気持ちいいし、清寿軒のどら焼きは美味いし、満足なのである。
不謹慎な歩荷要員 (ニセピークにて) |
今日のランチは清寿軒のどら焼き付き |
諏訪および北アルプス方面 |
景色を眺めていると、もうちょい先にさらにピークが2つほど見える。
一応、地図を出して確認するとなんと、いまいるここは頂上じゃないじゃん。
そういえば、昼飯を食っている時に唯一すれ違った2人連れが怪訝そうな顔でこちらを見ていた。
あの怪訝そうな顔は「あ〜あ、ニセピークに騙されちゃって、こんなとこで飯食っちゃってるよ。こいつら、パーじゃねえの。」って顔だったのだなあ、SM君よ〜〜。
気を取り直し真のピークを目指す |
真・鷲ヶ峰のピーク |
八ヶ岳方面 |
タカネナデシコ |
ヤマハハコ |
ハクサンフウロ |
謎の実(特定希望) |
ウツボグサ |
気を取り直し、山頂を踏んだのは14時ちょうどであった。
真の山頂でも、得られる展望はニセピークと大差ないので、しばらく休んで下山開始。
下山をはじめるとポツポツと雨が降り始める。
鷲ヶ峰山頂にて |
かなり雲が厚くなって来ましたよ |
すぐに止むだろうと、そのまま下山を続けるが、雨足は強くなる一方。こりゃ豪雨である。
あわてて雨具を着て、駐車場へ急ぐ。
車に乗り込みようやく人心地がついたので、今回の山行は終了。
思い出してみれば、前に霧ヶ峰に来た時も天気悪かったなあ。参考までに。
避難した車の中から駐車場を見る |
SM君とは2回連続で局地的豪雨に見舞われ、今回は通行止めまで食らってしまい、まことに相性が悪いのである。
次は「櫛形山へ行きましょう」とか言っていたが、果たして今度は予定通りとなるのであろうか。
歩荷の顔も三度まで
<山行記録>
日程:2020年8月5日(水) 日帰り
同行者:SMさん
天候:晴のち曇りのち豪雨
当初計画;大弛峠駐車場(9:30)-朝日峠(10:00)-旭岳(10:30)-発(10:40)-金峰山(12:10)-(昼食)-発(13:00)-旭岳(14:00)-発(4:10)-朝日峠(14:40)-大弛峠駐車場(15:130) <歩行時間4:30>
同行者:SMさん
天候:晴のち曇りのち豪雨
当初計画;大弛峠駐車場(9:30)-朝日峠(10:00)-旭岳(10:30)-発(10:40)-金峰山(12:10)-(昼食)-発(13:00)-旭岳(14:00)-発(4:10)-朝日峠(14:40)-大弛峠駐車場(15:130) <歩行時間4:30>
変更計画;八島山荘駐車場(11:50)-(八島ヶ原湿原周回)-鷲ヶ峰登山口(13:30)-鷲ヶ峰山頂(14:30)-(昼食)-発(15:00)-八島山荘駐車場(15:40)
コースレコード;八島山荘駐車場(11:50)-(八島ヶ原湿原周回)-鷲ヶ峰分岐(12:45)-鷲ヶ峰登山口(12:54)-ニセピーク(13:18)-(昼食)-発(13:45)-鷲ヶ峰山頂(14:00)-発(14:06)-八島山荘駐車場(14:36)
実歩行時間:2時間13分 (コースタイム:3時間20分)
八島ケ原湿原 |