2024.3.10 【浅間山外輪山 黒斑山・蛇骨岳へ】超快晴の雪山は超爽快!

噴煙を上げる快晴の浅間山
久しぶりの雪山である。
当初は上州武尊山を目的地としていたが、冬型の気圧配置が強く上越国境付近までは天候が不安定であったため、HT君の強い勧めもあり浅間山外輪山を目指すこととする。
浅間山を取り巻く外輪山は、西から人気の黒斑山、赤い山肌に黒い火山岩が蛇の骨のように見える蛇骨岳、その先に仙人岳、鋸岳と続くが、本日は黒斑山から蛇骨岳までの往復とする。
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「浅間山(あさまやま)は、長野県北佐久郡軽井沢町及び御代田町と群馬県吾妻郡嬬恋村との境にある安山岩質の標高2,568メートルの成層火山。山体は円錐形でカルデラも形成されており、活発な活火山として知られる。外側の外輪山には、黒斑山、牙山、剣ヶ峰などがある。」Wikipedeaより抜粋

浅間山自体は1972年から長い間登山禁止となっている。
さらに昨年2023年3月に気象庁が、噴火警戒レベルを1(活火山であることに留意)から2(火口周辺規制)に引上げ、「山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石や火砕流に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。」
という警報が出ており、上記の地図でも分かるが2kmの範囲にある前掛山も登山禁止となってしまった。
なお、2024年3月15日の16時に気象庁より<火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)が継続>と発表されている。
ということで、現在は浅間山の外輪山にしか入山できないのである。

最近、観光サイトなどでは、
「粉砂糖たっぷり!ガトーショコラな浅間山を見に行こう!雪化粧した浅間山はガトーショコラと呼ばれ、この景色を見に多くの登山やスイーツ愛好家が冬の黒斑山に訪れます。」などと、全く意味不明な誘致をおこなっているが、私はガトーショコラより、アナベル・ガトー派なので「あとは往くのみ!」なのである。

ともあれ、3月10日(日)の朝早く出発である。
HT君言うところ、最寄りの高峰高原の駐車場はすぐに満車になるので早出が必須とのこと。
そうだった。道路も駐車場も晴れると激混みなのを、基本的に平日しか出撃しない私はとんと忘れていたのである。
途中で自称ピークハンターのSM君を拾い、HT君運転の車は上越道から上信越自動車道に入り、小諸インターで降りる。
半分凍結したような山道を進み、高峰高原の車坂峠駐車場に午前7時過ぎに到着。
すでに駐車場はほぼ満車に近かったが、無事に良い場所に駐車完了。
駐車場はほぼ満車
この時点では、目指す黒斑山方面は雲が多く、絶景は期待できない気がした。
だが、HT君は「朝のうちは曇りですが、我々が稜線に出る頃には晴れます。」と言い切る。
また、私は久しぶりの雪山なので、いろいろ装備を持ってきたのだが、HT君は「人気の山なのでトレースがしっかりあるのでノーアイゼンで大丈夫です。」とまたまた言い切る。
なので、ストックとアイゼンだけは持っていくことにし、ピッケル、ワカンなどは置いていくことにする。
「負うた子に教えられて浅瀬を渡る」である。ちなみに「老いては子に従え」はこの場合は誤用となる。

ところで、自称ピークハンターのSM君は今回が、雪山デビュー戦。
このルートを選んだのもSM君に雪山を好きになってもらおうというHT君の配慮なのである。
私も久々の雪山でもあり、体力低下も著しいので渡りに船の黒斑山なのであった。
デビュー戦のピークハンターは、かっこいい冬靴にアイゼンを装着し、かっこいいピッケルを背負い、勇躍して出発である。
登山口から積雪あり
7時45分。登山開始。
歩き始めから雪があるのは、気持ちがいい。
まずは外輪山の稜線に出るべく「トーミの頭」を目指す。
確かにトレースはしっかりあり、雪は締まっており、夏道より歩きやすい。
曇り空の中登山開始
黒覆面のピークハンターの勇姿
シェルターで休憩するピークハンター
樹林帯の中、ゆるやかな登りが続き、1時間ほどで槍ケ鞘にある火山シェルターに到着。
ヤリガタコってなんだよ?と思っていたが、ヤリガサヤが正解かも。
気温はマイナス5度くらいであるが、風がないので結構暑い。
アイゼンワークに慣れていないSM君はちょっとバテてたようだ。本人曰く「ちょっと緊張気味でした。」とのことである。
シェルターを出ると、ヤリガタコの稜線に出る。
ヤリガタコを通過する
視界は一気に開ける。浅間山もここで全容を現すはずだが、天気は依然として曇り。
ほどなく標高2,320mの「トーミの頭」 に到着。
「トーミの頭」の意味は「遠見の頂」であることは自明である。
絶景ポイントである。
浅間は雲の中である。
雲湧くトーミの頭
浅間山は雲に沈む
大して景色も良くないので、すぐに黒斑山に向かう。
ここからは大好きな稜線歩き。しかも雪山である。
すっかりテンションが上がり、足取りも軽い。
驚いたことに浅間の雲もどんどん取れ、ついに全貌が見えてくる。
半分見えたぞ浅間山
外輪山稜線を往く
本日のターゲットの一つである黒斑山(2.404m)には10時過ぎに到着。
この頃にはHT君の予言通り、ほぼ快晴となった。
黒斑山に到着
ピークを踏み、満足げ
ついに浅間山が全貌を現す
手前は前掛山(2,494m) 煙の中が浅間山(2,568m)
そういえば、この浅間連峰には、野生の動物も多数生息している。その中でも、イヌワシやツキノワグマなどの生息地として国指定浅間鳥獣保護区に指定されている。
イヌワシやクマが見れればベストだが、カモシカも多く生息してるはず。
カモシカ出てくれないかなあ。と浅間山の方を見れば、クマみたいな影を発見。
浅間山山腹にクマの影か
HT君には「あれは岩です」と即座に却下されてしまった。
結局、この日は足跡はいくつか見つけたが、カモシカにもクマにもキツネにも会えなかったのだった。

さて、黒斑山で少々長い時間休憩したあとは稜線伝いに一路蛇骨岳を目指す。
多少のアップダウンはあるものの快適な稜線歩きとなる。
蛇骨目指して稜線を往く
振り返ると黒斑山
蛇骨岳に到着
ピークハント成功!
賑わう蛇骨岳山頂
今日の最終目的地である蛇骨岳(2,366m)には11時過ぎに到着。
天気はさらに良くなり、無風快晴となる。HT君ありがとう。
すぐそばの浅間山はもとより、関東平野方面の視界がよく、秩父奥多摩方面の稜線の上に富士山まで見ることができました。
関東平野方面
雲の向こうに秩父奥多摩の山々
左側に富士山がかろうじて見える
気温はマイナス8度くらいまで下がっていましたが、幸い風もなく、日差しも暖かいので、ゆっくりと昼食。
その間にも次から次へと登山者が登ってきました。
本当に人気の山であります。
本日のランチ
今回も定例の1時間超えの山デイ休憩でした。
この時間になると山頂付近もだいぶ混雑してきました。
そろそろ下山の時刻。復路は来た道を戻るだけです。
さて蛇骨岳ともお別れだ
今度は左手に浅間山を見ながら、稜線を往く。
天気も快晴となり、気持ち良い雪山トレッキングとなる。
そう言えば、私とHT君は結局ノーアイゼンのまま。
今日は多くの登山者に出会ったが、山靴だけの人はごくわずかでほとんどの人がアイゼン装着。一人だけスノーシューの人がいた。
まあ、雪山入門ルートなので、練習している人が多いということだろう。
実際はこのコンディションであれば冬靴履いてれば、何も必要ありませんね。
浅間山を横に見ながら

雪の稜線縦走路
午前中は曇っていたトーミの頭もこれでもかと言うほどの快晴。
浅間山もガトーショコラに見えたよ〜〜(嘘)
ここで湯の平(別名カモシカ平)をカモシカがいないかしつこく観察する。
いくつか足跡はあるもののカモシカの姿は見えず。残念である。
まだまだ混雑中のトーミの頭
ガトーショコラ浅間山ともお別れ
カモシカの足跡か
あとは下るだけだ

もう登山口は近い

無事駐車場に到着
午後2時ちょうどに出発地点の駐車場に無事到着。
楽な割に非常に満足度の高い雪山山行となりました。

雪山デビューの自称ピークハンターは満足したのであろうか。
花にも動物にも写真にも装備にも全く興味がないと言い放つ、自称ピークハンターであるが、雪に興味は持てたのであろうか。
まあ、所詮どうでもいい話ではあるのだが。。。ピークハンターって言葉自体和製英語だし。

帰りは少しでも渋滞を避けようと温泉をパスして帰路を急いだが、予想通りの大渋滞にはまってしまい、往路の倍の時間がかかってしまいました。HT君お疲れ様でした。

そう言えば前にHT君と梅雨の時期にここに来た時もいい天気だったことを思い出しましたよ。
<山行記録>
日程:2024年3月10日(日) 日帰り
同行者:HTさん、SMさん
天候:曇りのち快晴

当初計画;車坂峠駐車場(7:45)-トーミの頭(9:05)-発(9:15)-黒斑山(9:35)-発(9:45)-蛇骨岳(10:15)-(昼食)-発(11:15)-黒斑山(11:45)-トーミの頭(12:00)-発(12:10)-車坂峠駐車場(13:30)

コースレコード;車坂峠駐車場(7:45)-槍ケ鞘避難小屋(9:15)-発(9:25)-トーミの頭(9:35)-発(9:45)-黒斑山(10:05)-発(10:35)-蛇骨岳(11:05)-(昼食)-発(12:10)-黒斑山(12:45)-発(12:50)-トーミの頭展望台(13:10)-発(13:20)-車坂峠駐車場(14:00)

実歩行時間:3時間45分 (無積雪期コースタイム:4時間15分) 
蛇骨岳からの大展望