2016.7.22 【岩手山 東北遠征1日目】 大樹林の果てに高山植物の女王が待っていた!


本年度計画していた「東北遠征」の第2弾であります。
H君とともに、3日間で盛岡を基点に4山(岩手山、早池峰山、秋田駒ケ岳、八幡平)を踏破するという、まあ、いたって普通の山行計画ではあります。
夕暮れ迫る岩手山 (八幡平ロイヤルホテルから)
7月21日深夜、我々を乗せた高速深夜バス・ドリーム盛岡号は東京駅八重洲口を23:30に出発。途中池袋駅に寄った後はすぐに消灯となり、盛岡駅へとひた走る。
盛岡駅には翌朝6:55に到着する予定である。 
以前、白馬岳に行く時に使った深夜バスは、暑くて狭くてしょっちゅう停車して、よく眠れなかった。という教訓を生かし、今回は、3列シートトイレ付き途中下車不可というグレードのバスを選択。これでも盛岡まで6,500円という破格値です。
カーテンも付いていて、盛岡市内に入るまでぐっすりと寝ることが出来ました。

盛岡駅で唯一開いていたドトールで朝食を食べ、駅前でレンタカーを借りる。
さすが雪国である。ヴィッツなのに4WDが配車された。いざ出発。
岩手山に向かう車中から
本日、目指すのは、日本百名山・岩手山である。
「岩手山は日本の東北地方、奥羽山脈北部にあり二つの外輪山からなる標高2,038mの複成火山。岩手県の最高峰であり、県のシンボルの一つとされている。日本百名山に選定されている。東の盛岡側から見る姿は富士山のように長い裾野を引く整った形で、「表岩手」と呼ばれる。南の雫石町や北の八幡平市松尾方面から見ると、外輪山の連なりが凹凸をなし、「裏岩手」と呼ばれる。」Wikipediaより抜粋。
写真はすべてクリックで拡大します
古くから信仰の山でもあり、登山コースは、御神坂コース、焼走りコース、上坊コース、柳沢コース、七滝コースなど数多くあるが、今回は盛岡側から岩手山の北東斜面を登る「上坊登山コース」を選択。

このルートを選択した理由は単純。最も標高差が少なく歩行時間も短いからである。
とは言え、単純標高差は1,350m。コースタイムは7時間である。
富士山の「富士宮コース」がちょうど1,350mの標高差である。岩手山恐るべしである。

本当は溶岩地帯に「コマクサロード」を擁する、隣の「焼走りコース」を登りたかったのだが、こちらを選択するとコースタイムで1時間、標高差で120mほど負担が増加する。
ヘタレ山屋にとっては「上坊コース」がギリギリの選択であった。

盛岡から岩手山を目指す。
この日は東北内陸部は天気も良く、盛岡側から見る岩手山は綺麗なコニーデで美しい。
盛岡側からは綺麗な成層火山の岩手山
9時に上坊登山口駐車場に到着。
10台ほどは駐車できるスペースに他に車はいない。
駐車場には我々の車だけ
9時15分。登山届けを提出し、上坊登山口を出発。
登山届けをちゃんと提出する
登り始めると最初から樹林帯である。
途中の「ツルハシ分れ」で「焼走りコース」と出会うのだが、それでもまだ樹林を出ない。
行けども行けども樹林帯である。
樹林帯をひたすら登り続ける
どこまで続くのか
信仰の山らしく、祠があちこちに
「焼け走りコース」は溶岩帯を行くルートだが、このコースは全く最初から最後まで樹林帯の中を突き進むルートであったのだ。
出合った登山者はソロの2人だけである。
1人は上坊コース、1人は焼走りコースを登ってきたようである。
静かと言えば静かだが、熊さんがいつ出てきてもおかしくない樹林帯であった。
カラマツソウやらサラシナショウマやら 
ハクサンシャクナゲもまだ咲いています
ヤマザクラはたくさん実をつけてます。サクランボ
ヤマブキショウマ
ヤマハハコ
ミヤマオダマキ
アカバナユウゲショウ
ミヤマハンショウヅル
12時半。
標高1,750mの平笠不動避難小屋に到着。
ここまで、3時間余り1,000m以上も、展望もほとんど無い樹林帯の急登を登り続けて来たのであった。
平笠不動避難小屋に到着

避難小屋まで来ると、ようやく岩手山の山頂が見えてくる。
将軍平から見た蓼科山のような綺麗な山頂である。
岩手山の頂上を眺めながら、昼食とする。
今日はイオン謹製ランチ
相変わらずだらしない感じ
岩手山山頂を眺めながら
山頂まで標高差およそ300mの最後の登りである。
すぐに森林限界を超え、溶岩地帯に入る。
シシウドの向こうに岩手山山頂
大きなイワギキョウ
ミヤマオダマキ
ミヤマシオガマ
ハクサンチドリ
ベニバナイチヤクソウ
アキノキリンソウ
避難小屋方面を振り返る
下に見えるは御釜湖か

だんだんとガスが上がってくる
イワブクロ
ヨツバシオガマ
イワギキョウ
イワギキョウ群生
ここからが、今日のハイライトである。
多種多様な高山植物が咲き誇る快適な登山道を登っていく。

そして、頂上直下。ついに出ましたコマクサの大群落。
高山植物の女王。
他で見るより株も花も大きく見事です。
苦労して登ってきた甲斐がありました。

ここからコマクサの写真が続きます。






以上、コマクサでした
いよいよ山頂のある外輪山に到着。
崖を攀じる暴走山ガール
お釜を覗く
山頂までもう少しだ
残念なことに、このあたりから段々とガスが出てきて、山頂はすっかり雲の中でした。
岩手山山頂には午後2時過ぎに到着。
頂上付近では、チラホラと登山客の姿も現れるが、梅雨の平日ということもあり、静かな山行となりました。
夏空の岩手山山頂

どんどんガスが上がってくる
時間に余裕があれば、外輪山の「お鉢巡り」をしようと考えていたが、山頂はスッポリと雲の中で、眺望も得られない状態なので断念。
ついに山頂付近は霧の中に没す
頂上は霧で気温も下がり、寒くなってきたので、20分程滞在して下山開始。

下山前に記念撮影
登りと同じ登山道を駆け下り、上坊登山口にまっしぐら。
樹林帯を熊さんに出会わぬように「森の熊さん」を歌いながら走り続けたのであった。
あっと言う間に小屋まで下りる
駐車場までまっしぐら
駐車場には小熊の死骸が埋まっていた
(来た時には全く気づかなかった)
今回の振り返り。
1.夜行バスは存外快適であった
2.登山ルートはちょっと失敗かも(樹林帯長すぎ。他ルートのが景色が良かった)
3.山頂直下のコマクサは圧巻(予想外)
4.標高差1,400m、7時間歩行は、たまになら可能(基本は1,000m、5時間以内)
5.熊よけ鈴は持参しよう。(駐車場に小熊の死骸が埋めてあった)

体力的な懸念もあった岩手山登山であったが、3日連続登山の初日として、ほぼ満足のいく山行となった。
下山後は、H君が予約してくれた、すぐ近くの高級リゾートホテルに宿泊。
露天風呂、マッサージ付きの豪華さであったことを付記しておきます。
登り終えた岩手山を眺める
八幡平方面 明日も晴れる!!
<山行記録>
日程:2016年7月22日(金) 日帰り
同行者:Hさん
天候:晴れのち曇り

当初計画:上坊登山口(9:00)-ツルハシ別れ(11:20)-発(11:30)-平笠不動避難小屋(12:30)-(昼食)-発(13:00)-薬師岳(13:40)-発(14:00)-平笠不動避難小屋(14:30)-発(14:40)-ツルハシ別れ(15:20)-発(15:30)-上坊登山口(17:20)

コースレコード:上坊登山口(9:15)-二合半(10:15)-発(10:30)-ツルハシ別れ(11:20)-発(11:30)-平笠不動避難小屋(12:30)-(昼食)-発(13:10)-岩手山・薬師岳(14:06)-発(14:25)-平笠不動避難小屋(14:46)-発(14:55)-ツルハシ別れ(15:30)-発(15:40)-二合半(16:20)-発(16:30)-上坊登山口(16:48)

実歩行時間:5時間40分
岩手山・薬師岳から火口外輪山を見る