666には気づいていたが、口に出して言うとダミアンが来るので黙っているのである。
入梅直前の最後の晴れ間を狙って、S君が中央道をぶっ飛ばす。
今回は私の足は本当に治ったのか謎?ということもあり、同行者も気を使ってくれて、
「超軟弱&贅沢旅館泊り。チョロ山2山連続ハイキング」となった。
思えば、昨年9月。本日同行のH君と「焼岳&乗鞍岳」100名山連続踏破を計画したものの、運悪く豪雨に見舞われ、焼岳だけの単独登山となってしまった。
残った乗鞍岳だけをやるのに前泊するのはもったいない。
ということで、S君提案の「鍬ノ峰(くわのみね)」を追加。
今回の本命の「乗鞍岳山行」より、標高差は多く、コースタイムはほぼ同じ。というハードな追加である。
鍬ノ峰から安曇野の街を見る |
晴れれば360度の展望が開け、餓鬼岳、烏帽子岳および針ノ木岳を中心とした後立山連峰の絶景が堪能できるのである。
最近は、シャクナゲの群生地としても有名となり、登山者も増えている山であるそうな。
アルプスの絶景、満開のシャクナゲが僕らを待っているのである!!
写真はすべてクリックで拡大します。 |
4、5台の車が駐車できるスペースがあるが、本日は他に一台の駐車も無く静かな登山が期待できる。
登山口の駐車スペース |
天気は快方に向かっている。山頂に着く頃にはきっとバカっ晴れに違いない。
つつましい鍬ノ峰登山口を元気に出発。
つつましい鍬ノ峰登山口 |
第1のチェックポイントである「No.18鉄塔」まではよく整備された山道で樹脂製の階段が設けられている。
No.18鉄塔を通過する |
登山者がそれほど多くないためか、登山道は狭くなり両側から熊笹がおい茂っている。
また木々も低く山道に覆いかぶさっている。
頭上に張り出す木の枝にザックに括り付けたストックが、頻繁に引っかかりイライラ。
さらに両サイドから我々の足を狙い迫ってくる熊笹。昨夜からの雨をたっぷりと含み、ピシャピシャと盛んに水しぶき攻撃を浴びせてくる。
我ここに至り、ストックを抜き、熊笹と一戦を交える覚悟を固める。
しかし、熊ちゃんも密集隊形を取り、容易に屈服せずピシャピシャ攻撃を続けてくるのであった。
熊笹と木々に覆われた登山道 |
「こんなの、もういや。」とか思いながらも、ストックを振り回しながら必死に付いていく。
熊笹との攻防はひたすら続き、次のチェックポイントである「尾根」も気づかず通り過ぎる。唯一の難所とされるロープを貼った岩場も、熊笹道より楽なのであった。
もういい加減にして!と思う頃、突如頂上に到着。
ここまでワンピッチ1時間半で到着である。しかし全員、下半身ほぼずぶ濡れで大笑い。
真っ白な空をバックに山頂に立つ |
そして、展望は、360度、全く、なんにも、ない。
とくにアルプス方面は分厚い雲で覆われている。かすかに眼下に安曇野の街が見えるだけである。ちょうど2000mくらいの高さに雲底があり、周囲全体をすっぽり覆っているという状況。
2000m付近に分厚い雲の層が。 |
レンゲツツジがちょこっと咲いていた |
白樺とシャクナゲに囲まれた頂上 |
シャクナゲの大群落 |
それでも我々はめげることなく、こころ静かに晴れ間を待ちながら、濡れたものを乾かし、ゆっくりと昼食を摂ったのである。
他に登山客もいないので、のんびりである。山頂独占なんて、なんという贅沢であろうか。頂上占拠。ゆっくりと昼食なのだ |
結局晴れることもなく、3人揃って風の音がお祭りのお囃子に聞こえるという幻聴?が聞こえ出したので、下山。下りも同じ熊笹道を下る。
またしても熊笹相手にストックを振り回しながら、滑るように登山口に到着。
時々、ウヒャ~!とか、ケケケ!とかいう声が聞こえてくる。本当に滑っているのであろう。
帰りも1ピッチ1時間で全員無事に登山口に到着。
今日は誰にも会わなかった。 |
そして、私にとっては、2月に骨折した足首の完治を確信できた登山となったのでした。
S君、H君ありがとう!
<山行記録>
日程:2015年6月6日(土) 日帰り
同行者:Sさん、Hさん
天候:曇り
当初計画:鍬ノ峰登山口(餓鬼岳登山口奥)(10:30)-No.18鉄塔(11:05)-尾根(11:35)-鍬ノ峰(12:35)-(昼食)-発(13:00)-尾根(13:40)-No.18鉄塔(14:05)-鍬の峰登山口P(14:20)
コースレコード:鍬の峰登山口(餓鬼岳登山口奥)(10:15)-No.18鉄塔(10:35)-鍬ノ峰南峰(11:30)-鍬ノ峰(11:50)-(昼食)-発(12:45)-No.18鉄塔(13:35)-鍬ノ峰登山口P(13:50)
実歩行時間:2時間40分