2022.8.30 【羅臼岳 ついに再訪なる!】知床遠征2022夏-1

知床峠から羅臼岳を望む
羅臼岳登山前日の8月29日。
女満別空港でレンタカーを借り、今日の宿泊地である知床岩尾別温泉のホテル「地の涯」を目指す。
海沿いの道に出ると羅臼岳擁する知床連山が見えてくる。
今日の天気は良いようだ。
網走を過ぎると知床連山が見える
ウトロ付近のオホーツク海
知床半島に入り、ウトロを過ぎる。
日没まで時間があったので、知床横断道路に入り知床峠を目指す。
知床峠にて羅臼岳を見上げる。
もう、知床は秋である。
明日も晴れてくれよ〜〜。
知床最高峰羅臼岳
こんなに近い国後島
秋色ただよう知床峠
知床峠を下り、予定通り羅臼岳登山口のある「地の涯」に到着。
昔、ここにきた時は鄙びた露天風呂があり、その近くで幕営し、羅臼岳登山に向かったのであるが、今や立派なホテルが立ち、それなりに繁盛している模様。
昼前に自宅を出たのに半日で登山口に到着。隔世の感がある。
岩尾別温泉「地の涯」
さて羅臼岳である。
「知床半島のほぼ中央にそびえる知床火山群の主峰で、成層火山上部に鐘状火山をのせたような形をしている。アイヌ語でラウシは「魚の臓物を処理した場所」とされているが、原名はチャチャヌプリ(爺爺岳)で、国後島のチャチャヌプリと同意語である。古くは良牛岳と記された。山名は羅臼岳であるが、羅臼町側からのコースより、岩尾別ルート(斜里側)の方が、より開けていて歩きやすい。羅臼岳周辺は、近年、ヒグマの出没が多いために注意が必要。山中には小屋がないため、宿泊はテントとなるが、キャンプ指定地で、フードロッカーなどを使用する。」ヤマケイオンラインより。

「羅臼岳は、北海道・知床半島にある火山群の主峰及び最高峰で標高1,661m。1964年6月1日に知床国立公園に指定され、2005年7月にこの山域を含む知床半島が知床 (世界遺産)に正式登録された。日本百名山、花の百名山及び新・花の百名山に選定されている。」Wikipediaより抜粋。
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8月30日午前5時20分。
天気は高曇り、気温は快適。絶好の登山日和である。
「地の涯」を出発、羅臼岳を目指す。
ホテルの前ではキタキツネが見送ってくれる。
今回はソロなのでキツネに挨拶して出発。
キタキツネのお見送り
地の涯に隣接する木下小屋
羅臼岳登山口
獣臭ただよう山道に入る
木下小屋の横にある登山口で入山届けを記入し山道に入る。
山道に入ると懐かしいような怖いような獣の匂いが漂ってくる。
動物園でよく嗅ぐ匂いである。
ルートマップにもある「ヒグマの出没頻度が非常に高い」地帯である。
久しぶりにクマ鈴を鳴らしながら進む。
「森のクマさん」を3番まで覚えてきて正解である。

ちなみに、いくら人気の百名山とは言え、さすがに地の果て知床のこことて、入山者は多くなく、この羅臼岳登山で出会った人は20人程度であろうか。
その多くは羅臼岳山頂での休憩時に出会っている。
当然、ほぼ全行程、一人旅となる。

オホーツク展望地をすぎ、弥三吉水、銀冷水と水場を通過。
この水場、最近ではエキノコックスが混じっている可能性があるとかで、要煮沸となっています。
流水なので多分大丈夫ですが、万が一に備え、今回は飲むのはやめておきました。
弥三吉水で、おっさんががぶ飲みして「うま〜〜!」と言ってたけど、勇気あるのか知らんのか。
オホーツク展望地。頂上まで5.9kmとある
オホーツク海が展望できた
クマのフンらしきもの
登山道は整備されている
低く伸びてくる白樺の枝
羅臼岳の稜線が垣間見える
天気は上々
コエゾゼミが落ちてきたよ
弥三吉水に到着
きれいで飲めそうでしょ
銀冷水にはトイレブース状のものがあるが、これは携帯トイレを使うスペースであり、中におしっこしちゃいけないので要注意。
世界自然遺産認定後、トイレは大も小も持ち帰りが原則です。
このあたりもヒグマ出没地帯となるので、森のクマさんの音量を上げて無事通過。
しかし、ここまでの3時間近く、ほぼ樹林帯。まあ、クマさんもいるわなあ〜
続いて銀冷水
携帯トイレ使用スペースです
銀冷水を過ぎ、ようやく樹林帯を抜け、大沢という枯れ沢に入る。
ここを登り切れば、第一目的地の羅臼平である。
もう高山植物の最盛期は終わっているが、イブキトラノオ、イワギキョウ、エゾオヤマリンドウ、そしてチングルマの果穂などが見事である。
なんなく枯れ沢を登り切り、羅臼平に到着する。
大沢まで来ると樹林を抜ける
トラノオ群落
リンドウ群落
イワギキョウ群落
振り返ればオホーツク
みんな大好きチングルマ(果穂)
チングルマの大群落
最後の登り
羅臼平 (1,345m)は、三峰(1,509m)と羅臼岳(1,661m)の鞍部にあり、岩尾別温泉、硫黄山、羅臼岳、羅臼温泉の4方向への分岐点であり、テントサイトとフードロッカーがありますがトイレはありません。
羅臼平から山頂を望む
羅臼平テントサイト
実は羅臼岳は、大学1年のCUCT夏合宿以来の再訪である。
その時はこの知床連山の山中に5泊6日も幕営した。
当時はフードロッカーもなく、他にテントを張っている人もなく、ヒグマの襲来に怯える幕営であった。
岩尾別温泉から羅臼平に登り幕営。羅臼岳を登り、その後三峰を越え、サシルイ岳、オッカバケ岳、知円別岳を縦走し、硫黄山を最終目的地とし、取って返して、羅臼岳まで戻る。
そして、当時まだ知床横断道路が開通していない知床峠まで下り、太平洋側の羅臼の町まで降りるという、いまではおよそ考えられない山行を行った。
実はその時は硫黄山へは到達していないと記憶している。
硫黄山への稜線にて、二人の登山者が逃げ帰ってくるのに遭遇。
「クマです、クマです。」と言いながら去っていった。
我々も稜線上の登山道をうろつくヒグマを発見し、硫黄山登頂は諦めたのである。

その時のリーダーからクレームが入りましたので上記は訂正いたします。
硫黄山にはちゃんと登っています。
リーダー曰く「硫黄山の山頂からの下山中に、熊を見たと慌てていた地元の山岳会の人に出会って、急いでテントに戻ったと記憶している」とのことです

また、羅臼岳から知床峠までのルートは今では完全になくなっている。
当時も踏み跡程度しかなく、道なき道をハイマツの密集する中を藪漕ぎして進んだ。
(参考)知床連山全図
当時も人の数よりクマの数のが多いと言われた知床。
5泊ともテントだったので、毎晩クマの影に怯えていたが、クマを目撃したのは1度だけであった。
これ以来、私はクマに免疫ができたのである。
本格的な登山をはじめて行ったのが、ここ知床であり、以降この山行が全ての山行の基準となっている思い出の山である。

羅臼平の点検を終了し、再び羅臼岳を目指す。
まだ登りが300m以上残っている。
途中の岩清水というところで一休み。
オホーツク海と太平洋を眺める。
すぐ近くに国後島が見える。
どう考えても日本固有の領土である。
岩清水で休憩
国後島がよく見えます
あと一息で頂上だ
振り返れば、三峰の山容が美しい。
あとワンピッチで頂上である。
羅臼平方面を振り返る
頂上付近は岩場となってきた
最後の岩場を登る
10時5分。ついに羅臼岳山頂に到着。
予定より1時間半ほど早い到着である。
1,661mの山頂には数人の先行者がいた。
羅臼岳に到着
知床峠方面 羅臼湖も見える
知床岬方面 硫黄山は雲の中
しばらく待つと硫黄山が見えた
羅臼岳から知床連山を見る
早い時刻に着いたからか、知床峠、羅臼湖方面、反対側の硫黄山方面も若干雲がかかっているものの展望は良い。

山頂は見ての通りそれほど広くはないが、登ってくる登山者もなぜだか皆さんすぐに降りてしまうので、私はのんびりと居座ることにする。
オホーツク海
太平洋
まだ時間は早いが、昼食。
今回は、軽量化と燃料調達が面倒臭かかったのでストーブは持参しなかった。
これが最後の羅臼岳と思い、1時間以上も山頂で過ごす。

次々と登ってくる人といろいろと話をするが、この辺りまで来ると変態な人も多く、これからオッカバケ岳方面を行けるだけ行ってみるという人やテント背負って硫黄山まで縦走する人などもいる。
おととい利尻岳に登ってきたという人、このあと斜里岳を目指す人もいる。
7月初旬から車中泊で9月中旬まで北海道の山を登り続けている人もおり、驚きである。
この人はさすがにのんびりと靴脱いで、私より後まで頂上にいらっしゃいました。
この後、斜里岳に登る予定の人が数人おり、情報交換をする。
彼らは明日の天気予報は荒天なので、シャワークライムを回避し停滞、明後日斜里岳を狙うとのこと。
多分明後日のが、沢は増水して状態は悪いと思うが黙ってることにした。
私は、雨でも明日やっちゃうもんね。
一応、1日予備日は取ってあるが、明日のがチャンスは多いと読んだ。連登のが楽だし。
羅臼岳山頂にて
今日のランチ
気がつくと天候悪化の兆し。
ガスが上がり雲が湧いてきている。知床峠も硫黄山も雲に沈んでいく。
ガスが上がってきた
雲に沈む知床連山
硫黄山ももう見えない
名残惜しいが下山の時だ。
コースタイムでは下りも4時間近くかかるが、時間には余裕があるので焦らず行こう。
まずは羅臼平まで降りる。
ここも見納めと思い、テン場やフードロッカーなどを写真に納める。
2人の登山者に追い抜かれるが、「なんでテントサイトなど撮影してるの?」と怪訝な顔である。
ふふふ、人には歴史があるのだよ。
再び羅臼平に
ヒグマ対策フードロッカー
テントサイト
サイトから見上げる羅臼岳
ガスが出てきた大沢を一気に下り、樹林帯に入る。
大沢にもガスが迫る
するとなんとここから、意味不明の悪戦苦闘が待っていた。
数分に1回、頭にガツンガツンと衝撃が走る。
なんと登山道に張り出している枝に頭がぶつかるのだ。
何回も当たるので注意して歩いていたのだが、疲れてるのか学習能力がないのかボケたのか通算で30回以上ガツンガツン。
山に行くと1,2回ぶつかることは普通にあるが、これほど頻繁にぶつかることは初めてである。
2回ほどは激しくぶつかりすぎ、気を失いかけたほどだ。
完全にパーになったしまったのである。
これにはさすがにぶつからない
こういうのにぶつかる
もう、トトロいるもん
細いのが強敵
過酷な自然環境で、長年風雪にさらされ、木の枝が曲がってしまっているのが原因なのだろうが、他の人は頭大丈夫だったんだろうか?
ヒグマより木の枝の方がよほど危険でヤバいのである。
ミヤマクワガタ?
立派なイブキトラノオ
登るときには気づかなかった花もあり、新しいクマのフンもあり、度重なる打撃でフラフラになりながらもなんとか登山口まで降りることができた。
登るときにはこんなのなかったよ
小さな御社に拝礼し、羅臼岳登山は無事終了。
下りは明日の斜里岳登山に備え、安全第一にゆっくり降りてきたが、コースタイムよりだいぶ早く到着したのであった。
しかし、長く痛い下山であった。
御社に参拝
木下小屋に到着
地の涯 山に入った人の車だけ残っている
エゾジカがお出迎え
私の到着を今度はキツネではなくエゾジカが出迎えてくれたのであった。
宿泊者特典を有効に使い、「地の涯」で岩尾別温泉を堪能したのである。

時間に余裕ができたので、知床連山縦走の降り口であるカイムワッカの滝と知床五湖などを軽く遊覧し、明日の目的地である斜里岳の麓の宿泊地へと向かったのであった。
知床縦走の下山口 カムイワッカの滝
知床五湖から連山を見上げる
羅臼岳 晴れてるじゃん
羅臼岳登山は、標高差1,400m、コースタイム8時間超えに加え、ヒグマ多発地帯ということで、緊張を強いられる登山となったが、天気も良好で、登山道は整備されており、思いのほか楽に登山ができた。
記憶とは曖昧なもので、「羅臼岳=きつい」と刷り込まれていたのでなおさらである。
また、あれほどの時間と労力をかけて登った山(当時は北海道に行くこと自体も大変であった)が、今では日帰りでお気楽に登れてしまうことに改めて隔世の感を抱いた。

さて、明日は斜里岳である。
土砂降りだけはやめて〜〜〜

<山行記録>
日程:2022年8月30日(火) 日帰り
同行者:ソロ
天候:曇り時々晴れ

当初計画;岩尾別地の涯(6:00)-オホーツク展望地(7:00)-発(7:10)-弥三吉水(8:00)-発(8:10)-銀冷水(9:10)-発(9:20)-大沢(9:50)-羅臼平(10:25)-発(10:35)-羅臼岳(11:35)-発(12:00)-羅臼平(12:45)-発(12:50)-大沢(13:15)-銀冷水(13:40)-発(13:50)-弥三吉水(14:30)-発(14:40)-オホーツク展望地(15:10)-岩尾別地の涯(15:50)

コースレコード;岩尾別地の涯(5:20)-羅臼岳登山口(5:25)-弥三吉水(6:50)-発(7:00)-極楽平(7:05)-銀冷水(7:55)-発(8:05)-大沢(8:20)-羅臼平(8:55)-発(9:00)-石清水(9:15)-発(9:25)-羅臼岳(10:05)-発(11:15)-羅臼平(12:05)-発(12:10)-大沢(12:40)-銀冷水(12:50)-弥三吉水(13:35)-発(13:40)-羅臼岳登山口(14:40)-岩尾別地の涯(14:45)

実歩行時間:7時間35分 (コースタイム:8時間20分)
羅臼岳登山路から知床連山&羅臼平を見る
網走から遠く知床連山
帰りの飛行機から知床連山を見る