朝起きると快晴であった。
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旅館から前穂高のゴジラの背中が見えた |
早朝から焼岳を登り、続けて乗鞍岳をやるか?
今回は焼岳だけをゆっくり登るか?
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写真は全てクリックで拡大します。 |
答えは、旅館のフロントの説明にあった。
「朝食は7時からですが早朝出発の場合は、朝食用におにぎり弁当を用意します。お昼もおにぎり弁当を用意しております。」
夕飯がなかなか美味しかったので、朝7時からの朝食を頂くことに決定。2食連続おにぎりを回避した。
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中の湯温泉旅館の朝食 |
この時点で今日は焼岳をゆっくり楽しむことに決定!
朝食をゆっくりと食べ、いよいよ出発である。
旅館脇の道をまずは登山口まで登る。
その後はブナの樹林帯の中をひたすら登るだけである。
旅館で貰った焼岳へのルートマップを見ながら、順調に高度を上げていく。
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焼岳ルートマップ 新中の湯ルート |
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ブナの大木の樹林帯を行く |
下堀沢との出合まで着くと今度は谷沿いの道を登る。
しばらく登ると視界が開ける。
昨日の豪雨一過。本日は快晴。アルプスの稜線も展望できる快適なルートである。
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樹林帯を抜けると前穂高方面の視界が開けた |
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早くも紅葉が始まっていた |
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焼岳の南 峰(左側)と北峰が見えてくる |
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もう頂上はすごそこだ! |
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北峰の頂上も溶岩の塊だ |
しかし、大小の岩石を攀じるように登っていくのでかなり疲労する。
H君は快調のようでなかなか追いつくのも大変である。
この辺りから、、あまり足に踏ん張りが効かない状態となるも、なんとか焼岳南峰と北峰の鞍部まで到着。
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南峰と北峰の鞍部にて
後ろの煙は火山性ガス。くさ〜〜 |
火山湖・正賀池を間近に見る。
南峰は2,455m、北峰は2,399mと南峰のが高いが、南峰は立ち入り禁止となっている。
溶岩が固まった大きな岩峰であり確かに登るルートは見当たらない。
とは言え、落石と崩落さえ注意すれば、なんとか登れそうには見えるのだが。
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噴煙のすぐ下に登山道がある。人が歩いています。 |
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側を通り抜けると臭いし暑い |
ここでかなりの時間休憩を取り、いよいよ北峰への最後の登攀となる。
北峰も溶岩の岩峰であり、所々ガスが噴出している。
この焼岳は1915年に爆発し、梓川を堰き止め大正池を作ったのが、最近では一番大きな噴火であるが、その後1924年、1962年にも噴火している。
1965年から1992年までは入山規制が取られ、1992年から北峰のみ登山が許可されている状態である。
頂上に出る。
すごい人である。
我々の登ってきた「新中の湯ルート」より、「上高地から焼岳小屋を経由して登ってくる」登山者の方が圧倒的に多いようである。
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頂上は登山者でコミコミ |
結構広い頂上であるにもかかわらず、座る場所もないほどの混みようである。
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穂高の吊り尾根、左奥には槍ヶ岳が見えます。 |
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笠ヶ岳(左)から穂高連峰 |
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山頂から見る正賀池 |
景色はすごいことになっている。
北アルプスの主稜線(槍穂といわゆるダイアモンドコース)が一望できる。
乗鞍岳や笠ヶ岳も間近に迫る。
ちょうど空いた、「笠ヶ岳絶景ポイント」に座り、しばし景色を堪能。
ここで昼食とする。
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中の湯温泉旅館謹製おにぎり弁当 |
天気も良いし景色も良いし、しかも今回はゆっくり登山と決めたので、1時間以上頂上に留まる。
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焼岳山頂にて |
十分に北アルプスの景色を楽しみ下山を開始。
実はここからが大変であった。
まずは稜線直下の岩場を下る時に、足に違和感が走る。
時折、発症する膝の痛みではなく、踏ん張りが効かないのである。
トッレキングポールで支えながらの下山となってしまう。
当然スピードは出ない。
樹林帯に入れば、なんとかなるだろうと思っていたが、全くだめである。
H君にしばしば待ってもらうという情けない状態に陥る。
要するに脹脛の筋肉が弱っていて踏ん張れないのである。
トレーニング不足はおろかこれは完全にヘタレである。
ポールに頼りながら、なんとか一歩づつ歩をすすめるしかない。
とくに階段が最悪。降りられない。
秋の野草が咲いているが楽しむ余裕もない。
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振り返ると焼岳 |
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アキノキリンソウ |
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ハハコグサ |
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ミヤマリンドウ? |
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たぶん毒キノコ? |
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ノアザミ |
それでも、なんとかかんとか登山口まで到着。
残りは山道を10分下れば中の湯温泉である。
しかし、もう山道を歩く体力も気力もなし。遠回りになるが車道をテクテク降りることにした。
疲労困憊で中の湯温泉旅館に到着。
宿泊者は帰りも無料で温泉に入れてくれるのがありがたい。
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ただいま、中の湯温泉 |
温泉に入るとなんとか人心地がついた。
他に入湯者もおらず快適である。
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露天風呂は気持ちいいいなあ |
今回の山行では完全にヘタレを露呈してしまった。
ちゃんとリハビリ→トレーニングをしないともうどこにも行けないぞ!と自分を戒めながらも露天風呂から穂高の稜線を眺める頃には、「乗鞍岳を登り返す」という計画などはもうすっかり忘れてしまっていた。
山行記録
日程:2014年9月6日(土)
同行者:Hさん
天候:晴れ
当初計画:
中の湯温泉(8:00)-焼岳登山口(8:15)-下堀沢出合(9:40)-南峰北峰鞍部(11:10)-焼岳山頂(11:15)-(昼食)-発(12:15)-南峰北峰鞍部(12:20)-下堀沢出合(13:20)-焼岳登山口(14:20)-中の湯温泉(14:30)
コースレコード:
中の湯温泉(7:45)-焼岳登山口(7:55)-休憩(8:30)-発(8:40)-出合上部(9:40)-発(9:50)-休憩(10:15)-発(10:25)-南峰北峰鞍部(11:15)-発(11:30)-焼岳山頂(11:40)-(昼食)-発(12:50)-休憩(13:45)-発(13:55)-休憩(14:25)-発(14:35)-焼岳登山口(15:15)-中の湯温泉(15:30)
実歩行時間:登り3時間10分 下り2時間20分 合計 5時間30分
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焼岳山頂より北アルプス主稜線を望む |